11月26日

「装飾」の奥深さについて思い悩んでいます。正直なところ、私という人間は自分の日常において「装飾する」ということにほとんど興味を持っていません。

そうした人間が「装飾を望む人のニーズをつかんで作品を生み出すことができる」と考えること自体、自惚れ(勘違い)以外の何物でもないことが、

今回の制作では、痛いほどわかりました。 とはいえ、視覚作品制作に携わる以上、装飾効果と無縁であることも、また、できません。

私は20世紀西洋の工芸と芸術を分離する考え方に賛同しておらず、装飾効果も視覚作品の大切な一要素と考えているからです。

しかし、自分が興味をもっていない要素をメインにして作品をつくって生き残れるほど、この世界の甘くないことが現在の私には自覚できていませんでした。

私は今後、自分を生かす創作の中心が「装飾」ではないことを肝に命じつつ、一方で「装飾」の“質”についての考察と研鑽を積まなければなりません。