1980年代後半に爆発的にヒットして、コンパクトカメラの代名詞ともなった名機。ヨーロピアン・カメラ・オブ・ザ・イヤーとグットデザイン賞を受賞。斬新な曲面フォルム、独特の質感のラバーコーティング、描写力のすぐれた38mm/F2.8レンズ、まともに使えるAF/AEと、それまでのコンパクトカメラのイメージを覆すくらいのインパクトがあった。
私も中古で一台持っていたが、単なる記録スナップだけではなく、ある程度作品作りにも使えるんじゃないかと思ったくらい。当時としてはかなりシャープな描写力だったし、ボケ味も悪くない。問題は逆光補正。一応、逆光時ストロボ自動発光という仕様だが、実際にはちゃんと働いてはいないような…? ただし、モロ逆光でも顔が黒く潰れることはないようだ。これなら売れて当然だろうなあと感心した。あんまり売れたんで、調子に乗って兄貴分の“オートマン”(T-50)なんて一眼レフも出したが、こっちはその名に反してMF機だったもんだから、あえなくα-7000に撃沈された。世の中そう甘くはない。
フラッシュ制御は基本的に自動。オフもできるが、とても操作しにくく実用的ではない。強制発光は不可能。露出補正機能は基本的にない。
気になったのは、やはり日中シンクロができないことと、フレーミングが正確にできないこと。コンパクト・カメラにパララックスは付き物だけど、旅行のスナップ程度なら大して気になるものじゃない。しかし、なまじ描写が良いだけに、作品を作ろうと思ってしまうとちょっと気になる。ファインダー内のフレーム表示もややわかりにくい。そうそう、何とフィルムの途中巻き戻しもできない……わけないな。ちゃんと底に付いてた。
あとは、耐久性かな。何となくAFの調子が悪いな〜と思っていたら、シャッターが切れなくなった。修理に出したら6000円。ところが半年ほどですぐに同じ症状が出て……もう直す気はありません。御臨終です。製品コンセプトの良さも、性能の高さも、耐久性のなさも、いかにもキャノンって感じですな。
(2001.02.10/2001.04.09)
2001.04.08/近所散策を兼ねて試写。お七地蔵など。いやあ、シャープだわ。今さらながらびっくりするぐらい。発色もAutoboy SやLunaなどのSSCレンズよりも好感が持てる。露出補正ができないので逆光時が問題だが、それ以外は現行機種と比べても遜色ないんじゃない?
2001.10.08/ビックカメラでジャンクワゴン品入手。500円。外観はボロだが何とか動くようだ。これが3台目。
2001.10.10/4台1000円で落札したジャンク品の中に1台あった。外観ボロボロだが動くようだ。これが4台目。別に集めているわけじゃないけど、セットにはよく入ってる(^_^;
2001.10.16/5台目到着。Autoboy F-XLとセットで800円(送料込み)。ジャンク不動品ということだったが、完動品であることが判明。単なる電池切れ。強いて言えば、残量表示が不良で、電池切れでもマンタン表示をしてしまうだけ。
2001.11.13/性懲りもなく、また買っちゃった。800円。CHINON 35FS-IIを買ったついで。完動みたいだけどCランク。モーターがへたっているかも。これはちょとかなあ…。ま、ケースと取扱説明書付きということで納得しようか。
□ | 機番 | 価格 | 備 考 | ||||||||||||||||||||||||
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− | @ | \12000 | ×AF不良、十数年前に購入後故障 | ||||||||||||||||||||||||
・ | AQD218 | \ 1000 ◎良品
| − | BQD179 | \ 500 | ×シャッター不良、ビックのワゴン品
| − | CQD323 | \ 1000/4 | △外観破損、機能はOK?
| ・ | D111 | \ 800/2 | ○唯一の非QD、送料込みで800円(Autoboy FXLとセット)
| レ | EQD102 | \ 800 | ○程度が悪い、ついでに落札したもの
| − | FQD223 | \ ? | ×動作はする、ストロボ×、液晶×、外観×
| − | GQD210 | \ 1900/9 | △給送系トラブル、ちゃんと動くこともある
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これだけの台数がありながら、まともなものは二番機と五番機の2台だけ。四番機は修理可能だろう。ドナーは一番機か三番機。完全に壊れている物も少ないので多少迷うな。