Warp 4.52の修復インストール

作成開始日 2013.12.04
 

先日、なかなか間抜けなことをやってシステムをふっ飛ばしてしまった。OS2SYS.INIを(意図的に)破壊したので、ちょいと簡単には元に戻らない。結局、修復インストールをするハメになった。まあ、これも何かの機会だ、サラに近い状態から安定性チェックをしてみるのも悪くはない。が、そのためには、まず修復インストールを成功させなければならない。普通にCD-ROMをセットアップして、修復インストールの行程を一つずつこなしていけば、普通に最後までいくと思いきや……流石はOS/2、そうは問屋が卸さない。

その1)CD-ROMドライブが認識できない

修復インストールを開始する時点ではCD-ROMは問題なく認識できていた。しかし、インストーラがCONFIG.SYS等を書き換えてリブートを掛けたら、CD-ROMが認識できなくなり、インストール作業が中断してしまった。原因はIDEドライバ。IBM純正のIDEドライバでは、私が現在使用している光学ドライブ(DVR-AN16FAB)は認識できないようなのだ。最初に認識できたのは、純製IDEドライバではなく、DANISドライバを使っていたおかげだった。

その2)ファイルコピーの途中で止まる

CD-ROMの問題は後述のHDDインストールで対処できるが、インストール作業が再開された後も、ファイルコピーの途中で全然前に進まなくなる。フリーズしているわけではないが、何時間放置してもそのままの状態。犯人はWPINET.DLLというDLLファイル(\OS2\DLL\WPINET.DLL)。こいつだけロックが解除されていないのかどうか知らないが、コピーを拒んで立ちはだかっているようなのだ。修復インストールを始める前に、ユーティリティディスクなどで起動して、予め削除しておかなくてはならない。

とまあ、仲々スンナリと修復させてくれない(^_^;

  ちなみに、じゃあ、最初のインストールのときはどうやってCD-ROMの問題を回避したのかと言うと…え〜っと、良く覚えていないが、まず、光学ドライブ自体が別機種だった。また、別PCでDANISドライバのシステムを作り、そのイメージをこのPCにそのまま展開したのだったかも知れない。

●HDDインストール

Warp 4.52もそれまでのWarp同様、HDDからのインストールが可能になっている。特に、標準IDEドライバでは現在の私のCD-ROMドライブは認識できないので、HDDインストールは必須と言ってもよい(まあ、IDEドライバの方に細工をするという方法もあるが)。しかし、Warp 4.52のHDDインストールはそれ以前のようにスンナリとはいかない。なぜなら、Warp 4.52のCD-ROMに収録されているファイルが、どうやらISO9660規約に違反しているらしく、DOSではコピーできないからである。もちろん、OS/2やWindowsからは問題なくアクセスできるようだ。

しかし、ということは、Warp 4.52のインストールの前に、WinMeなりコマンドライン版のOS/2(しかもIDEドライバ細工版)なりを使って、CD-ROMファイルをHDDにコピーしなくてはならない。今までのように、DOSで下準備をするという手法は使えないのである。

  OS2IMAGEディレクトリ(約340MB)をZIP化してCD-Rに入れておけば、DOSでも扱えるようになるので便利かも知れない。

インストール作業自体は今までと変らない。OS本体部分に関しては;

	OS2IMAGEディレクトリ
	OS2SE20.SRC
があれば良い。ブート時のブルー画面(回復選択)から[F4-メインテナンス・デスクトップ]を選択すれば、自動的に再インストール作業が始まる。あるいは、インストール用フロッピーディスク(要作成)でブートしてもよい。なお、前述のように、再インストール作業に入る前に;
	\OS2\DLL\WPINET.DLL
を削除しておくこと。このDLLが残っていると、なぜかインストール作業が途中で止まってしまう。

●古いデスクトップ・フォルダ

OSの再インストールに成功すると、デスクトップが新しく生成されることがある。古いデスクトップは、「前のデスクトップ」という名前にリネームされて残る。問題は、それでも依然としてデスクトップとしてみなされるようで、「前のデスクトップ」フォルダは削除不可能だということだ。実害はないが見苦しい。私は、ユーティリティ・ディスクから起動して削除した。なお、OS2SYS.INIのFolderWorkareaRunningObjectsからも削除しておく方がよいだろう(先にこちらを削除すれば、前のデスクトップ・フォルダも普通に削除できるかも知れない)。

