錨を上げよ
百田尚樹の小説は好きで全部読んでいる。
この小説も波瀾万丈伝であり、さっと読めたが、他の作品と比較して長編であるが、今ひとつ感動は少なかった。

わずか30年しか経過していない作田又三がこれだけ多くの経験を積み重ねるとは。最初は放送作家である作者の自伝かと思ったが・・・・
不良中学生、不良高校生
一念発起し同志社大学への入学
北方の貝殻島でのウニ密漁
放送作家
タイでの経験等々
波瀾万丈の30年
恋に生きた男なのか、愛に飢えていたのか、女は独りよがりの又三の思いに、皆去っていく。

生きることが大事だった時代は、逆にそれだからこそ家族と愛する人が人生の何よりの拠り所であり支えになっていた。現代ではもはや夫婦は単なる男女の結びつきにすぎなくなった。