|
![]() |
2月17日
|
料理家の辰巳芳子さんは、「料理は“もの”との対話の世界にほかならぬ」といいます。
その文章を読んで私は、「現象の再生芸術は終わった」といわれる現代でも、自分が具象画を続けている理由も同じかもしれないと思いました。
今回は俄仕込みながら、“猫”という私にとっては新しい対象との対話が楽しく、また、そうであればこそ、きっと絵に何かが表れる、と
信じているところが私にはあります。
芸は最低限度の技術さえあれば、あとは対象に対する思いの深さのほうがよほど大切なのかもしれません。
辰巳さんはまた、「対話は“開かれた心”が基である」とも書いています。私もそれを失わないようにして人生の終わりまで歩いていきたいものです。