『酒を愛する男の酒』 矢口純 新潮文庫 <米国大使館員の一言より> |
「バーは何語だと思います?」 「そうですねぇ、やっぱり英語じゃないですか」 「残念でした。バーはハシゴでございます」 |
『ジョークで読む国際政治』 名越健郎 新潮新書より |
ブッシュ大統領が一杯やりにバーに入り、カウンターに座った。すると、右側の男がバーテンに言った。 「ジャック・ダニエル、シングル」 左の男も言った。 「ジョニー・ウォーカー、シングル」 バーテンダーがブッシュ大統領に「あなたは?」と尋ねると、大統領が答えた。 「ジョージ・ウォーカー・ブッシュ、married(既婚)」 |
『キャロリン・チータムの科白』 <「聖なる酒場の挽歌」より> |
「バーボンって下品になるのが好きな紳士の飲みものなのよ。スコッチはヴェストとネクタイと進学予備校。バーボンは自分の中の獣を外に出したがってる。自分の卑しさを見せたがっている愛すべき男たちの飲みものなのよ。暑い夜にじっとしてて、汗なんかかいても気にならないっていうのがバーボンなのよ」 |
『ヘミングウェイの言葉』 今村楯夫 新潮新書より |
<ダイキリ>『海流の中の島々』より 6杯、8杯と重ねるとザイルなしで氷河をスキーで急滑降する心地だ。 <マティーニ>『武器よさらば』より サンドウイッチがきたので3切れ食べ、さらに2杯マティーニを飲んだ。これほど冷たくてさわやかなのはこれまで味わったことはなかった。自分が文明人になったような気がした。 |
『ヘンリー・オールドリッチ博士曰く』 |
1.良酒あらば飲むべし。 2.友来らば飲むべし。 3.のど渇きたらば飲むべし。 |
『イギリス人に乾杯』 <「スコッチと銭湯」より> 田村隆一の酒についての個人的意見 |
イギリス人には不思議な才能がある。ウィスキーと探偵小説を創造した才能。むろん、ジェットエンジン、ペニシリンという科学的創造も。 ( ― 略 ― ) 探偵小説、あるいは推理小説は、ユーモアのセンスとウィットの知的活性で味つけされた御馳走(エンターテインメント)である。 |
『燗酒と温度の目安』 <読売新聞2008・1・27「和のいろは」>より |
日向燗30℃、人肌燗35℃、ぬる燗40℃、上燗45℃ 辛口は、あつ燗50℃、飛び切り燗55℃ |
『二日酔いの原因』 <タフガイ用語の基礎知識>より ハンター・S・フルガム |
アルコールの中には、二日酔いを引き起こすコンジェナーを多く含むものがある。たいていは色が濃いほどコンジェナーが多い。ウォッカはコンジェナーをほとんど含まないが、バーボンはコンジェナーをもっとも多く含むので、二日酔いになりやすい。 |
『マティーニ』 2杯飲むのがお約束 |
「よく言うでしょ、マティーニは女のオッパイと同じだって。ひとつじゃ少ないし、三つじゃ多すぎる。」 |
『酔心』上撰軟水仕込 <軟水と大観> |
先生の好まれた木目細やかな女酒は軟水仕込みにして漸く完成します。一日二升三合食事代わりに飲まれ、90の齢を全うされました。健康に益する酒と言えます。 |
『魂に注がれるべき透明の酒々』 <都市探検家の雑記帳>より 松山猛 |
娼婦が地上で一番古い職業であるとしたら、酒こそ、この世で最も古い飲料だということになる。猿公の発明品である。酔っぱらう不思議な水の製造ノウハウをにんげんが横取りしたのである。 |
『米国でのウィスキーの注文方法』 |
米国の酒場でウィスキーを注文する場合には、必ず銘柄を指定する。単にウィスキーと注文するとバーボン・ウィスキーを出してくるから。例えば Dewar’s Straight Up. Dewar’s and Water. Dewar’s and Soda. |
