MINOLTA α-9000

MINOLTA α-9000
1985.09 \12.8000

初代αシリーズの最上位機。ボタンだらけのα-7000とはまったく異なり、ダイヤルやシーソーレバーなどでの操作が特長。しかも、本格的なAFカメラとしては恐らく唯一の手動巻き上げ機。ミノルタも非常に面白い差別化をしたものだ。その特異なスペックで意外に人気の高い機種。中古価格も上がりぎみ(特に液晶洩れが頻発していて良品は少なくなっている)。

●どうも気に入らない

ところが、実際に触ってみると、ちょっと……。まず、何が気になるかというとボディの質感。安物のα-3700iとまったく同じ剥き出しのプラスチック。α-9000はキャノンのEOS 620よりも2年弱前に出ているが、それにしたってこの差は何なの、って言うぐらい安っぽい。620より2万円も高いんだよ! デザイン自体はゴテゴテしていてカッコいいし、重いは重いんだがね(実際かなり重い)、この質感ゆえに重厚味に欠けてしまっている。

次に操作性。これはきちんと撮影したわけではないから断定はしないが、はっきり言ってかなり悪い。ダイヤルやレバーによる操作自体は好ましいのだが、ダイヤルは回しにくいしシーソーレバーも押しにくい。コンセプトは良いのだが、部品の品質に問題がある。なお、マニュアル時の絞りの変更は左エプロン上部のシーソースイッチで行う。マニュアル時の操作に関してはEOS 650でも随分戸惑ったが、α-9000でもわかりにくく操作しにくい。液晶の表示もすぐに消えちゃうし。全体的にEOSの操作性には及ばない感じ。「快適」という言葉を置き忘れたような造りなのね。

あとシャッター音。「カチン」という感じ。絞ると「カシャン」に近くなる。安っぽくはないが、けっして高級な感じはしないし、小気味よくないので幸福感がない。流石にミラーショックは小さいが。巻上感もあまり感心しない。

全体的に見ると非常に面白い機種だが、これが最上位機かなぁ…というのが率直な感想。中古ジャンク品を6500円でゲットしたから納得するけど、2万以上出してたらがっかりするかも。玄人筋の評価は悪くないから、何度か使ってみてから結論は出すことにするけど。

あ、そう言えば手動巻き上げでフラッシュも内蔵していないから単三電池で動くんだ。へ〜、これはちょっと、いいかも。と思ったけどAFだし、AFモーターはボディ側だしで、大口径レンズ付けたときはすぐに電池がなくなりそうだ。う〜む。

それから、こいつのAFはちょっと不思議で、シャッター半押しで測距を始めるんだが、液晶に露出の表示が出ている間(数秒間)は追従しちゃうのね。電源スイッチオン直後も液晶表示が出るので、すぐに測距を始める。モード変更の方法があるかどうかしらないが、慣れないと戸惑う。


■使用レポート

あ、壊れた(^_^; 空シャッターを切っていただけなのに、ミラーが上がりっぱなしになってしまった。

教訓一、ジャンク品は壊れている箇所以外もおかしくなっている可能性が高い。
教訓二、ミノルタの製品は壊れやすい。

SR-T101は壊れても直して使いたくなるようなカメラだった。しかし、こいつにさらに2万注ぎ込むのは…それをするなら、売り払うことが前提かな。ともかく、αシリーズはこれで打ち止めとしよう。

でも、2002年4月半ばにミノルタの新宿SSに持っていった。応対に出た係の人の対応はすごく良くて、あ〜、あんまり悪く言うもんじゃないなあと思いつつ預けてきた。で、ゴールデンウィークが済んだころに修理不能という連絡があった。どうやら、シャッターユニットがイカれているんだが、交換部品が払底しているとのこと。あっちゃ〜。

で、3ヵ月ほど放置していたんだが、その後引き取って来て見ると、ちゃんとシャッターが切れるようになっていた。な〜んだ、と拍子抜けした感じ。確かにシャッター羽根に若干の傷はあるが、実写には影響なさそうだし、ギアの噛み込みも直ったし、実質的にこれで使用可能じゃない…と思ったのが甘かった。

