2009エゾシカ猟の準備は?(1)

2009年猟期が近づいてきた。今年は狩猟登録の受付が前倒しに始まり8月中旬から始まったところが多く聞かれる。 北海道は10月1日から猟期が始まり、エゾシカ猟も10月25日から解禁になるので、そろそろ準備に掛からなくてはならない。ここ10数年毎年エゾシカ猟の解禁時期に渡道しているので改まって特段の準備は不要であるが9月に入ると日本海フェリーの予約と銅弾の試射は遅れないように済まして渡道日を待つことになる。 近県でイノシシやシカ猟を十分楽しめるのに飽きもせずに毎年北海道へ出掛けるのを笑うハンターもいるが、エゾシカ猟の解禁から内地の狩猟の始まる11月15日までの期間を北海道の大自然に抱かれて過ごすことは近県の狩猟とはまた違った楽しみと幸せを感じることができる。 道外から北海道の狩猟登録をするハンターの数は一時に比べて減少しているようだが、その殆どがエゾシカ猟のハンターであると聞くことからから時間と費用を工面して渡道するハンターが心に残る楽しい体験をされるように祈っている。猟期が近づくと今年初めてエゾシカ猟に出猟するハンターからアドバイスを求められることがある。銅弾の選択などハードに関する質問なら答えることも容易だが、猟果を期待できるエゾシカ猟の方法となると返事に窮する。道外からのハンターの殆どが体験する車によるエゾシカの流猟では猟果を期待する事が難しくなってきている事は既に方々で報じられている。昨年では期待した猟果が得られずに失望したハンターの声を帰りのフェリーの中で聞いた。本当にエゾシカは獲れなくなったのであろうか? 現地のハンターや道庁に聞くとエゾジカは全道何処でも増えていていくらでも居るとの返事か返ってくる。 ただ、道外から渡道して限られた日数で限られた情報を頼りに車で流して楽して獲ろうとするハンターには生息地域が拡散して厳しい状況になっているといえる。メスシカの捕獲が禁止されていた10年程前なら解禁日に国道の周辺の牧草地に動物園の柵の中のように悠々と遊んでいたシカの群れからオスを選んで撃つようなことは今では考えられない。牧草地と後背の森林との間には厳重な防シカ柵が完備してシカの捕食範囲が制限されて食にあふれたシカの移動が始まり、シカの生息範囲が全道に拡大した。またシカの生息で知られた一部の地域では有害駆除の特別捕獲が行われてオス、メスにかかわらず捕獲して行政から補助金が支払われた事などで、年中追い回されたシカはハンターの眼の付く所から姿を消した。こうしたことが重なって今では道外からのハンターにはエゾシカは思ったほど居なかったという印象を与えているのだと考えられる。そこで2009年度猟期にエゾシカ猟で渡道するハンターからアドバイスを求められると次のように答えることにしている。

1.案内猟師の世話になる

今までいろんな道外からのハンターの話を聞いて感じた事だが、一番良いのは「案内猟師」に案内料を支払って案内をしてもらうことであろう。案内は案内者とハンターの一対一が良い。ハンターは多くても二名が限度である。現地の猟師であれば解禁日ならシカの付いている牧草地や周辺事情に詳しく、案内する以上は事前に調べや牧場への立ち入り許可も得ている事も考えられる。限られた日数で効率よく猟果を得ようとすればこれに限る。最近では牧場への立ち入りを禁止する看板がやたらに目立つようになった。牧場柵の外から仕留めたシカを出そうと牧草地に立ち入ったことで不法侵入でバトカーを呼ばれて警官に引き渡されて青くなった都会のハンターがいた。携帯電話が普及しているので数年前とは事情が異なっていてパトカーの到着も早くなった。 案内猟師に支払う「案内料の相場」であるが私の調べた道東の限られた範囲では一日一人35,000円ぐらいであった。最近はガソリンが高くなっているの車代が5,000から10,000円余分に請求される場合もある。3日間案内して貰って10万円超なら自分の車をフェリー運ぶよりはるかに安く付き、時間の節約になる。航空機利用する都会のハンターでは空港への送迎もあって手軽にエゾシカ猟が楽しめるので利用する人が多い。毎日の送迎に便利なところに宿泊の斡旋もしてくれるであろう。ただ狩猟は水もので一頭も獲れなくても料金は支払うので、獲れない事で猟師と気不味くなったりすることもある。獲れれば獲ったで祝儀の話が出たりして人間関係のわずらわしさが気になるハンターも居る一方で、猟師と気が合って毎年次の猟期の予約を入れてかえる都会のハンターも居る。所詮、人間同士の付き合いになるのでお互い謙譲の精神が必要になる。