『ロシアは今日も荒れ模様』 <酒を飲むにもほどがある>より 米原万里 |
<PartT> 世の中に醜女はいない、ウォッカが足りないだけだ。 <PartU> 「理想的な人間像とは?」 イギリス人のように料理がうまく、 フランス人のように外国人を尊敬し、 ドイツ人のようにユーモアにたけ、 スペイン人のように働き者で、 イタリア人のように自制心に優れ、 アメリカ人のように外国語が得意で、 中国人のように高い給料をもらい、 日本人のように個性豊かで、 ロシア人のように酒を控えめに飲む人のことです。 |
『ウィスゲ・ベーハー序説』 <地球はグラスのふちを回る>より |
スコッチは南京虫の匂いがするというフランス人がいる。いっぽう、コニャックは石鹸の匂いがするというイギリス人がいる。しかし、パリでもロンドンでもおたがいそんな悪口をいいながら、フランス人はスコッチを、イギリス人はコニャックを飲んでいる。敵の悪口をいいながら敵を愛しているといった格好である。 |
『どこかの日本酒広告』は御洒落だ。 <新聞広告のCM>より |
太刀魚に太刀打ちするは酒のキレ 粋だね! |
『シュリヒテ・シュタインヘイガー』 潟潟ーショク・リカーのラベルより |
西ドイツのヴェストファーレン地方のシュタインハーゲン村で造られているのが名の由来。イタリアのトスカーナ地方産のジュニパーベリー(松の実)と、各種スパイスを加えた甘みと芳香があるジンの一種。ドイツではビールを飲む前や食後には、必ずシュリヒテを一杯飲むことが習慣になっています。胃に活力を与えて、消化を助けるからです。冷やして飲んでも旨いし、カクテルでもOK! |
『女たちよ!』 <文春文庫>より 伊丹十三 |
「シンケンヘーゲル」というジンと「ウンデルベルグ」という、木の皮から製した酒を混ぜ合わせて作った「アイゼン・ウント・シュタール」すなわち「鉄と鋼鉄」と呼ばれるカクテル、これを私は長尾源一氏にならった。 |
『シェリー、世界を旅した酒』 <GRAN>より May 2007 |
シェリーという呼び名はスペインのへレス・デ・ラ・フロンテーラという町に由来する。かつてアラブの支配下にあったヘレスはアラビア語で「シェリッシュ」といわれた。そこで造られたブドウ酒は西欧、特にイギリスでもてはやされ、「シェリー」と呼ばれるようになった。しかも空いた樽にウィスキーを入れておき、これがなんとも素晴らしく熟成されるという発見をした。以来、上等のウィスキーはシェリー造りに使われた樽で熟成されることになる。 |
『日本酒の多彩な楽しみ』 月刊PISC <第一商品>より 2007年03月 |
寒い日に飲む日本酒の熱燗は格別!いや、左党はいつの季節でも熱燗だろうが、冷酒だろうがよいのだ。正月の屠蘇に始まり、桃の節句の頃、別れ火という燗を止める酒、そして花見酒、夏越酒、菊酒、月見酒、雪見酒とこと欠かない。 |
『シャンパーニュ』 <The Nikkei
Magazine>より 2007.30 |
ヘミングウェイが好んだマム、 007のジェームズ・ボンドと言えばボランジェ、 モンローが愛飲したパイパー・エドシック。 フランスエリゼ宮御用達はクリュグで、 英国王室はランソン・・・・・・。 |
『アルコール健康法』 <光文社>より J・アダムズ(木下秀夫訳) |
酒は大人の牛乳である。 3杯飲めば機知がひらめく。 6杯飲めば好色となる。 |
『落語にはJAZZがよく似合う』 自分時間vol.9<リイド社>より 金原亭馬生師匠談 |
スタンダード・ジャズも古典落語も、同じ題材なのに表現する人によって変わってくる。その違いを楽しむ。アドリブもある。寄席では客席を明るくしておく。客の反応を見ながら話をするという。ジャズの演奏もその場のノリで変わっていく。そしてどちらにも酒が似合う。 |
