YUKシート及びMUKシートのどの列に入力し、どの列に入力してはいけないかはこのシステムを使い始めるときとまどうところです。その手がかりとして、
YUKシートおよびMUKシートの4行目から7行目に位置する見出し行の背景色を5種類に色分けしてあります。この5種類の色分けの意味は
左の目次に記したとおりですが、それぞれの列に関する説明は下の「入力列の色分け説明」の箇所に譲ります。
(入力はひとつの資産項目データをひとつの行に対して行いますが、その入力行上のあるセルが属する列のことを単に「列」と呼ぶことにします。
- 有形固定資産については、YUKシート上で資産種類ごとに、必要な入力行を確保した上で旧システムによる償却計算データをYUKシートにコピーします。
無形固定資産については、MUKシート上でやはり必要な入力行を確保した上で、旧システムによる償却計算データをMUKシートにコピーします。
旧システムによるデータをExcel®ファイル又はCSVファイルに落してこれをOOoCalcの表に読込み、該当データをコピーして、「YUK」シートの該当列にペーストする方法を
とることをまずお考え下さい。資産項目が多い場合は何らかの償却システムを利用されていたと思いますので、通常はこの方法がとれます。
これが不可能な場合は手入力していきます。
- この場合の行挿入は、OOoCalcのコマンドメニューの、Alt→I(挿入)→R(行)を実行して行ないます。
このシステム付属のマクロを実行することもできますが、行数が多い場合は、やはり、OOoCalcのコマンドを利用する方が効率的です。
- YUKシート及びMUKシートの各列への入力については、下記の「入力列の色分け説明」をご覧下さい。
- システム導入時保有資産の入力が以下の新規取得等の入力と異なるのは「使用開始年度償却累計」欄(AO列及びAP列)への入力が必要とされる点のみです。
本システムでは「使用開始年度期首償却累計」欄の数字を引き継いで償却計算を行ないますので、本システムでの償却計算の重要な出発点になります。
(ご注意)
- システム設定でのシステム使用開始年月日の登録とシステム導入時保有資産にかかる「使用開始年度期首償却累計」の
金額は一体のものです。したがって、「使用開始年度期首償却累計額」と「使用開始年月日」には必ず整合性を持たせて下さい。不整合の場合は、正しい償却計算が不可能になります。
- 旧システムでの償却計算に誤りが発見された場合も、「使用開始年度期首償却累計」欄の数字は無修正で引継ぎ、必要な修正は別途行なう必要があります。
そうしないと、会計データの期首償却累計額及び期首未処分利益の金額と食い違いが生じるからです。
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- J列に除却年月を「YYYYMM」の形式で入力します(例:2010年8月除却の場合、201008)。これだけで入力が完了です。
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- 振替対象資産のK列に振替年月を「YYYYMM」の形式で入力します(例:2010年8月振替の場合、201008)。この行を振替元資産とします。
- 振替元資産のJ列に振替年月を「YYYYMM」の形式で入力します(例:2010年8月振替の場合、201008)。
- 次に、振替元資産にカーソルを合わせたまま、「行挿入」コマンドを実行します。挿入された行を振替先資産とします。
次いで、振替先資産の取得年月(I列)を上の振替元資産の取得年月と同じ年月に変更し、振替年月(K列)を入力します(振替先資産と振替元資産の振替年月は一致します)。
- 振替先資産の所在市町村(D列)または部門(E列)を状況に応じ変更します。さらに摘要欄(AK-AM)を利用して必要な情報を入力することができます。以上で、入力は完了です。
- 振替を行なった場合の償却対象期間は、振替元資産については振替年月の前月まで、振替先資産については振替年月以後となります。
また、振替元資産の振替年月前月までの償却累計額はY列でマイナスされるとともに、振替先資産のY列でプラスされる形で引き継がれます。
(ご注意)
本償却システムで振替資産についての償却計算機能を使用するためには、資産コードの入力が不可欠です。そして、次の場合にのみ正しい償却計算が行なわれます。
- 振替元資産と振替先資産の資産コードが一致しており、かつ、他の資産にかかる資産コードとの重複がない場合。
- 振替元資産と振替先資産の資産コード及び副資産コードがそれぞれ一致しており、かつ、同様の資産コード及び副資産コードの組合せが他の資産について存在しない場合。
