< 第7話 Ys >

 

 

(ゲーム界最高峰ストーリーARPGの記念すべき第1作)

1987年初夏、秋葉原などの電気街で今までに見られなかった現象が見ら
れるようになりました。一般のサラリーマンが展示されているパソコンに釘付
けになっているのです。今までに見たことのないような美しく洗練された画面、
流れるようなスクロール、そしてパソコンから流れているとはとても思えない
サウンド、誰もが足を止めたその画面の中のまん中には一人の赤毛の少年
が立っていたのです。

日本ファルコムから超ベストセラーゲーム「Xanadu」に続いて世に送り出さ
れたこの「Ys」。私は実は発売前あまりこのゲームに期待をしていなかった
記憶があります。世間のプレイヤーにもつなぎ的作品という前評判が多かっ
たようです。私は半信半疑でプレイを開始する事にしました。私がこのゲーム
を優れた作品であると確信したのはエンディングのスタッフロールが止まった
ときでした。その後Ysは誰もが認める名作となったのです。当時Ysの成功
にあやかって(?)よく似たゲームが乱発されましたが、遂にこの名作に勝る
作品は私の知る限り出ていません。

(シンプルにこだわったゲーム性)

私が当時の日本ファルコムが圧倒的に他社より抜きんでていた部分として
挙げたいのは考え抜かれたシンプルなゲーム性です。シンプルなのにゴージ
ャス、シンプルなのにマニアック、シンプルなのに満足できるゲームボリュー
ムは当時の日本ファルコムのゲームに共通していました。


Ys
ではシンプルなキー操作、シンプルなマップ構造、シンプルなゲーム展開
が繰り広げられました。アクションシーンもテンキーの十字方向のみのキー
操作です。半キャラずらすと敵の攻撃を受けずにダメージを与えることが出
来るテクニック(必勝法とは言えませんが)は今でもみなさんの感覚として残
っているのではないでしょうか。後半戦であるダームの塔は実にシンプル
マップ構成でプレイヤーに対して非常にわかりやすかったと思います。ゲー
ム展開は常に自分がしたいことが示されていて、よく言えばわかりやすく、
悪く言えば作り手のレールの上に乗せられているという感じですが、プレイ
ヤー自身それほど悪い気はしなかったものです。

(実は強かったボス・モンスター達)

もうこのゲームに細かいストーリー展開、ゲームの流れなど説明する必要は
ないでしょう。(知らない人ごめんなさい)
優しいゲームとして評判だったこのゲーム、実はボスキャラがかなり強かった
のです。後半になると初対面では絶対勝てないような強敵達が揃っていまし
た。ここでは前述の通りストーリーやゲームの紹介を省き88TRIBUTE初の
攻略記事に挑戦したいと思います。

1.VS ヴァジュリオン
洞窟の最深部で待ちかまえるボスです。16匹のコウモリに分身し攻撃してき
ますがこの状態ではダメージを与えることが出来ないため非常にやっかいな
敵になっています。また合体すると見せかけ寄ってきたプレイヤーにフェイント
をかけ攻撃するという結構憎らしいこともします。合体後も無敵時間が存在し
実体化した一瞬しかダメージを与えることが出来ません。
対戦のポイントは@完全に合体するまで近寄らない。Aダメージを与えられる
タイミングを見計らい一気に突き抜ける。

しかしこのボス、ノーダメージで倒せた人っているんでしょうか?

2.VS ピクティモス
ダームの塔最初のボスで俗にカマキリと呼ばれています。3つの鎌をブーメラ
ンのように投げて攻撃してきます。鎌でしかダメージを受けないので慣れれば
ノーダメージで勝つことも可能です。
対戦のポイントは@鎌の届かない距離で3つの鎌をしっかり誘導する。(自分
を確実にねらってきます)
A3つの鎌の周期が近くなったとき一気にカマキリの
懐に飛び込む。(もちろん鎌をさけてからですが)

鎌の誘導の仕方、周期のあわせ方が重要ポイントです。

3.VS コンスクラード
岩のようなボスです。時計回りに岩を発射してきます。ついつい発射された岩
についていくような動きをしてしまい大ダメージを受けてしまうことが多く注意が
必要です。また本体の中心にもダメージを受けるので要注意です。攻略の説
明はしにくいですが私なりにこういう風にしてみました。
対戦のポイントは@岩本体より少し大きめに時計回りに回るように動く。A岩の
発射周期は出来るだけはずす。