例えば、関西からエゾシカ猟に1週間行くには最低で、フェリー代他交通費で10万円、宿泊代10万円、その他10万円のざっと30万円が必要になる。この上に、猟師の案内料が15万円加わる。これでは北海道へ行きたいがこれを聞いただけで尻込みするハンターも多い。そこで自分で猟場を開拓する意気込みで案内猟師の世話にならずにエゾシカ猟を始める道外ハンターも居る。大体次のいずれかに分けられる。

1.北海道の知人のハンターを頼る。

これは縁故を頼る方法で、多種多様で一般的ではないのでここでは触れない。

2.2〜3人で流し猟をする

道路や林道を流してシカを求める流し猟であるが一人で流すのは危険である。シカを探すのと運転はいくら車や人の少ない林道でも事故に繋がるので絶対にしてはならない。林道で横見運転の車に何度か書面衝突されそうになったことがある。林道から谷に落ちているランクルを見ない年はないぐらいだ。流し猟では一日200Kmは走るのが普通というハンターも居るので疲れも出てくる。そこで、一人は運転に集中して、左右二人がシカを探して見つければ車を降りて射手になる用意をしているのが一番良い。しかし、一人が3頭欲しいといえば3人で9頭を5日間で獲ろうとすれば解体や残滓処理の時間も必要で結構忙しい猟になる。こうしたグループは毎年渡道してある程度は地理にも詳しくオス、メス、大小にかかわらず肉を求めて獲るので数は揃う事になるが楽しい猟といえるかどうかは本人の狩猟に対する気持ち次第だ。

3.単独で山猟をする。

一人の単独猟では流しは危険で出来ないとなれば単独で山に入る事になる。また、単独のエゾシカ猟に憧れるハンターは多いが実践できるハンターは少ない。昨年のエゾシカ解禁時に斜里岳で単独山猟で行方不明の東京から来たハンターが現地のテレビや新聞を賑わした。何日かして救助隊に助けられて無事生還が伝えられたが他人事ではない。単独猟では絶えずこのような危険と背中合わせである。広大な猟場では尾根筋ひとつ間違えて降りれば車の止めたところへ帰れなくなるので、先ず猟場の山を数箇所選んで熟知するのに何年かかかる。道東のエゾシカ猟の猟場はヒグマの生息地でもある。何時、ヒグマに遭遇するか分からないのでその心構えが必要になる。林道に車を乗り捨ててライフル銃と弁当を持って山に入った瞬間から全てが自己責任の覚悟で渉猟することになる。捕獲すれば解体、残滓処理、トロフィーや肉の搬出の苦行が待っている。このように考えると単独猟を薦める気にはならない。私の場合は最初にエゾシカ猟を教えてくれたハンターが山猟でオスシカだけを単独で追うハンターであったので自然に単独山猟が普通に思えるが、車で流して楽してエゾシカを獲った経験のあるハンターは苦労して山に入ろうとは思わないだろう。単独山猟は山奥に潜むシカを忍んで獲る猟であるので2〜3週間かけて晩秋の山の景色を楽しみながら角の立派なオスシカだけを選んで撃つ余裕のある狩猟でありたい。

