オハ35系●オハ35 |
2008年11月28日更新 |
客車形式としての生産両数は歴代1位にして国鉄客車の代表とも言える形式。それがオハ35だ。
旧型客車が国鉄の営業車から廃されて既に四半世紀が経ち、民営化以来の客車列車そのものの淘汰の影で、
その知名度は低くなる一方だが、やはり国鉄客車と言えばこの形式だろう。
初期車は、絞った車端を丸屋根で円滑に繋いだデザインに、
細身のTR23型台車が組み合わさって戦前製車両の優雅さがあった。
一方、後期車では工作の簡素化のための直線的に角ばったデザインと、
鈍重なTR34型台車との構成に戦後の混乱を垣間見ることが出来る。
更に、昭和30~40年頃に近代化改装を受けたもの、受けないもの、災害復旧車・緩急車改造など、
各車各様の出で立ちは客車ファンを飽きさせない。
オハ35は前述のように国鉄を代表する形式ではあったが、
列車組成の柔軟性という点で緩急車の方が使い勝手が良かったためか、
一族で旧型客車晩年まで生き延びたものはオハフ33の方が圧倒的に多かった。
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オハ35 2575 名マイ 米原発 富山行き 221レ 1984年 2月29日 米原駅 |
オリジナルスタイルをよく留める戦前製オハ35。 青塗りの近代化改装車であるが、TR23はやはり平軸受けのままである。 |
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オハ35 2594 名マイ 米原発 富山行き 221レ 1984年 2月29日 米原駅 |
米原区の戦前製オハ35。 青塗りの近代化改装車であるが、同区所属の僚車と同様にTR23は平軸受けのままである。 写真にあるように、客車普通列車全廃を控えた北陸本線では無粋な手書きサボが氾濫していた。 |
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オハ35 1028 福フチ (留置車両) 1984年 3月17日 豊岡駅 |
基本的な形態は戦前製を踏襲しつつ、鋼板屋根の車体とTR34を装着した戦後型オハ35。 車体側板の絞りや折妻は戦前型と同様だが、鋼板屋根は妻板に向かって直線で繋がっている、 所謂「折妻」と称されるグループである。 青塗りの外観や塗装された座席など近代化改装車であるが、客用ドアはオリジナルの木製・低窓である。 |
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