OOo会計のコマンド体系
- 下の図をご覧下さい。下半分の楕円に取引データがあり、上半分の楕円に会計レポートがあります。取引データから会計レポートを作るのが会計システムであることを示しています。したがって、レポート作成コマンドと印刷コマンドが会計システムの根幹になります。
- しかし、会計は批判に耐えるデータを表示しなければなりません。これを提供するのが勘定分析、Lenseジャンプ機能です。レポート作成が取引データから会計レポートに向かう作用であるとすれば、勘定分析は逆に、レポートからデータを指し示す作用と言えます。
- しかし、これだけでは日常業務の大半を占める取引データの入力が大変ですね。そこで、下の楕円の下に記した入力補助及び入力データ検証コマンドを備えています。
- さらにレポートや取引データをを見やすくするための表整形やデータ保護・解除のためのコマンドがあります。
- 3D簿記システムのコマンドはこれだけです。下記の図の小さい四角の中の赤いアルファベットで示す高々13のコマンドですべての会計作業をこなします。これらのアルファベットは左の目次各項目末尾のアルファベットに対応しています。では、これらの個々のコマンドで何ができるのか、どう使うのかを具体的に見ていきましょう。
OOo会計への入り口
OOoCalcのコマンドバー
- OOo会計を起動すると、OOoCalc画面上部に、上に表示した「OOoCalcのコマンドバー」が現われます。そのなかの「会計(A)」をクリックすると、右図のような会計コマンドメニューが開きます。
このなかから「レポート作成(R)」をクリックすると下図のような「レポート作成ダイアログ」が開きます。
このレポート作成ダイアログを開くには、Altキー、A、Rと順次にストロークする方法もあります(Windowsの場合。Linuxの場合はAltキーを押しながらAを押し、次いでRをストローク。いずれの場合も、以後、Alt→A→Rと表記します)。 - ・このダイアログ上の左側には「現在月」リストボックスと「開始月」リストボックスが配置されています。このうち、「現在月」リストボックスは当該事業年度の初日以後15ヶ月間の各月末日のリストです。
・他方、「開始月」リストボックスは当該事業年度開始日が属する暦年の1月1日から、「現在月」までの初日のリストです。複数の月にまたがる期間を対象として作業を行う場合、「開始月」リストボックスに表示されている日から、「現在月」リストボックスに表示されている日までを作業対象とします。1月1日を開始月として選択できるようにしてあるのは、法定調書合計表の作成が暦年ベースで行われるためです。例えば、「現在月」を12月31日にしてBSの預り金勘定について勘定分析を行えば、報酬・料金等にかかる支払金額や源泉徴収税額等の支払調書作成のためのデータが容易に得られます。「現在月」・「開始月」はダイアログを閉じても保存されます。 - このダイアログ上には「現在月」「開始月」の右側に4つのコマンドボタンが配置されています。左上から財務諸表作成ボタン、右上にキャッシュフロー計算書作成ボタン、左下に現在月単月を対象とする売上・原価対照表作成ボタン、右下に開始月から現在月までの売上・原価対照表作成ボタンがあります。これらを左クリックすると、そのレポートを作成するための集計作業を行います。これらのコマンドボタンの上にマウスポインターをかざすと、ヘルプの文言がポップアップします。
- 以下、これらのコマンドボタンをクリックして何が行われるかを見ていきましょう。
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3D簿記システムの各種のワークシートをBSとPLに統合しているのがこの財(務諸)表作成コマンドです。この頁冒頭のコマンド体系図では中央左に上向きの円柱として描かれています。
- BS, PLワークシートの金額欄は7つあり、左から、E列「当月末残高」、F列「当月取引」、G列「前月末残高」、H列「現預金出納帳」、I列「振替仕訳帳」、J列「買掛(未払)金元帳」、K列「売掛金元帳」となっています。財表作成コマンドはBS、PLの勘定科目ごとにBK, JV, AP,ARシートから当月分仕訳を集計し、それぞれ各勘定科目行の「仕訳の源泉列(H列からK列まで)」の各セルに転記する作業です。同時にG列「前月末残高」を更新し、これにH列からK列までの数字の合計であるF列「当月取引」を加えて算出したE列「当月末残高」をM列の右側にある該当列に転記する作業も行います。こうして転記された「当月末残高」がBS・PL「推移表」として蓄積されていきます。
・「当月取引」=「仕訳の源泉」列合計=[BK」列+「JV」列+「AP」列+「AR」列
・「当月末残高」=「当月取引」+「前月末残高」
