(2015.06.24)
OLYMPUS μ750
基本的に《室内・手持ち・ノンストロボ》で《カメラやラジオのパーツ》を撮影するために入手。一応《ISO 400/800+手ぶれ補正ON+広角端Sマクロ》という設定ならば、使えるかな〜という感じ。入手当初は余りに酷い絵しか撮れず、こりゃダメだと思ったんだが、少し使い込んだら、そこそこ綺麗に撮れるようになった。
なお、このμ750はネットで酷評されている機種だが、その最大の理由は日中屋外ではLCDがほとんど見えない!というもの。2006年発売の国内モデルでそれもムゴい話だが、私の用途には影響はない−−と言うか、DiMAGE X20で、NO-OVF機を屋外で使うのはナンセンスと悟った(^^;ので、ハナから期待していない。
- 画質は総じて良くはない。ベタ〜とした発色で、解像感ではCoolpix 3200(320万画素機)にも劣る。だが、使えないほど酷いわけでもない(むしろ、Coolpix 3200を褒めるべきだろう)。発色は地味目で加工しやすい。この用途にはグッド。
- 画像の縮小処理に問題がありそうだ。縮小サイズの画像が最高画質の画像よりも劣るのは当然だが、その差が大きすぎるように感じることがある。当初はXGAサイズだとネムすぎて使い物にならず、まともな画質をキープするには最低2M必要だった(今は何故かXGAでもOK)。縮小処理のアルゴリズム自体に何らかの問題があるのかも?
- ISO 2500(キャンドルモード)は流石にノイズだらけだが、室内で1/80"で切れた。
ISO 1600も実用は厳しいが、さりとて目も当てられない程ではない。
ISO 800は旧機種のISO 400くらいの画質があり、用途次第では使える。
ISO 400ならばほぼ実用レベル。
いずれの感度でも、Optio E60に比べればずっとマシな画質だと思う。ただし、レンズが暗いために、ISO 800でも旧機種のISO 400相等の速度しか出ない。高感度画質が改善された分を、レンズの暗さが相殺している感じ。
- 手ぶれ補正は実感として半段くらいの効果しかない。そのため、1/10"以下になるとやっぱり手ぶれが発生するようだ。しかも、レリーズボタンが固くて、無駄な力が掛かる分だけブレやすい。これまた、ボタンの固さが手ぶれ補正効果を相殺している感じ。また、手ぶれ補正をオンにしたらノイズが増えたように感じたこともあった。
重要なのは、上記のような症状が、必ずしもいつも発症するわけではないこと。箸にも棒にも掛らないほど酷い時があるかと思えば、あれ?と思うほど綺麗に撮れることもある。慣れもあるけど、そもそも動作が不安定な感じもする。なにか画質が極端に劣化するドツボがあるのかも知れない。
- 撮影/再生切替がダイヤル式で、電源とも別系統というのは使いにくい。ただし、設定メニューでQuickViewをオンにすると印刷予約ボタンが再生ボタンになる。が、こんな隠し設定にする意味がわからん(u_u;) 小さな十字キーの廻りにボタンを配置するレイアウトも頂けない。レリーズボタンが固めで、手ぶれを誘発しやすいのは既に述べた通り。
- メニュー構成も従来のオリンパス機とは異なり、PowerShotのパクリみたい。従来のオリンパスユーザーには、かなり判りにくい。……ひょっとすると、撮影/再生切替が機械式なのも含めて、「売れているPowerShotの真似をしよう」としたのかも知れない。なんか、そんな臭いがする。
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ひょっとすると、前記の隠し再生ボタンは、上の命令で「PowerShotの真似をしろ」と言われた現場の技術者が、独自の判断でこっそり実装した機能だったのかも(o^-')b 電源独立ダイヤル方式によりは絶対に使いやすい!
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- 液晶にISO感度は表示されるのに、速度も絞りも表示されないのはバカ。昔のオリンパスは、こういう所ではきちんとしていたハズなんだが、2003年ころを境に、異様な手抜き(悪意?)を感じる機種が増えた。
……しかし、こいつを屋外で、しかも望遠端(180mm相等)で使うなんてムチャだろうなぁ。このサイズだとホールドも難しいし、手ぶれ補正も殆ど効果がないから、構図は傾くは、ブレブレだわで、とてもじゃないけど見られたものにならないだろう(少なくとも、室内で180mmを試したときはそうだった)。まともにテストして商品化したのかどうか、疑わしくなってくる。このサイズ&デザインならば、超広角単焦点機にした方が良かったんじゃないか?いや、まあ、数は出ないだろうけど…
●使用レポート(2015.07.06)
先日、嫁さんが雨中の蓮を撮りに行くというので、このμ750を貸し出した。雨天なので流石にLCDが見えないということはなかったようだし、「生活防水は電源オフ時のみで雨中での使用はできない」というネット風聞もデマと判ったが(土砂降りに傘もささずに使えるかどうかは知らんよ)、いかんせん結果が良くない。
まず、画質はやっぱり見劣りする。雨天だったというのもあるが、コンシューマ向けにしては彩度が低くて地味すぎる。ISO 800まで上げたのも原因だろうが、それにしてもカサカサとした発色でパッとしない。また、ISO 800でも室内では手ぶれしまくりで、見れたシロモノではない。
尤も、ウチの嫁は腕を伸ばして構えるし、室内でも平気でズームを使うし、AFロックもできない。それでいて設定は全然いじらない。露出補正はおろか、感度変更もストロボ設定もしない、おまけに60枚撮影しておいて「電池切れで20枚しか撮れなかった」と愚痴を言う−−メーカーの苦労がな〜んか判ったような気がする。こんなユーザーにISO 800固定&スポットAF&ストロボオフで渡した私が悪いのか(u_u;)
でも、こいつには「キャンドルモード」や「寝顔モード」はあっても、「手ぶれ軽減モード」はないんだよね。実質的に同じかも知れないが、キャンドルモードで雨中の蓮の撮影は変でしょう。おまけに通常の感度オートだとISO 200までしか上がらねえし、何考えてんだろうね? 素直に通常オートと高感度オートの2種類作っておけば、シーンモードなんて全部いらねえよ。
ま、パーツ撮りなんていう特殊用途は別として、フツーのコンデジとしては確かに実用レベル以下ですかな。酷評納得。ただし、屋外で180mmはムチャだろうという発言は訂正する。ウチの嫁でも奇麗な蓮の花の写真が撮れていた。しかも、日の丸構図ではなく、被写体を微妙に中心からずらして、洒落た構図に……あ、そうか、やっぱりブレたんか(^_^;
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