●IDEドライバの変更

再インストール直後には当然純正のIDEドライバが組み込まれているが、これは早めにDANISドライバに変更する方が良い。LVMが使えなくなるが、純製ドライバよりも遥かに多くのチップセットやデバイスに対応している。私のCD-ROMも、DANISドライバであれば問題なく認識する。ただし、安定性に関しては何とも言えないところがある。経験的には、純製ドライバの方が安定しているように感じられる。
BASEDEV=DaniS506.ADD /V
BASEDEV=DaniDASD.DMD
BASEDEV=DANIATAPI.FLT
rem BASEDEV=IBM1S506.ADD
rem BASEDEV=OS2DASD.DMD
rem BASEDEV=OS2LVM.DMD
rem BASEDEV=IBMATAPI.FLT

●ネットワーク機能のインストール

ネットワーク機能のインストールには次のファイルが必要である。まず、これらをCD-ROMからHDDにコピーする(そのためにも、上記のDANISドライバへ換装が必要)。
	CISディレクトリ
	IBMINSTディレクトリ
	INFOディレクトリ
	INSTALL.CMD
また、Warp 4.52には、RTL8139などのメジャーなLANドライバが入っていないので、使用するLANドライバを予め以下のディレクトリにコピーしておくと良い。
	\CID\NIFS\MACS
	\CID\NIFS
修復インストールの場合、ドライバ自体は既にHDDに入っている筈なので、ドライバ選択の画面でx:\IBMCOMを指定してもよい。

準備が整ったらINSTALL.CMDを実行する。これでネットワーク機能のインストーラが起動する。なお、インストーラはINSTALL.CMDではなく、NETINST.CMDなどにリネームしておく方が判り易くて良いと思う。

【注意】Peerのインストールに失敗したら、いったんPeerを削除してから再インストールすると良い。Peerの削除は[システム設定|インストール/削除|ファイルおよび印刷クライアントのインストール/削除](D:\IBMLAN\INSTALL\LANINST.EXEか)から実行可能だが、これで削除するとMPTSまで削除してしまうような…けっこう厄介である。いっそ、IBMLANディレクトリを直接削除する方が良いかも知れない。

●各種の設定

これでOS/2は基本的にサラに近い状態になる。各種ツールやアプリはすべて入れ直しとなる。各種設定もすべてやり直しだ。その際に注意したいのは、以下の設定。

CONFIG.SYS

AUTOFAIL=YES
PAUSEONERROR=NO
SET DIRCMD=/O:GN

SET AUTOSTART=PROGRAMS,TASKLIST,FOLDERS,WARPCENTER
SET RESTARTOBJECTS=STARTUPFOLDERSONLY

LIBPATH=...;D:\EMX\DLL;
SET PATH=...;D:\BIN;D:\EMX\BIN;
    ※EMXは文句なく必須。D:\BINは個人的なツール用ディレクトリ。

マウスのスクロール設定

    [スクロール速度|スクロール・タイプ] [PMスクロールの使用]

    ※デフォルトのマウス設定では、Seamonkeyのホイール設定が有効にならない。

TCP/IP設定

    ホスト名とドメイン名の設定

    ※ホスト名を設定しないとメールの送信が不可能になることも

●INIファイルのサイズ

で、事の発端となったINIファイルだが、デフォルトのサイズは;
OS2.INI		500KB台
OS2SYS.INI	 70KB台
つまり、この程度でもOS/2は問題なく動く、ということだ。かつて私は、OS2SYS.INIを2MBくらいまで膨れ上がらせて、システムをパンクさせてしまった経験がある。以来、何とかOS2SYS.INIの肥大化を防ごうとしてきたが、なかなか上手くはいっていない。ならば、今回のように、定期的に再インストールをする、というのも悪い選択肢ではないかも知れない。


【逆襲のOS/2目次】 【ホーム】