当月分のBS,PLとはこの「当月末残高」のことを指します。この集計・転記機能はこの会計システムの大黒柱とも言える重要な機能となっています。
- 作成されたBS、PLに貸借アンバランスがあったときは、BSシートの最下部「Audit of Dr./Cr. Balance:」行の数字がゼロになりません。「仕訳の源泉」の各列の数字はBS・PLを通じてのひとつの大きな仕訳を構成していますので、「Audit of Dr./Cr. Balance:」行の4つの数字がすべてゼロであってはじめて、複式簿記の貸借がバランスすることになります。したがって、すべてゼロになることは締めの最低条件です。いずれかがゼロでない場合には、BK, JV, AP, ARのうちゼロとなっていないシートに移動し、各シート上の個々の仕訳につき次のチェックを行います。
- 入力された勘定科目コードがBS/PLワークシートに登録された勘定科目コードであるかどうか。
未登録の勘定科目を用いて仕訳すると、BS/PLワークシート上への転記場所がないので片仕訳となり、仕訳の貸借アンバランスの原因になります。この場合は、未登録勘定科目が入力されているセルの背景色をマゼンダ色に変えて、異常箇所を知らせます。
- 仕訳金額が税込金額から消費税額を控除した金額になっているかどうか
これも貸借アンバランスの原因のひとつです。この場合は、差異を生じさせている仕訳金額が入力されているセルの背景色を薄紫色に変えて異常箇所を知らせます。
- 多部門会計の場合、各部門への配賦金額合計が仕訳金額と一致しているどうか
いずれの場合も異常のあった行でチェック作業をストップします。また、異常が修正された箇所に薄紫の背景色が残っている場合にはチェック過程で脱色します。
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3D簿記システムの各種のワークシートを会計システムとしてキャッシュフロー計算書(CF)に統合しているのがCF作成コマンドです。
- CFワークシートの勘定科目ごとにBK, JV, AP, ARシートから当月分仕訳を集計し、それぞれCFシートの「仕訳の源泉列」の現預金出納帳(BKシート),振替仕訳帳(JVシート), 買掛(未払)金元帳(APシート), 売掛金元帳(ARシート)の各列に転記します。その結果、当月分のCFが作成されます。これもこの会計システムの大黒柱とも言える重要な機能です。
- CFでの集計方法を財表作成の場合と比較すると、BKシートについては同じですが, JV, AP, ARシートについては異なります。
まず、JVシートについてはC列(CF列)に”Y”マークを付けた行のみを集計対象にします。振替仕訳帳であるJVシートには減価償却費と償却累計額の仕訳を思い浮かべると分かるように、基本的にキャッシュフローに影響を与えない振替仕訳が入力されています。しかし、JVシートには、例えば、当月計上・当月支払が原則である給与仕訳のように、キャッシュフローに影響する取引も含まれています。このような仕訳には、”Y”マークを付ける必要があります。
この給与仕訳に含まれる勘定をみると、給与勘定は資金支出、社会保険料預り金、源泉税預り金、未払給与などはマイナスの資金支出(資金流入)としてCFシートに集計されます。これらのマイナス項目はBKシートにおいて支出が入力されることにより資金流出としてカウントされますので、例えば、未払給与はCFシートのBK列で資金流出、JV列で資金流入となり、結果的に相殺されて未払給与としてのキャッシュフローへの影響は除去されます。他方、給与科目等ではキャッシュフローの増減要因として表示されることになります。”Y”マークの付け方についてはさらに「入力の仕方」のセクションで詳しく説明します。
また、財表作成では買掛(未払)金元帳(APシート), 売掛金元帳(ARシート)の仕訳月が当月と一致している仕訳についてBS,PLに集計値を反映するのに対し、CF作成では決済月が当月と一致している仕訳についてCFに反映する計算が行われます。このようにAPシート、ARシートのデータ構造が3D簿記において直説法CF計算書を作成できる基礎となっています。
- 作成されたCF計算書の最下部「Ⅶ 現金及び現金同等物の期末残高」がBSの現預金勘定合計額と一致しない場合には、BK, JV, AP, ARシートに順次移動し、各シート上の個々の仕訳につき次のチェックを行います。
- 入力された勘定科目コードがCFシートに登録された勘定科目コードであるかどうか。
未登録の勘定科目を用いて仕訳すると、CFシート上への転記場所がないので片仕訳となり、預金残高増減額とのアンバランスの原因になります。この場合は、未登録勘定科目が入力されているセルの背景色をすみれ色に変えて異常箇所を知らせ、同時にその箇所でチェックをストップします。
