2010 SHOT SHOW

国の猟銃、猟具、猟装の国際見本市 SHOT SHOW は毎年年初に開催されます SHOT とはShooting, Hunting ,Outdoor Trade の頭文字からきています。世界中の銃器メーカーを始め関連企業の2005新製品の発表の場となります。今年は4万人を越すショット・ビシネスマンが世界各国から集まります。今年も1月19日から4日間米国ネバダ州ラスベガスで開催されましたので参加いたしました。過去、10数年間、毎年雑誌「狩猟界」5月号、6月号で記事を載せておりましたが、狩猟界の休刊により本ページを充実して皆様にニュースとしてお知らせいたします。写真は会場となった「ラスベガス・サンズ・エキスポ・コンベンション・センター

私はハンターで、毎年10月の北海道出猟から始まり、近県の猪鹿猟で終猟日まで狩猟を楽しみます。今年は猪猟は2月15日、シカ猟は3月15日が終猟日になります。ハンターの立場で米国のSHOT SHOWを見ると、どうしても日ごろの猟で役に立つもの、便利なものに目が行きます。「百聞1見にしかず」実際に見てきたものについてハンターの立場でコメントいたします。又、こうしたものを、このページwww.JSHOT.com で紹介しております。ご質問がございましたら、ご遠慮なくメール(ここをクリック)をお寄せください。

市場の動向

日本の狩猟で所持許可される種類の猟銃関係の新製品の発表は低調で、治安維持関係(ローエンフォースメント=LE)関係の銃器やアクセサリーの新製品発表や新規参入業者の活況が会場を支配していた。またAR-15などタクティカル用途の銃器が狩猟用途として使用されることから日本のように古典的なスタイルの猟銃しか所持できないハンターにはショットショウ規模拡大に反して興味の対象が少なくなる思いであった。 米国は未だに戦時下であることを思えば業界の傾向が利益に結びつくLEに傾くのも当然といえよう。しかし、LE関係の衣料素材の開発が旺盛になり参入業者が増えた事で日本のハンターの猟装として興味の持たれる製品が見られたことは喜ばしい。 今の日本ではハンターは銃刀法の改正や取締りの強化で既に所持している猟銃の更新維持すら困難が予想される中で、新しく猟銃の購入を考えるハンターは稀で、猟銃の需要が冷え切っていることから、せめて現在所持している猟銃を大切に維持管理して狩猟や射撃を楽しみ、これに必要なアクセサリーやメンテナンス用具さらに日本の猟環境に適した猟装に目を向けて内容の充実した猟銃の楽し見方を追求するためにも、世界の製品開発の動向を知る上では年々様態が変化しながらも規模拡大するショットショウは見逃せない国際見本市といえよう。2010シヨットシヨウから日本のハンターに馴染みの深いライフル銃メーカーの動向を順次紹介します。

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今年の新製品


「レミントン」

ボルト式ライフル銃MODEL700ファミリーの機能充実の一環としてかねてからトリガー「X−MARK RO]や防錆仕上げ「TriNyte」の採用を進めてきたが今年は「700 XCRU」を新製品の目玉に据えた。 20-06Remから375RemUltraMagまで15口径を用意して新製品の表示。所謂、MODEL700のバージョンアップの類である。同じく、銃床の模様や素材を替えたり、新しく口径を追加したりして新製品を名乗る製品は3角形の銃身を持つ「VTR」や「CDL」にも見られる。AR−15タイプの「R−15」ライフル銃は人気モデルで223Rem,204Ruger口径の他に「R−25」と銘打ってシカ、エルク,熊猟用として243Win,7-08Rem,308Win口径で拡販を狙う。純正では4発マガジンであるがDPMS308Winタイプの弾倉と交換使用できるなどの他のAR−15タイプの銃とのアクセサリー類との共用の可能性を示して顧客獲得に意欲的である。このような日本には無用のモデルの開発に経営資源を投入される事は日本のハンターには寂しい限りである。散弾銃においても自動銃「11-87」ポンプ銃「870」のサムホールの大きいピストルグリップ「ShurShot」ストックの日本国内では所持許可の危ぶまれる形のモデルが目に付く。


「ウインチェスター」

資本系列ではブローニングと同じ会社である事が周知の事実になっているので、最近ではウインチェスター・ブランドの良さを残した製品作りでウインチェスターフアンを引き留めようとの努力が見られる。生産がブローニング傘下の工場に移ってもボルト式ライフル銃「M−70」やレバー式ライフル銃「M94」など日本のハンターに馴染みの深い製品を再生産してきた事は賞賛に値する。今年はM94が再び市場に現れて注目されていた。海外生産の一般化している米国のボルト式ライフル銃の中でM−70はISO 9001取得の工場で生産されるMADE IN USA が売り文句になっている。新製品では375H&H口径のサファリ・エキスプレスが小売価格1,279ドル、全天候型エキストリーム・ウエザー7mmRemMag,338Win口径で1,119ドルが見られる。MODEL94スタイルの歴史の流れを汲む30-30Win口径の「1894OLIVER F.Winchesterカスタム・グレイド」の2モデルが上市された。小売価格は1,469ドルと1,959ドルの数量限定モデルである。MODEL1895では30-06Spr.口径が新製品で1,179ドル。


