猟銃のメンテナンス「ライフル銃身クリーニング」の実際

ライフル銃を使用した場合に使用後の銃身クリーニングについては色んな方法があるので、果たしてどの方法を採用してよいものか悩む人も多い。銃を購入したときに銃砲店が掃除用具一式を用意して教えてくれた方法を守っている人でも他の人が違った方法でクリーニングをしているのを見ると不安になることもある。米国のバラレルスミスに銃身の交換を依頼すると、完成したバラレルアクションを返送してくるときに銃身の慣らし方とクリーニングの方法を文書に書いて一緒に送ってくる。米国では銃身交換してもそこまでサービスはしないそうだが、日本から依頼するのは保税輸出の申請などで大変だろうから、精々長く良い状態で使って欲しいという親切心からのサービスである。相手が米国人なら早く使い潰してまた注文してもらうと商売繁盛で幸せらしい。したがって毎年銃身交換を依頼する人もお客の中には居るそうだ。何せ、銃身交換1本250ドルからマッチグレイドにマズルブレーキなど追加注文をつけても600ドルの世界である。これならライフル銃身交換は費用も含めて簡単なことだ。銃身交換で学卒新入社員の初任給が1ヶ月分が全部吹っ飛ぶ日本と異なり、神経質に銃身のコンデションを気にする必要もないので気楽なものだ。 逆に日本の射手はクリーニングに気を使いすぎて反って銃身を傷めているという意見もあった。何事も凝り性(マニア)の多い日本人であるので、そのような考え方も出てくるらしい。

米国の銃身クリーニング用具を発売しているメーカーの推奨する方法やガンスミス(この場合はバラレルスミス)のアドバイスを採り入れて私が採用している方法がある。前提として、私は銃身クリーニングは好きではない。銃を眺めながら丁寧に掃除する時間を楽しむ趣味は無い。出来ることなら掃除はしないで済ましたい。そこで15分で出来る無精者の銃身クリーニング法とは次の様なもので、後でボアスコープで検証しても満足のいくものである。

揃える用具1(絶対に必要なもの)

ナイロンコーティングした継ぎ目のないワンピース洗い矢(長さ44インチ)とジャグ(押し棒)

エアゾール式残渣洗浄剤

IOSSO銃身クリーナー

ナイロンブラシ

綿パッチ(口径に合った寸法のメーカー製規格品)惜しみなく何枚も使うために500枚用意

揃える用具2(有れば便利なもの)

ロッドガイド(ロッドの挿入や往復運動が楽になり、汚れが飛び散らない)

ボアスネーク(半自動ライフル銃では欠かせない商品)

手順: ボルトを抜いた銃をガンバイスなどに固定する。

    1.薬室側から「エアゾール式残渣洗浄剤」を銃身内に吹きかけて残滓を湿らし、1〜2分置く。

    2.洗い矢に取り付けたナイロンブラシ全体にIOSSO銃身クリーナーをチューブから

1センチ程を取り出して塗りつける。

    3.ナイロンブラシを薬室側から挿入して銃口の手前で止める。この位置からブラシを10センチ程引き抜き、押し戻す。このブラシの往復運動を繰り返しながら薬室方向へ少しずつ引き抜いてゆく

      薬室に近くなるほど往復運動の回数を増やして丁寧に銃身内を擦る。動く方向が変わるたびに残滓を掻きだす力が加わりクリーニング効果が高まる。この作業はナイロンブラシであるから出来ることで、絶対にブロンズブラシなどでは行ってはならない。

      充分往復運動を繰り返して、ナイロンブラシを引き抜くと真っ黒に残滓で汚れている。

    4. 「エアゾール式残渣洗浄剤」を薬室から吹き付けて銃身内を洗浄する。

5.          ジャグを取り付けた洗い矢で薬室から綿パッチを挿入して銃口から押し出し捨てる。 

新しい綿パッチを汚れが付かなくなるまで何枚も取り替えて通す。

(ジャグの直径とパッチの厚さ、大きさを一定して、押すときの抵抗感で

ルーズパッチ、レギュラーパッチ、タイトパッチと使い分ける要領を身に付けること)

6.          ガンオイルを少量付けたパッチを通して銃身クリーニングは終了。

(猟場でボアスネークを使っている方は油の滲みたボアスネークを通すだけでよい)

     

ランニングターゲット射撃では1ラウンド40発を連続で短時間で撃つことで、銃身に手が触れると大火傷をするほど熱を持ち、銃身を酷使しする。銃身壁には火薬の燃え滓やジャケット金属の粘りつきか残る。弾頭にモリブデンコーティングを施して残滓の減少を図るが、射撃射撃終了後にはクリーニングは欠スことが出来ないので、あまり手を汚さないで、家人に嫌われるアンモンニヤ臭を撒き散らさずに、短時間でクリーニングが終わるように薬剤を選んで採用したクリーニング法である。ライフル銃身クリーニング法の実践からでた一つの提案として受け止めていただきたい。 

                                   来月は半自動ライフル銃の銃身クリーニングについて・・・