『ドライ・マティーニの公式処方』 開口閉口<新潮文庫>より 開高健 |
ジンという酒は西洋の焼酎で、アルコールを蒸留するときに杜松の実を詰めた缶を通過させて味と香りをつける。 <マティーニ・レシピ>ジン1/3に辛口ヴェルモットを2/3、それにビターズが2滴か3滴。これがそもそものドライ・マティーニの公式処方だった。 |
『ほんもののギムレット』 長いお別れ<早川文庫>より レイモンド・チャンドラー |
ハードボイルドの名手チャンドラーが著した「長いお別れ」で世界的カクテルとして有名になったギムレット。ほんものはジンとローズ社のライム・ジュースを使用するとなっている。フィリップ・マーロゥに友人テリー・レノックスがいった科白「ギムレットにはまだ早すぎる」はあまりにも有名。このカクテルは厳しいイギリス海軍で薬用として飲まれていたのが、そもそものきっかけらしい。 |
『こだわりマティーニの作り方』 007/カジノ・ロワイヤル<創元推理文庫>より イアン・フレミング |
ゴードンのジン3にウォッカ1、キナ・リレのベルモットを1/2の割合で、氷みたいに冷たくなるまでよくシェイクして、それからレモンの皮を薄く大きく切ったやつを入れる。しかもジャガイモでつくったウォッカじゃなく、穀物でつくったウォッカを使うともっと旨い・・・そうな。 |
『シャンパン・カクテル』 シャンパン1グラス アンゴスチュラ・ビターズ1ダッシュ 角砂糖1個 ○グラスに角砂糖を入れ、ビターズをふりかける。 ○冷やしたシャンパンで満たし、レモンピールを絞りかける。 |
1942年に製作された名画「カサブランカ」の重要なシーンで登場したカクテル。ハンフリー・ボガート演じるリックが、イングリット・バーグマン演じる、かつて自分が愛した女性イルザに向ってはいた「君の瞳に乾杯!」という名科白で世界中にファンが増えたとか。しかし1900年初頭には既にレシピが完成していた歴史あるカクテルらしい。 |
『ハイボール』 ウィスキー45ml ソーダ適量 ○グラスに氷を入れ、ウィスキーを注ぐ。 ○冷やしたソーダで満たし、軽くステアする。 |
アメリカ西部開拓時代、東西を鉄道で結ぶ工事人とそれを妨害しようとする原住民インディアンとの戦い。その妨害するインディアンを空高く見張ろうと人を乗せた気球が“ハイボール”。 この気球の効果で見事鉄道が東西つながった折に「ハイボール(気球)万歳!」と乾杯して飲んだのがウィスキー&ソーダ。 |
『電気ブラン』 白ワインをベースにヴェルモット、キュラソー、ジン等を混ぜ合わせる。 |
バーの先駆的存在である浅草雷門の「神谷バー」を一躍有名にしたカクテルの一種。浅草オペラが盛隆を極めていた時代にこのカクテルをひっかけて六区にくりだすのが当時の文士、インテリのダンディズムだったとか。ただし飲み口がいいがアルコール分45度と強烈だったため、一人3杯までしか飲ませてもらえなかったらしい。 |
『ゴッドファーザー』 ウィスキー3/4 アマレット1/4 ○グラスに氷を入れ、材料を入れて軽くステアする。 |
F・コッポラ監督による代表的娯楽大作「ゴッドファーザー」が1972年に公開されてから間もなく誕生したウィスキー・ベースのカクテル。アマレットの持つシンプルながらほど良い甘さが、映画に負けず劣らず重厚な味わいを持つ。ウィスキーをウォッカに変えると「ゴッドマザー」になる。 |
『故事ことわざ慣用句』 成語林<旺文社>より 一杯酒に国傾く 酒は飲むとも飲まるるな |
一杯は人酒を飲む 二杯は酒酒を飲む 三杯は酒人を飲む |
