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報告書チェックのツボ

入力が終わっても経理は終わりません。実はそこから肝心な経理が始まるのです。3D簿記システムでは、数字を外部証拠によって固め徹底的に磨き上げるためのツールを用意しています。これを使いこなして監査人を圧倒しましょう。

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形式チェック

BSのAudit行

  1. BSの最下行の欄外にあるAudit行の数字がすべて0であることを確認します。「財表作成」の完了後にはBSのAudit行がいつも表示されますから、0であることの確認を習慣付けて下さい。BSのAudit行-預金出納帳列の数字が0になるということは、BKでの仕訳の借方と貸方がバランスしているということです。同じことが 振替仕訳帳列, 未払金元帳列, 売掛金元帳列 のaudit行に関して言えます。これによって、このエクセルによる会計システムが複式簿記の原理を維持していることが確認できます。
  2. 他方、ゼロバランスしない列があった場合には、その列に要約された数字の源泉についてのみ仕訳の妥当性、仕訳月の妥当性を調べればよいことになります。例えば、BSのAudit行-預金出納帳列がゼロバランスしない場合には、BKがその源泉ですから、BK上の仕訳や仕訳月の妥当性を再チェックします。

AP・ARのAudit行

 AP,ARの最下行の当月増減列欄外にあるAudit行の数字がすべて0であることを確認します。AP,ARは勘定明細でもありますから、これらのAudit行の数字が0になるということは、増減金額を含めて当月取引をその明細が仕訳通り表わしているということになります。これによって、このエクセルによる会計システムが3D簿記の原理を維持していることが確認できます。また、差異原因を常に究明し、相手先とのコミュニケーションをタイミングよくとることは債権の保全にもつながる重要な作業です。

 ゼロバランスしない列があった場合には次のような作業を行って下さい。差異の列によってチェック方法が違います。
  1. 月初残高列がゼロバランスしない場合

    これは前月までのデータを変更しなければ起きないことです。しかし、これが起きてしまった場合はその差異原因を突き止めなければなりません。この原因は次のいずれかです。
    • (1)前月までのデータのうち、仕訳月・支払月・仕訳金額のどれかが変更されてしまった場合、
    • (2)前月末残高を構成する行が削除されてしまった場合、または、
    • (3)当月挿入・入力したデータの仕訳月が前月以前でかつ支払月が当月以後の場合です。
    この場合は、先ず、日付設定フォームの現在月スピンボタンによって現在月を前月に変え、「並替」コマンドボタンを押して前月レポートを再現します。次に、これを前月の印刷済レポートと逐行で全数照合するのが差異原因の発見の近道です。発見したら、前月レポートと同じ状態に修正します。
  2. 当月増加列がゼロバランスしない場合

    仕訳での当月増加額は当月分の仕訳金額列の合計と当月分消費税の和です。他方、APやARの当月増加列の合計は仕訳月が当月である行の税込金額の合計です。したがって、差異原因の
    • 第一は、行計算がなされていない行がシートに含まれていること、
    • 第二は、シート最下行、当月取引合計行上の消費税セル(A)・仕訳金額セル(B)、または、シート最下行の上にある当月消費税合計行上の仕訳金額セル(C)の3つのセルのうちのいずれかの式が壊れていることに求められます。
    第一の場合は、「財表作成」の過程で、差異箇所はマゼンダ色で示してくれるので、その行の行計算を行って差異を除去し、もう一度「財表作成」を実行すればゼロバランスする筈です。

    第二の場合は、APシートの場合について考えると、最下行の行番号を1271と仮定した場合、
    (A)には =DSUM(APBOOK,"消費税",L1270:L1271)
    (B)には=DSUM(APBOOK,"仕訳金額",L1270:L1271)
    (C)には=M1271
    の式が入力されていることを確かめます。

    ARシートについては、最下行の行番号を524と仮定した場合、
    (A)には =DSUM(ARBOOK,"消費税",L523:L524)
    (B)には=DSUM(ARBOOK,"仕訳金額",L523:L524)
    (C)には=M524
    の式が入力されていなければなりません。

    式が上のとおりになっていない場合は、上の行番号を実際の行番号に読み替えて式を直します。
  3. 当月減少列がゼロバランスしない場合

    仕訳での当月減少額は、APではBKでの支払仕訳、ARではBKでの入金仕訳を反映します。その他、JVでの修正仕訳が関係することもあります。他方、APやARの当月減少列の合計は支払月または入金月が当月である行の税込金額の合計です。したがって、差異原因として、BKでの決済処理金額とAPやARでの決済金額の不一致が考えられます。

    これはAPについては、(1) Bkで1010とした取引項目のAPへの入力もれがないかどうか。(2)BKで1010とした取引項目に対応するAPの行の支払月列に当支払年月が正しく入力されているか。(3) もちろんAPでの個々の支払先についての消込金額がBKでの個々の支払先への振込金額と一致すること。以上の点をチェックして下さい。

    また、ARについては、①BKで30とした取引項目のARへの入力もれがないかどうか。②BKで30とした取引項目に対応するARの行の入金月列に当入金年月が正しく入力されているか。(3) Arでの個々の得意先についての消込金額がBKでの個々の得意先からの振込金額と一致するかどうか。得意先が銀行振込手数料を差引いて振り込むことが多いので、この点も考慮して下さい。また、消費税の端数処理を得意先が独自に行い当社の請求金額と一致しない場合もありますが、これは雑収入または雑損で処理します。

ANLシートのAudit行

  • 各勘定明細の月末残高が貸借対照表残高と一致していることを確認します。不一致の究明過程で仕訳修正が発生することはよくあることですから、この手続は省けません。不一致があった場合は、(1)各勘定明細の月初残高が前月末の貸借対照表残高と一致していることを確認し、(2) 3-3-5の手順をもう一度行い、(3)必要な仕訳修正を行います。

PPEシートとBSの照合

  • PPEは取得原価と償却累計額の明細表ですから、これらの金額が貸借対照表の月末残高と一致することを確かめます。取得原価が合わない場合は、当月取得または当月除却処理がPPEと仕訳の間で不一致であることを示しています。これは当月償却費が不正確であることにつながります。また、償却累計額の不一致は(1)当月の償却費計上が正しくない、(2)当月除却に伴う償却累計額の借方記入が正しくないことなどを示唆します。各月で正しく明細をあわせておきましょう。

BKの各行別残高とBS残高

  • BS上の預金残高とBKの各行別残高は一致する必要があります。これらの残高とBank Statement残高とのReconciliationも励行しましょう。

JVの合計行=0であること

  • JVの合計行=0であることは仕訳の貸借一致を意味します。不一致があれば3-3-4④の手続きを実行し、取り除いて下さい。

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