実用化してきた超小型ドットサイト

私が日本で始めてレミントン742BDLにドットサイトを装着してイノシシやシカ猟に出猟したのはスエーデンのエイムポイント社が初めて本格的なドットサイトを開発して発表した1970年ごろである。ヨーロッパへ出張中のドイツの郊外のホテルのロビーに置いてあった狩猟雑誌の広告を見て興味を持った。帰国後直ぐにエイムポイント社へ問い合わせてところ快く郵送してくれたので早速猟場で使い出したのが最初である。この最初の製品は実は日本で作られた試作品のようなモデルであって、これが市場で新しいサイトとして受け入れられたことからエイムポイント社がエレクトリック・ドットサイトのメーカーとして本格的にスタートするきっかけになった製品である。このサイトで私が丹波地方の鹿猟で獲ったシカが日本でエレクトリック・ドット・サイトで捕獲された最初のシカである。2年ほどでモデルチェンジされたエイムポイントは生産地をスエーデンに移してメイドイン・スエーデンとして世界に拡販して今のエイムポイント社の基礎を築く製品になった。精密機械工業で有名なスエーデン製であることが品質の高さで今でもブランドを支えている。メイドインジャパンでは印象が悪いということだ。ショットショウで会うエイムポイント本社の社員すら一号モデルが日本製であることは知らないようだ。

狩猟用のライフル銃のサイトとして売り出されたが、当時は米国のピストル射手に普及してライフル銃のサイトとしてはあまり評価されなかった。しかし、50メートル以内の射撃の多い日本のイノシシやシカ猟では最適のサイトとして私は高く評価してライフル銃で使ってきたが銃砲店が扱わないのでハンターには知られなかった。1990年代の後半になって米国でエイムポイントのコピー商品が出始めてドットサイトが知られるようになった。この頃に雑誌「狩猟界」にエレクトリック・レッド・ドットサイト(ERDS)として紹介する記事を書いたので日本のハンターにERDSの存在が知られるようになった。NATO軍がエイムポイントを採用したり、軍や警察用途でエイムポイントが注目されてエイムポイント社は揺ぎ無い地位を確立して大会社に成長することとなった。それを見て銃器のサイトとして後発各社からは発売されたものにはオモチャの類いから精度の高い製品まで、価格も数千円から10数万円まで市場に並ぶこととなりハンターを惑わすこととなった。大別するとライフルスコープのようなチューブ状の製品(鏡胴式)と露出したレンズ1枚のチューブレス(スクリーン式)に分かれる。スクリーン式では構造上から超小型化が可能で、小さくて軽い「超小型ドットサイト」が市場に現れることになった。最初の製品は「タスコ・オプチマ」として売られたが故障が多くて、その上に会社が傾き修理が出来ず不評を買った。販売した良心的な銃砲店の中には客の苦情で無理して他のサイトの下取りを申し出たところもあった。これで超小型ドットサイトは使い物にならないと市場から見放される時期があった。しかし、ライフルサイトは小さく軽いことに越したことはない、軍用途の要請からコストを意識せずに精密な超小型ドットサイトは開発は続けられていた。軽合金のボデー、超小型LEDモジュールの開発、銃へのマウント方式の改良、取り扱い方法の周知徹底によりプロフェシャナル用に精密で拳固な超小型ドット・サイトが市場に出てきた。軍用銃では特別のマウントが用意されるので本体のみでマウントは別買が普通である。これらの中に「C−MORE STS」がある。数ある他社の精密超小型ドットサイトを研究しつくして開発した最も新しい超小型ドットサイトである。「C−MORE」ドットサイトは10数年に渡り軍やローエンフォースメントの用途で定評があり、この会社の超小型ドットサイトであることで注目され評価されている。私は昨年の猟期からイノシやシカ猟で半自動ライフル銃の装着して使用しているが従来のC−MOREに遜色ない精度を保ち、かつ、超小型軽量であることで引き続き今猟期も使って手放せないサイトとなっている。ドットサイトは倍率はないがアイリリーフが無く照準が楽で50メートルの更新時の技能講習の射撃では充分に使えるサイトである。超小型であることで最も銃身に近いところに装着できて、雪や雨の中でも簡単なカバーで防げる利点がある。C−MORE STSはサイドのポケットからバッテリー交換が出来るので銃へ装着するとバッテリー交換の度にサイティングをし直す必要は無いなど最新の製品だけに改良の後が見られる。

狩猟界が休刊になりサイトの記事を書く機会が無いのでC−MORE社の最新製品の猟場テストを続けているので興味のある方は参考にしていただきたい。                       おわり