- 前回までのチェックで着色されていたセルに付き異常が修正されている場合には脱色し、さらにチェックを進めます。
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このボタンをクリックすると現在月について、Project毎の売上高と売上原価を対照させた表をGLブック上のSvCシートに書込みます。プロジェクト別(JOB別)直接原価計算を行うわけです。この効用についてはプロジェクト別売上・原価対照表をご覧下さい。
このボタンをクリックすると開始月から現在月までを対象として、Project毎の売上高と売上原価を対照させた表をGLブック上のSvCシートに書込みます。プロジェクトはある月だけで終わらず、複数月にまたがる場合もありますので、このコマンドが利用される場面も少なくありません。
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- BS、PL、部門PL、CFシートは、通常、上の財表作成(R)のセクションの図のようなカタチをしています。この通常型の状態でこのコマンドを実行すると、この上の図のようにカタチが変わります。すなわち、「当月取引」列から前事業年度における当月対応月より前の月のデータ(上図例ではF列からX列まで)を非表示にし、前年同月から現在月までの13ヶ月間の数値(上図例ではY列からAK列まで。ただし、AA列からAM列は省略。)を表示します。BSシートのM列は前々事業年度最終月、N列からY列は前事業年度の第1月から最終月、Z列からAK列までが当事業年度の第1月から最終月までに対応しており、PLシートにおいても月と列の対応はほぼ同様です。この推移表表示・復帰コマンドは、これらのF列からAK列までのうち、該当列の表示・非表示を切り替えて推移表型にしたり、通常型に戻したりするコマンドということができます。
- 同時にA4の大きさに納まるよう表の拡大・縮小率を変更して印刷コマンドに備えます。この拡大・縮小率はBSシート、PLシートそれぞれのセルC4及びC5に記入してユーザーが指定します。C4には通常型の場合の倍率、C5には推移表型の倍率を試行錯誤で決めて入力して下さい。
- 拡大・縮小率がこの推移表コマンドによって変更されると、この拡大・縮小率はマクロの印刷コマンドからの印刷命令だけでなく、OOo表計算からの印刷コマンド(Alt→F→P)でも有効になります。ただ一つの違いは、印刷コマンドによる場合はマイナス表示の数値を黒に変えて印刷するのに対して、表計算印刷コマンドでは、赤は赤として印刷します。したがって、カラープリンタによらない場合は赤数字は薄く印刷されます。したがって、カラープリンタでは「推移表表示」コマンドを実行して表形式を変更後、表計算印刷コマンドを実行すれば、カラー印刷らしくなります。
- このコマンドはトグルします。つまり、このコマンドの実行時にアクティブシートが通常型であれば推移表型に変形し、逆に、推移表型であれば、通常型に戻します。
- このコマンドで推移表型に変更してから、通常型に戻すと、推移表部分は前年同月から当年現在月までの期間を表示した状態になります。したがって、作業対象月が変わったら、一度はこのコマンドを実行して、前年同月以後が表示される状態にして、財政状態・経営成績の推移を見やすくしておきましょう。
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このコマンドにより、会計レポートの各勘定科目についてその増減要因となった仕訳を逐一もれなくLenseシートに書き出すことができます。このコマンドを実行できるのは、BS、PL、部門PL、DPT及びCF(以下これらを総称して「会計レポート」と呼びます。)のどれかがアクティブのときに限られます。勘定分析は、以下のように
勘定科目の選択と
対象期間の選択をしてから、Alt→A→Qにより実行します。
勘定科目の選択
分析対象とする勘定科目の選択は会計レポートのどの行にカーソルを置くかで決まります。行が合っていれば列は無関係です。複数の行を選択した場合は一番上の行に対応する勘定科目だけが選択されます。
対象期間の選択
勘定分析の対象期間は、ひとつ又は複数の列を選択して決めます。したがって、勘定科目を決める行と対象期間を決める列・列範囲が交差したセル・セル範囲が選択されると勘定分析の準備が完了します。ひとつの列を選択すればそれに対応するひとつの月を、複数の列を選択すればそれに対応する複数の月を対象として勘定分析を行います。具体的には;
-
・単月分
