猟銃のメンテナンス「スラグ銃のクリーニング」の実際

最近のように狩猟鳥類が減少する一方で、食害が問題になるほどイノシシやシカが増殖していることで獣猟を志すハンター増えてきた。イノシシやシカ猟で好んで使われる銃器ではライフル銃や散弾銃でのスラグ弾やバックショット弾の使用がある。狩猟目的でライフル銃を所持するためには装薬銃所持10年の実績が必要であることで、散弾銃を持ってイノシシやシカの猟場へでるハンターも多い。散弾銃でスラグ弾やバックショット弾を撃つためには事前にサイティングは不可欠である。射撃場でスラグ弾を撃ち始めてサイテイングを終えるまでに消費する弾数も増えてくる。 通常のスラグ弾では銃身に弾頭の鉛が付着してクリーニングが大変になることがある。 散弾銃の銃身の掃除では、簡単で短時間で済ますには色んな方法が考えられてきたが、1ラウンド40発のスラグ弾を発射するランニングターゲット射撃では銃身に付着する鉛は相当なもので、射撃後の銃身掃除で苦労させられるのが常である。 そこで簡単に銃身壁の鉛を除去する方法がスラグ射手の間で知られている。一度試されるのも良いであろう。

1.          自動散弾銃では銃身を取り外して、銃口を下にして、地面にウエスやダンボールなどの敷物をして立てる。

ボルト式散弾銃ではボルトを抜いて銃口を下にして固定する。

2. 洗い矢にブロンズブラシを取り付けて薬室へブラシが隠れるまで挿入して止める。

3.   自動車用品売り場で購入したエアゾール缶入りの「ブレーキクリーナー」をブラシと銃身壁の隙間に

充分に噴霧する。

4.   洗い矢を銃身内を上下に何回も往復運動をさせて鉛を掻き落とす。往復運動を繰り返していると銃口から

鉛と汚れた洗浄液が流れ出る。

5.   洗い矢に番手の合った押し棒(ジャグ)を取り付けて、テッシュペーパーを折り畳んで、パッチ代わりに

薬室から銃身内へ押し込み,銃口から押し出して捨てる。テッシュペーパーを4つ折、六つ折、八つ折と折り方によって押し込む抵抗感を調節することが出来る。5〜6枚押し出して、銃身内を覗く鉛が除去されて銃身壁が光って見えれば終了である。

6.   銃身内のオイルは完全に除去されているのでオイルモップを一度通すか、スプレー式の防錆剤を

一吹すれば完璧である。

<必要な用具>

洗い矢、ブロンズブラシ、ジャグ、ティシュペーパー、オイルモップ

ブレーキクリーナー・スプレー、 ガンオイル

関連事項: ・ブロンズブラシについて。

      銃の番手に合った新しいブラシを使うこと。USA規格のインチネジで洗い矢と統一しておくと

      ジャグ、モップなど安価なUSA製品が使用できる。国産のミリネジ製品は不便である。  

・ブレーキクリーナーについて。

各種売られているので、定評あるメーカーのものでも安価であるので広く選べる。

揮発性の溶剤で引火の危険があるので,火気に注意して、換気の充分な屋外で使用すること。

木製の銃床などで塗装部分にかけると仕上げが傷むことがるので注意すること。

      ・ティッシュペーパーについて。

       安価なもので可。 散弾銃身を傷めるので使用してはならないと言う意見もあるが

       スラグ弾やバックショットを短時間に多数撃つ銃身は、そのようなデリケートな製品では

使い物にならない。

       私のレミントン11-87SPS 銃身は銃身表面にあるREMINGTON のマークが

       刻印が深く押されて、銃身内壁に凸状に浮かび上がって明瞭に見えている。

メーカーの大量生産の銃身加工の精度はその程度で、これでも銃身が裂けることもない。

ティッシュペーパーは製造工程で細かい砂が混入していることがあるので銃身が磨かれて

光るので好都合であるが、ライフルスコープなどのレンズは絶対に拭いてはならない。

猟場で雨で濡れたライフルスコープのレンズを拭いて、レンズの生命であるコーテーングが

一拭きで損傷した例もある。中古のライフルスコープを譲り受けるときは、レンズの

コーティングの状態を確かめることが必要である。傷んでいることが多い。 

  ジャグについて。

12番や20番の番手に合った「円形ジャグ」が理想であるが、選ぶ場合は20番手を

選ぶと12番でも16番でも20番でもテッシュペーパーの厚さを調整することで

使用できる。洗い矢キットに付属している先が輪になって布を通して使うジヤグは使わない。

ループに通した汚れた布で銃身内を拭っているのをよく見るが汚れを塗りつけているようなものだ。 新しいテッシュペーパーを通して一回ごとに捨てると汚れ物の後始末も楽だ。

 その為に、テッシュペーパーを押しやすい形状の米国製のジャグが単独で売られている。

  洗い矢について

洗い矢の先端のメスネジはUSA規格のインチネジのであればブラシやモップ類が

安価な米国製の輸入品が使えるので便利である。 

散弾銃用の洗い矢は買わなくても簡単に自作することが出来る。2本用意して1本には

ブロンズブラシ、もう1本にはジャグを取り付けておくと、汚れたブロンズブラシを

手で触ってジャグに交換する手間が省ける。

自作の場合に問題になるのは、先端のUSA規格のメスネジの金具であるが、これに似た

金具が売られているので買えば簡単だ。 他の材料は日曜大工店へ行けばプラスティック製や木製の長い棒や取っ手で転用できるものが見つかるので好きなものを選べば良い。

ライフル銃のワンピース洗い矢では定評がありUS市場を席巻しているDEWEY社は散弾銃用の

洗い矢も発売しているが、ブランドに拘るのでなければ購入の必要も無く、自分独自の洗い矢を自作するほうがクリーニングが楽しくなる場合もある。                                  以上