2002年9月29日、ふくろ祭りに持って行こうとフィルム装填前のチェックをしたら、シャッターが開かない! で、シャッターの先幕にべったりと粘着物が付いていることを発見。シャッターをチャージしないと先幕は出てこないので今まで気がつかなかったのか…。初期EOSの油汚れとほぼ同じ状態。これが修理不能の元凶か。ということで、この日は別のカメラを持っていった。

2002年10月4日、シャッター幕の掃除に取り掛かる。まあ、根気よくベンジンで汚れを取るしかない。で一応、最高速時にも開くようにもなったのだが、どうにも頼んない。何しろ油汚れの元が除去しきれていないので、拭いても拭いても、新しい汚れが着いてしまう。さらに、このα-9000はNIKON EM同様、裏蓋を開けてしまうと、シャッターが最高速でしか切れない。そのため、どの程度の速度まで、シャッター幕が正常に開くのか全然わからない。開閉感知スイッチをドライバなどで押してやればよいのだが、作業しにくいことこの上もない。実に厄介だ。

おまけにこの日、空シャッターを切っていたら、またも突然ミラーアップの状態(シャッター幕が走っている途中)で動かなくなった。しかし、今回は底蓋を開けてレバーをコチョコチョとしたら復活。やっぱ、このあたりに何かあるんだね。

2002.10.06/【試写開始】須藤公演および日大病院近くの緑地を散策。もちろん、私が撮影する日は天気が悪い(多分、今年の曇天率は9割を超えている)。この日もたまに薄日が射す程度の曇天。ま、使ったレンズが35-70mm/F3.5-4.5だから、それでもそれほど困りはしなかったが。あと、室内で35-70mm/F4通しmacroを使ってマクロも試してみた。

2002.11.03/【東京時代祭り撮影】SIGMA DL 75-300を持って浅草まで出かけた。イベント自体はアレですが、撮影するには楽だった。サンバカーニバルと違って、今回は踏み台の必要性も感じなかった。でも、DL 75-300は合焦がトロトロでお世辞にも実用レベルではない。やっぱり、AF性能の低さとトルク不足だなあ。このクラスのレンズになると、ボディ・モーターではちと無理だよ。結局、MFを随分使ったが、ファインダーに視度補正が入っていることもあって、思いのほか使いやすかった。何か、痛し痒しと言いましょうか…作り手が良心的であるがゆえに、AFを全然信頼していなかったのではないかと思われるフシが…。

2002.11.04/【ストロボのチェック】試写のときにストロボが発光しなかったので、フィルムを取り出してから改めてチェックしてみた。結果はOK。ただし、ホットシューもシンクロターミナルも酸化皮膜が出ているようで、磨いてやらないと動作が不安定であった。その点を除けば、問題なく汎用ストロボが使用できる(最初にα-3700iを入手したので、ミノルタのホットシューは全部独自仕様だと思い込んでいた(^_^;)。

そんなこんなで、いろいろ使っているとやっぱり愛着が湧くもので、もう少し手入れをしてやろうと思っている。

2002.11.07/【試写結果】カメラとしての機能は生きているようだが、デキに関してはけっこう不満。

  1. 逆光補正がほとんど効いていない。スポット測光も露出補正も試してみたが、結果は総じて良くない。しかし、これはカメラ性能ではなく、プリント時のラボの責任の可能性も大きく、即断はできない。きちんとチェックするには、当然ポジでの撮影が必要。
  2. 発色や描写が良くない。これもラボの責任がほとんどのような気はするが、ちょっとなあ…というレベル。初期αの廉価レンズってこんなものなのかなあ? SIGMAの望遠ズームよりはマシな気もするけど…。
  3. ピンが甘い。甘いよ、やっぱり。しかもMFでは全然合わない。これはラボの責任よりもボディ側の責任のような気がするなあ。
ま、今回は描写云々ではなく、まずカメラとして生きているかどうかのチェックだったから、これはこれで良しとしよう。シャッターが高速時にも開くことが確認できただけでも充分。なにせ、0円ラボの古くなった現像液ではここら辺りが限界。もう少しメンテナンスしてやってからきちんと描写のチェックをしよう。次回はストロボやAdaptall 2も使おうと思う。

(2001.05.02〜2002.11.04)