「ブローニング」

ブローニング社のボルト式ライフル銃「X−BOLT」は発表から3年を経過して同社のボルト式ライフル銃の新モデルとしてステンレス製アクション、銃身の「X−BOLT ホワイトゴールド」を新製品で加えた。WSMを含む標準口径で243Winから338WinMagまでの14口径をショートとロングの2つのアクション長がある。従来からある「A−BOLT」は豊富なラインアップで左撃ちモデルの充実などの特長を生かして、カモフラージュ銃床のバージョンアップなども加えて2010年の展示やカタログに残っている。レバーアクション「BLK ライトウエイト」のステンレス製品はピストルグリップのモデルで15口径、テキクダウン可能の「’81」で同じく15口径が新製品。標準口径の他に358Win,450Marlin,325WSMなどの口径も含まれている。日本の獣猟で多用されている半自動ライフル銃BARはショートトラックとロングトラックの銃の全体にMOSSYOAK・BREAKUPのカモフラージュ模様仕上げしたBARが新製品となった程度の変化である。2010ショットショウ・スペシャルで特別受注していたBARでは木目仕上げと特別彫刻仕上げのバチューサイト付きの2つもモデルが目を引いていた。


「ブレザー」

ドイツ製の直動式ボルトのライフル銃ブレイザーの新製品がモデル「R8」で従来の「R93」のマガジンを着脱式に改良したモデルである。R93の構造上からマガジン着脱は不能のように考えられていたがトリガーブロックと一緒にマガジンを着脱することで解決した新製品である。ボルト式ライフル銃のカマジン着脱の可否は使用者の好みや考えで意見の分かれるところである「R93」と「R8」の2つのモデルがあれば選択肢が広がった事になろう。日本でも愛用するハンターの居る銃であるので興味が持たれる。因みに、ブレザーは米国ではドイツからの輸入銃になり輸送費や関税が加算されて割高になります。米国での小売価格はグレードによりますが3,000ドル台からあります。量産銃にしては米国のカスタム銃並みの価格ですので猟銃の所持挺数に制限の無い米国では銃身やボルトヘッドの交換が出来るメリットは日本のハンターほど評価されないかもしれません。


「ルガー」

ルガー・ミニ・モデルに新製品があると聞いたので期待したがmini 14やmini30に適合する20発の装弾の収まるマガジンが純正で用意されただけであった。当然、日本のハンターには無縁の製品で米国のタクティカルブームから市場の要望があるのだろう。しかし、タクティカルブームを無視できないのか新製品として発表された「SR−556」は5.56mmNATO/.223Rem口径の紛れも無いAR−15タイプのライフル銃であった。今まではM77ボルト式ライフル銃などオーソドックスな猟銃を中心に左撃ち仕様等を加えて豊富な品揃えでハンターに支持されてきた銃メーカーだけにLE銃への新規参入は意外であった。それとも米国のハンターがLE仕様の銃を狩猟用途に転用する事が一般化し始めた表れなのだろうか、タクティカルとハンティングの境の曖昧な新製品がルガーの展示場にも並ぶのも時代の流れであろうか。


「ウエザビー」

今年はロイ・ウエザビー氏が創業してからちょうど65年目に当たる記念すべき年を迎えた。LEライフル銃全盛の現在ではオーソドックスなモーゼルアクションの「VANGUARD」「MARKX」の2モデルでの商品展開では人目を引きにくくなった感もするが日本のボルト式ライフル銃のフアンには興味のある存在である。今年は銃床のスペーサーの厚みでプル長の調節できる小柄のシューター向きの「バンガード・ユース」やピンポイントで狙える遠距離タクティカル・カスタム・ライフル銃「マーク5SUB−MOA TRR」が新しいところである。 

 


「マーリン 」

最近では「XL7&XM7」シリーズでボルト式ライフル銃での品揃えに努めているがレバー式ライフル銃での知名度が高いことが他の銃種の存在を薄くしているようだ。レバー式ライフル銃では昨年までに308と338口径の新装弾であるマーリンエキスプレス(308MX,338MX)が適合する新製品を発表して話題を呼んだが装弾の供給が安定しないためか日本では未だ猟野で使われているのを見ない。今年の新製品というと従来から市場にある「モデル336」の30-30Win口径の銃で「336デラックス」「336BL」がある。


「モズバーグ」

4X4ボルトアクションライフル銃やウインチェスター94のイミテイションのレバーシキライフル銃などをハンティングライフル部門に意欲を見せていたが昨今のLEブームでは長年ポンプ式散弾銃での官需部門での実績を生かしてライフル銃散弾銃供にLE関連銃の開発に努めている。目に付くのはタクチカルスタイルの軍や警察の需要を満たす製品である。日本のハンターには要の無い商品群が多くなってきた野は残念な気がする。


「サベージ」

売れ筋の価格帯にあわせて性能の良いライフル銃やボルト式散弾銃を提供する事で人気のあるメーカーであるが特徴に一つである精巧なトリガーシステムの「ACCU TRIGGER」がほぼ全製品に行き渡った。日本でも散弾銃しか所持できない初心者がスラグガンとして求めるボルト式散弾銃「Model220」にも付けられている。Model220の小売価格は572ドルであるが同社の小売価格2,071ドルのLEライフル「10BAT/S−K」と同じトリガーシステムが使われていることになる。

 

                   次回に続く・・