- 一般に資産コードと副資産コードの両方を用いる方が、コード使用の重複リスクが低くなります。多くの資産を保有する会社ではこの点も考慮に含めると資産管理がし易くなるかもしれません。
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- 企業会計上で取得時に全額費用化した資産は新規取得として入力します。この資産項目の入力では、
会計用の耐用年数を1、償却率は空欄とし、他方、税務用の耐用年数、償却率は耐用年数省令に拠って入力します。
- さらに、当該資産の取得価額をマイナスで入力します。
例えば、費用化資産の取得価額が300,000円であった場合、その費用化資産の行にカーソルを合わせ、行挿入(Alt→A→I)を実行した後、
AN列の取得価額を -300,000円に変更します。会計用の耐用年数は1とし、償却率欄は空欄、税務用の耐用年数、償却率も空欄にします。
- これにより、本償却システムの取得価額合計は取得時全額費用化資産の取得価額がプラスマイナス・ゼロとなり貸借対照表価額と一致します。
また、企業会計では全額費用化資産の取得時処理は消耗品費等の減価償却費以外の勘定科目で行ないますから、本償却システムの企業会計償却費もプラスマイナス・ゼロでPLと一致します。
- 取得時全額費用化資産は企業会計と税務会計で償却計算に差異を生じさせることになります。このため、Alt→A→Zによりシステム設定
を起動し、セクションⅣの右側で、費用化した資産が属する資産種類の「不一致」ボックスにチェックマークを入れ、「設定登録」ボタンをクリックします。
- 以上の処理により、取得時全額費用化資産の費用化金額は当期償却費に含まれ、また、当該資産の償却限度額は当期償却限度額に含まれて別表が作成されます。
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入力列の色分け説明(YUKシート及びMUKシーとの見出行)
- 必ず入力する列
- A列(資産種類番号)---
次のような資産種類番号を半角数字で入力します
(償却資産税申告書の種別番号と、建物を除き、同じ番号です)。;
| 資産種類 | 資産コード |
|
| 建物 | 0 | |
| 構築物 | 1 | |
| 機械装置 | 2 | |
| 航空機 | 3 | |
| 船舶 | 4 | |
| 車両運搬具 | 5 | |
| 工具器具備品 | 6 | |
- D列(資産所在地)---
償却資産税申告書は資産所在地を管轄する市区町村別に作成しますので、各資産の申告書提出先である市区町村名を入力します。
償却資産税申告書作成用データはこの市区町村名をキーとして並べ替えて作成されますので、同じ市区町村名は同一として下さい。コピー&ペーストにより入力するとエラーを避けられます。
- G列(摘要)---
資産の特定や適用耐用年数の確認を容易にするもので、かつ、簡潔な記述が理想的です。
- I列(取得年月)、J列(除売却年月)、K列(振替年月)---
いずれも西暦でYYYYMMの形式により半角数字で入力します(例:2010年8月取得の場合、201008)。除売却や振替がない場合の該当列には何も入力せず空欄にします。
- S列及びAC列(耐用年数)---
通常は耐用年数省令に定める耐用年数をS及びAC列に半角数字で入力します。会社独自の耐用年数を採用している場合はその会計方針にしたがう耐用年数をS列に、省令に定める耐用年数をAC列に入力します。
- T列及びAD列(償却率)---
S列及びAC列の耐用年数に応じた償却率を半角数字で入力します。特に、AD列にはAC列の法定耐用年数に応じた償却率を耐用年数省令の別表9又は別表10を参照して半角数字で入力します。
- AN列(取得価額)—
取得価額を半角数字で入力します(3桁区切りのカンマは入力しません)。特に新規取得の場合、N列ではなくAN列に入力することにご注意下さい。
この減価償却システムは当年度だけでなく、過年度及び将来年度についての償却計算を行ないますので、M-P列の数字はAN列の数字を基に自動入力されます。
- AO列及びAP列(減価償却累計額)---
本システム使用開始年度の直前事業年度末における減価償却累計額を企業会計分をAO列に、税務分をAP列に半角数字で入力します(3桁区切りのカンマは入力しません)。
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- E列(部門)---部門会計を行なう場合
部門名又は部門コードを、同じ部門については同じ部門名又は部門コードとなるように、入力します。この場合、