『モヒート』 ホワイトラム2オンス ライムジュースさじ1杯半 砂糖さじ1杯半 ソーダ適量 クラッシュトアイス同量 ミント(イエルバブエナ) アンゴスチュラ・ビターズ数滴 ○材料をトールグラスに入れ、冷やしたソーダで満たしかき混ぜる。 ○ミントの葉かイエバブエナの小枝を添え、アンゴスチュラ・ビターズを数滴振る。 |
ヘミングウェイの小説には「パパ・ドブレ」を飲むシーンはよく描かれているが、「モヒート」はあまり登場しない。しかし彼が「ダイキリはフロディーダ、モヒートはボデギータで飲む」と語っていたせいか、フロディーダやボデギーダは今やキューバ・ハバナ屈指の観光名所となっている。 |
『フローズン・ダイキリ』(ダイキリ・フラッペ) ホワイトラム1オンス半 ライムジュースさじ2杯 砂糖さじ1杯 クラッシュトアイス1オンス マラスキーノ ○材料をクラッシュトアイスと一緒にミキサーにかける。 ○ライムを手で搾り、隠し味として仕上げにマラスキーノを加える。 |
男性にこそ飲んでもらいたいキューバ特産のラム・ベースのサッパリ味カクテル。ヘミングウェイは仕事をしながら飲むために、自分好みの処方でダブルサイズのフローズン・ダイキリ「パパ・ドブレ」という特製を作らせ、ポット1杯をホテルに持ち帰ったそうだ。しかも酒豪で糖尿病という持病があったため砂糖抜きだったらしい。 |
『ジン・トニック』 ドライジン45ml トニックウォーター適量 ライムスライス(またはレモン)1枚 ○タンブラーに氷を入れ、ジンを注ぐ。 ○冷やしたトニックウォーターで満たし、ライムを飾る。 |
甘味が全くない男性向きのドライ且つ超辛口なのがジン・ビターズ。「老人と海」で有名な作家へミングウェイは、その昔ジン・トニックにアンゴスチュラ・ビターズを数滴振って、苦味を強調して味を引き締めたそうだ。 |
『ご存知、聖なるヨッパライ』 <東京人「特集:東京風に酒を一杯。」>より 田村隆一の場合 |
酒は二合、ウィスキーなら二杯半、手酌がイイネ 黙々と、長っ尻ナシで また明日。 |
『マティーニ』 ドライジン4/5 ドライベルモット1/5 オリーブ1個 ○ミキシンググラスに氷と材料を入れてステアし、グラスに注ぐ。 ○オリーブを飾る。 |
古きはショーン・コネリーから現在活躍しているピアス・ブロスナンまで遠々と続いている人気娯楽映画007シリーズのジェームズ・ボンドで有名なボンド流「マティーニ」は、ジン、ベルモットにウォッカも加え、ステアではなくシェイクした上で、徹底的に冷やしてシャンパングラスで飲む。このこだわりスタイルは、ボンディアン・シェイキングという名前ができたほど超有名。 |
『Speak-Easy』 合衆国憲法修正第18条、いわゆる禁酒法が実施されてから米国の大都市にぞくぞくと誕生した「もぐり酒場」のこと。「秘密酒場」「無免許銘酒店」とも訳される。 <本条の承認から1年を経た後は、合衆国およびその管轄権に服する全ての領土において、飲用の目的をもって酒精飲料を醸造、販売または運搬し、あるいはその輸入もしくは輸出を行うことを禁止する> |
最初に開業したのはバーニー・ギャラントという人物で、グリニッジ・ヴィレッジ・インという店を経営していたが、禁酒法が発効されても商売を続けた為すぐ逮捕された。しかし彼を贔屓する客からの数多くの嘆願署名により刑期が半分となり、釈放後すぐにクラブ・ギャラントを開店した。当時出版されたNYのもぐり酒場ガイド「マンハッタンのオアシス」には禁酒法が解禁になっても“覗き窓”はずっと保存されるだろうとの記載があったが、当時の趣をそのまま残した酒場は今では1軒だけしか残っていないらしい。それはチャムリーズというグリニッジ・ヴィレッジにある店。 |