
今度の舞台 観客も演出家も周りの役者も僕に期待をしているらしい
でもその期待は 僕に向けられているモノではない
確かに演技をしているのは自分だけれど 本当の自分じゃない
そいつは普段は影のようにひっそりしていて
僕の力を出す時が来たぞって時に急に現れて
本当の僕より強気に雄弁に話し出して
本当の僕がオロオロしてるのを見て
ニヤニヤッって笑うんだ
すごく自信ありげで 勝ちほこったような顔をして
僕は僕自信に帰りたくってウズウズしてるんだけど
もう一人の別の僕が現れて
こいつは楽をするのが得意な奴で ノホホンとしながら
強気な僕と本当の僕を交互に見比べて
僕に向かって まあいいじゃないか なんて他人事のように言うんだ
僕はもっとアセリ出してきて 爆発寸前ってとこまでくると
今度は冷静な自分が出てきて
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