- 会計レポートの推移表部分(N列から右側)で対象勘定科目がある行上で勘定分析を行う月に応じるセルをひとつだけ選択し、Alt→A→Qとキーストロークします。この場合は現在月に限らず他の月も選択できます。当月分については、「当月取引」列または、F列からK列までの列を選択しても分析対象が当月になります。
-
・複数月分
- (1)BS推移表またはPL推移表部分(N列から右側)で勘定分析の対象科目がある行上で勘定分析を行う複数月に応じるセル範囲を選択し、Alt→A→Qとキーストロークします。セル範囲を選択した段階で、表最下部のステータスバー右側部に「合計= 」として合計値が表示されますから、これを記憶しておき、勘定分析結果の合計値と照合することをお勧めします。
- (2)BSまたはPL上の当該勘定科目の当月末残高列(E列)をセル選択して実行することもできます。分析対象期間はつねに開始月から現在月までです。
- 過去のある月までを遡って対象期間とするには、Alt→A→Rによって表示されるレポート作成ダイアログ上の現在月を変更します。現在月を変更しただけでは当月末残高は更新されませんから、当月末残高に一致した勘定分析結果は得られません。現在月変更後に一旦財表作成を行えば一致させることはできます。当月末残高と合わせなくともよいならば、勘定分析目的の財表作成は省けます。
- この対象期間の開始月の指定は、Alt→A→Rによって表示されるレポート作成ダイアログ上の開始月ドロップダウンリストから選択して行ないます。
- (2)の方法はいろいろな勘定科目について次々と勘定分析をする場合に向いています。例えば、四半期、半期、年度決算などで全科目見直す場合などには最適です。これに対し、(1)の方法は財務諸表のレビュー中に目を引く変化の要因をちょくちょく確認する場合に適しています。二つの方法から状況に応じて選択し、ご活用下さい。
- 勘定分析の重要性に関しては、「3D簿記システムがめざしたもの」⇒「立証主義」の第2パラグラフ、「原始証憑との連絡性」をご覧ください。
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- このコマンドは「勘定分析」の後、Lenseシートがアクティブのときだけ実行できます。
- Lenseシート上で移動したい仕訳箇所にカーソルを合わせてからAlt→A→Jとキーストロークしてコマンドを実行します。カーソルの列位置は問いません。勘定分析により、仕訳の科目誤りや摘要の不要領などが発見されることはよくありますが、その修正のときなどは大変役立ちます。
- 複数月を対象として勘定分析した場合は仕訳箇所に移動しても非表示になっていることがあります。この場合は、手動(表計算コマンドのAlt→O→R→S)で再表示させます。シート保護状態の場合はAlt→A→Uにより保護解除をしてから手動で行再表示を行います。
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BK, JV, AP, ARワークシートについて取引データの並べ替えを実行します。
・BKシートがアクティブであった場合の並替順:
-
- 仕訳月→銀行コード→行番順に入出金取引データを並べ替えたのち、現在月分以外の取引行を非表示にします。通帳、当座勘定照合表、インターネットでの取引明細などの現在月分と照合しやすい順番になるわけです。
- 並替後のカーソル位置は、並替前に変更した行番の位置になります。例えば、行番123の取引を行番3に変更してその位置でAlt→A→Sを行うと、カーソル位置は並替後の新行番3の位置になります。すなわち、元の位置から上の方に移動します。
通常、データ入力は前月取引をコピーした後、前月データの行番に100番又は1000番上乗せするという繰越作業を行ってから開始します。そのうえで、前月データをなるべく生かすよう並替機能を使いながら行います。
具体的には、当月取引の入力は日付の若い順に行われますので、前月の取引のなかから当月に発生した取引を選び出し、その行番を若くして、その位置でAlt→A→Sとストロークし、その行を上に移動しながら行う方法をとります。したがって、前月の取引から上に取り出した新しい位置で日付、摘要、金額変更等の作業を継続しやすいような位置に並替後のカーソルがくるという流れになっています。
このような行番コントロールにより、大きな行番については未だ当月分処理が済んでいないという目印になります。
- 並替後には、行計算は行番変更前と変更後のうち若い行番の位置で行計算を行い、同時に、その行以下の銀行残高の再計算を行います。
・JVシートがアクティブであった場合の並替順:
- 仕訳月→行番→日付順に並べ替えた後、現在月取引のみ表示するよう現在月以外の取引行を非表示にします。
・APシートがアクティブであった場合の並替順:
-
- 決済月→相手先→A列の順に並べ替え、決済月が当月より前の取引につき相手先→仕訳月→A列の順に並べ替えて非表示にします。