Aについてはあまり気にしなくてもいいと思います。岩の外側を沿うように動け
ば何回か戦ううちに間合いがつかめると思います。もっといいやり方があれば
教えてください。

4.VS ヨグレクスオムルガン
2つの顔が襲ってくる最終ボス手前の難関です。特に私自身このボスには本当
に泣かされました。というのも恥ずかしながら初めてのプレイでBATTLESHIE
LDを見つけることが出来なかった人なので最強装備で勝負出来なかったから
なのです。金色青色の顔があり金色のほうにしかダメージを与えることが出来
ません。そして金色の顔にダメージを与えると顔が入れ替わります。(なんで?)
顔の周りには4つの石?が回っていてこれに触れるとダメージを受けます。
対戦のポイントは@上の壁から1キャラ半位あけたところに位置する。A画面
真ん中で2つの顔が重なったときに左右に動き一気にダメージを与える。
Bどち
らかの顔についていく。

@〜Bを繰り返します。これだと左右のキーを使うだけで勝てます。途中まで
引き分けペースのダメージ量であれば勝機はあるでしょう。ダメージが増えると
石が減ってくるので楽な戦いが出来ます。

5.VS ダルク=ファクト

最終ボスです。細かい攻略は書けませんがポイントは出来るだけ連続ダメージ
を与えるように動くことです。穴ぼこだらけになると動けなくなってしまいます。
あとクレリア製の装備で戦うことをお忘れなく。

(名シーンの数々)

Ysには誰もが思い出せる名シーンがたくさんあります。いくつか印象的なシーン
をここに復活させます。

1.レアのハーモニカ

なんと太陽の神殿のテーマではありませんか。

2.洞窟の中の橋

当時、広告の写真はここだったような気がします。

3.ドギ登場

仲間にいれば行き詰まっても安心ですよね。

4.柱破壊

ほかの柱は折れないのでしょうか?

5.リンチ

こいつら強すぎます。結構難関です。

(名曲の数々)

Ysの曲のクオリティの高さは、もう今更言うまでもないところだと思います。冒頭
で述べた電気街での1シーンでも本当にそのクオリティの高い曲群に足を止める
人がたくさんいました。FM音源3音PSG3音の制約の中で表現し得る最高の
仕事をやってのけた音楽スタッフの中にあの古代祐三氏がいました。氏の代表
作とも言えるこの作品は今なおMIDIの登竜門?として多くの人が打ち込みをし
ています。また未使用曲集のレベルの高さも見逃せません。もうこれだけでも
現実に世に広まって通用してしまっています。NHK教育というタイトルには笑わ
せてもらいましたが・・・。




JunkWavesでも街の曲をtatan氏によるアレンジで紹介しています。こちらも
一度聴いてみてください。

最後にエンディングの文を紹介してYsU88TRIBUTEを期待しつつ締めたい
と思います。

朝日が登ろうとしていた。
空は次第に明るみを増し、
塔の輪郭が浮かび上がってくる。
解き放たれたように、鳥が
鳴き始め、魔物の姿は
潮の引くが如く消えてゆく。
アドルの心は、旅を終えた
充実感に満ちていた。
全てが安らぎに満ちていた。
その中で彼は、長きに続いた
イースの歴史を眺めている。
本に書かれていた事が次々
と現れては、消えてゆき、やがて
女神の姿が浮かんできた。
その顔はおぼろげだったが、
アドルは、不思議とその2人を
良く知っているような気がした。
アドルが静まり返った地上を
見下ろすと、そこにはジェバの家が
ひっそりと立っていた。フィーナの
記憶は、もう戻ったろうか。
地上に帰ったら、真っ先に
彼女に、これまでの出来事を
話してやろうと思った。
何処からともなく、眩い光が
溢れ出し、アドルを包んでゆく。
まるで、その光は、彼を
祝福しているかのようであった。

そして、アドルの新しい旅が始まる・・・

                                (C)Falcom

                                                                                       by Syuu

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