10月11日

先の夏に高山植物を見てまわった影響もあるのでしょうか、私の中で花の野生種と園芸種の性質の違いがだんだん明確になってきました。

牡丹もバラも花菖蒲も人工的に改良を重ねられた植物であることにかわりないのですが、

私にとってダリアの花は、良くも悪くも園芸種の特徴を最も体現している花という印象があります。

ダリアは花の華やかさが追究された結果、花が過剰に巨大化して葉っぱとのバランスを崩し、多くの種が花の重さを支えきれずにうつむいて咲いたり、

また、花が長く咲く副作用か、散らずに花が終わってゆく姿を残します。

そうしたことが私には、どこか自然のもつバランスを欠いて行き過ぎた、現代の人間の延命治療の姿と重なるように見えて仕方がないのです。

(私には「自然な流れに沿って生きて死ぬという、シンプルな生涯でありたい」という思いがあります。)