ある部門については部門名を他の部門については部門コードをそれぞれ統一して入力しても構いませんが、同じ部門について部門名と部門コードが混在するとそれぞれ別の部門として
扱われます。言いかえると、表計算コマンドの並替えをしたときにひとつのグループとなるような入力をすればOKです。
- B列(資産コード)、C列(副資産コード)---振替処理を行なう場合
振替の場合のセクション末尾(ご注意)で記したとおり、資産振替の処理を正しく
償却計算に反映させるには、B列(又はB列及びC列)への入力が欠かせません。振替資産にかかる減価償却は振替元資産と振替先資産を
一組にして償却計算を行い、振替元資産の償却累計額を振替先資産に振り替えます。これは振替の相手資産の検索ができてはじめて可能ですが、相手資産であるかどうかの
判別は資産コード(又は資産コード及び副資産コードの両方。以下「資産コード等」と呼びます)をキーとして行なうことが最も確実であるため、振替処理において資産コード等が不可欠になるのです。
振替の相手資産を判別するという目的に絞れば、振替元及び振替先資産についてのみ資産コード等がありさえすれば、他の資産については
資産コード等が付されていなくとも、振替処理は可能です(もちろん、資産管理のためにはすべての資産に付番する方が望ましいと考えられますが)。
- 部門会計は行うけれども、振替処理はない場合にはE列への入力のみが不可欠で、B列(又はB列及びC列)への入力はなくても(あっても)構いません。
また、振替処理は行うけれども、部門会計は行なっていない場合にはB列(又はB列及びC列)への入力のみが不可欠で、E列への入力はなくても(あっても)構いません。
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- B列(資産コード)---
個々の資産に資産コードを付して資産の現物に貼り、この減価償却システムのB列に入力しておくと、資産の特定が誰にでもできるため、資産管理が容易になります。
- C列(副資産コード)---
副資産コードも利用すると、B列の資産コードと組にしたコード体系を構築でき、さらに資産管理を容易にできます。
- F列(管理責任者)---
管理責任者を登録しておくと、定期または不定期にその管理下にある資産状況の報告を求めたり、共同してたな卸しを行なうなど、資産管理に役立ちます。
- H列(購入先)---
購入先を記入しておくと、資産の特定に役立つばかりでなく、請求書を探しやすくします。また、修理の必要が生じた場合など、連絡先をさがす手がかりにもなります。
- L列(数量)---
同種の資産を複数個取得する場合には数量を記入するべきです。そのうちのいくつかを除却したり移転したりする場合は、一つの行で表示していた資産を複数行に分割する
必要が生じますが、その際に数量データによる按分計算を可能とします。
- AK列(摘要1)、AL列(摘要2)、AM列(摘要3)—
資産を長く使用する場合などは、摘要欄の1,2,3を活用し履歴を明らかにするなどのため使用できます。
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- M-Q列(取得価額増減欄)及びR列(帳簿残高列)---
M、N、O、P列には償却計算の過程で自動的に入力されます。Q列及びR列には式が入力されています。したがって、これらの列に入力してはいけません。
- U-Z列(企業会計における減価償却累計額増減欄)---
U列(償却月数)及びV-Y列には償却計算の過程で自動的に入力されます。Z列には式が入力されています。これらの列に入力してはいけません。
- AA列(企業会計における当月償却費)---
この列には当月末までの償却累計額と前月末までの償却累計額の差額が償却計算の過程で自動的に入力されます。この数字を用いて月次決算の償却仕訳を行ないます。
- AB列(税務計算における帳簿残高)---
税務上の未償却残高が償却計算の過程(税務計算は事業年度の最終月にのみ行なわれます)で自動的に入力されます。
- AE-AJ列(税務計算における減価償却累計額増減欄)---
AE列(償却月数)及びAF-AI列には償却計算の過程で自動的に入力されます。AJ列には式が入力されています。これらの列に入力してはいけません。
- AQ列から右、入力境界列の左まで—
これらの列にも償却計算の過程で自動入力されます。これらの列に入力してはいけません。通常は非表示にしておきましょう。
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