初心者に薦められるエゾシカ猟入門

とにかく、2009猟期にエゾシカ猟を初めて体験したいと思うハンターには一人でも参加できて、費用も格安でエゾシカを撃つ機会のある猟犬を使った指導者の付いているグループ猟が安心である。ここでエゾシカ猟を学んでエゾシカ猟ハンターとして自立した道外のハンターも何人か知っている。昨年、帰途に立ち寄った北海道河西郡更別村に住み毎年道外からのハンターを迎え入れてエゾシカ猟の案内をしてきた「ワタナベハンティング」はエゾシカ猟を体験したい初心者に喜ばれている存在である。最近の道内でのエゾシカの生息分布の変化やシカ猟での国有林への立ち入り規制で、エゾシカ猟の経験が浅く現地の細かい情報に疎い道外からのハンターが簡単に猟を楽しむことが難しくなってきたようだ。ワタナベハンハンティングは長年に亘って、北海道では異色の、多数の猟犬を使って「巻き狩り」でエゾシカを獲る猟法でエゾシカ狩りのガイドの道を究めようと努力してきた。この結果、案内した多くの道外からのハンター達に、出会いが多く、猟果の期待出来る猟として認知されるようになった。ハンターが車や徒歩で移動してシカを探す猟から二、三十頭の猟犬を駆使してシカを探して待ち場へ追い出す能動的な猟のお陰で、2008猟期も好調な猟果で終ったそうだ。猟犬を使った「巻狩り」は西日本各地でイノシシやシカ猟で日常的に行われている猟法であり説明を要しないところであるが、待ち場に立つハンターは体重100キロを軽く越す大きな角を持つオスエゾシカが猛然と目前に迫るときには内地の猟と違った興奮を覚えるに違いない。こうした経験が口コミで広がり、案内する客層も、一人で参加する初心者から毎年何度か訪れるレピーターまでが同じ屋根の下に泊まってエゾシカ猟を楽しむようになっている。参加者に「銃器取扱心得」の徹底や共猟での基本的な注意や取り決めを守っていただき猟を楽しんでいただくことをモットーにされている。

2008猟期解禁時の状況

解禁直後の猟果では前年より好調にスタート。同時期では前年はオス六頭、メス五頭の合計十一頭に比べて今年はオス十二頭、メス七頭の合計十九頭で前年比プラス八頭で順調に推移いている。猟場では昨年に限っての特段の減少は感じな駆ったそうである。近くの禁猟区から移動するシカの群れが猟場に入り込んでいる様子も考えられる。2009猟期の解禁も同じような猟果が期待されている。

猟場

出猟する猟場は日高山系の厳しい山であるが、沢に沿って待ち場を設定して、猟犬を上の方から小沢へ入れてシカを追い出す。昨年は十月から十一月に掛けては晴天が続き、比較的暖かく小春日和の日もあったが、上流地域では降雨があり河川の流量が多かった。 通常年内は降雪は少ない。

多彩な参加者

複数のハンターとの共猟であるので一人でも参加できる。二〜三名のグループで渡道するハンターなど多様な受入れが出来る。初心者や足の強くないハンターでも見合った待ち場が用意できる。参加者での最高年齢ハンターは今のところでは八十一歳で、2008猟期では三頭のシカを仕留めている。 所持銃は散弾銃でもライフル銃でも同じように楽しめる。2008猟期では埼玉県川越市の小林博、達也ご兄弟がヒグマを仕留める幸運に恵まれた。

防寒対策

温暖化で猟期のスタート時は暖かく、十二月中旬まで積雪らしい積雪も見られないが、寒波が来れば厳しく、強風の吹雪く北海道の猟場であるので,寒さを防ぐ猟装や使い捨てカイロの持参などの防寒対策は必要である。

案内システム

「ワタナベハンティング」を主宰する プロハンター・渡邊勇とそのスタッフによる狩猟同行案内と食事付き宿泊、十勝帯広空港への送迎を含むセット料金で2008猟期は一人一日12、000円となっていた。 複数ハンターによる共猟になるので獲物の配分などについての取り決めがあるので詳しい事はメールいただければ紹介いたします。

帯広空港までの往復航空券と猟銃だけ用意すれば格安で手軽にエゾシカ猟を体験できることでは貴重な存在といえる。

                       おわり

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