- 決済月が当月以後の取引についても相手先→仕訳月→A列の順に並べ替えますが、その後、月初残高があるかまたは当月発生した取引のみを表示するよう行を非表示にしながら、月初残高、当月発生、当月減少、月末残高の各欄に税込金額を転記します。
- これは会社の主要な取引であるAPの勘定分析を自動的に作成していることになり、この会計システムの特徴になっています。この点については「3D簿記システムでの会計手続の特徴」のなかの「入力データの検証機能」をご覧ください。
・ARシートがアクティブであった場合の並替順:
- 上のAPシートについてと同様です。適宜APをARと読み替えて下さい。
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このコマンドは、アクティブシートに行を挿入する場合に使います。
アクティブシートがBK、JV、AP、ARの場合
- このコマンドを実行すると、アクティブ行(カーソルの合っている行)のすぐ下に行挿入し、同時にアクティブ行の内容全体を、挿入した行にコピーしたうえで、仕訳月を現在月に変更します。
- APシートからこのコマンドを実行した場合、仕訳月が現在月として自動入力されることはBK,JVについてと同じです。支払月は「Standard」マクロシートに記入したAP_Dueの値に応じて決まります。AP_Due値が1ならば現在月の翌月、2ならば翌々月、3ならば翌々々月が支払月セルに行挿入時に自動的に入力されます。この仕訳月と支払月をもとにして、「並替」コマンドの実行時に請求書金額が月初残高、増加、減少、月末残高欄に自動転記されます。
- ARシートからこのコマンドを実行した場合、仕訳月として現在月として自動入力されることはBK,JV、APについてと同じです。支払月は「Standard」マクロシートに記入したAR_Dueの値に応じて決まります。AR_Due値が1ならば現在月の翌月、2ならば翌々月、3ならば翌々々月が決済月セルに行挿入時に自動的に入力されます。この決済月は決済条件からみた入金予定月です。この仕訳月と支払月をもとにして、「並替」コマンドの実行時に請求書金額が月初残高、増加、減少、月末残高欄に自動転記されます。
- アクティブシートがJVシートの場合、挿入行以下の行番号がひとつ繰り上げられます。
- アクティブシートがBKシートの場合、挿入行に応ずる銀行勘定と同一銀行ブロック内で、挿入行以下の行番号がひとつ繰り上げられます。
アクティブシートがBS、PL、CFの場合
- このコマンドは新しく勘定科目を追加するために用いられます。Alt→A→Iにより、アクティブ行の勘定科目を表示する「勘定科目の新設」ダイアログが表示されますので、勘定科目リストボックスに勘定コード、税コード及び勘定科目名を上書きし、
転記ボタンを押します。
- アクティブシートが部門PLシート、DPTシート又はAvBシートである場合は、PLシートに移動してからこのコマンドを実行するようメッセージが表示されます。PLシートをアクティブにして勘定科目の新設をすると、これらのシート(PLグループ)に対して一括して勘定科目の新設が行われます。PLグループに属するシートはすべて勘定科目と行の対応が一致するように整合性を保つ必要があるため、このような一括新設の方法をとっています。
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このコマンドは4つのワークシート(BK, JV, AP, AR)から会計データを削除するとき、及び会計レポート(BS、CF、PLシートなど)から使用廃止による勘定科目の削除をするとき使います。
アクティブシートがBK、JV、AP、ARの場合
- このコマンドを実行すると、カーソル行を削除します。複数行が選択されている場合は一番上の行一行だけ削除します。同時に複数行を削除することはありません。
- アクティブシートがJVシートの場合、削除行以下の行番号がひとつ繰り下げられます。
- アクティブシートがBKシートの場合、削除行に応ずる銀行勘定と同一銀行ブロック内で、削除行以下の行番号がひとつ繰り下げられます。
アクティブシートがBS、PL、CFなどの会計レポートの場合
- アクティブシートがBS又はCFのとき、このコマンドを実行するとカーソルの合っている勘定科目の行を削除します。したがって、推移表部分に当年度の数字がある場合はもちろん、過年度の数字が記入されている場合も削除してしまいますので、注意が必要です。
- アクティブシートがPLシート、部門PLシート、DPTシート又はAvBシートである場合(PLグループに属するシートである場合)は、行挿入の場合と異なり(PLシートをアクティブにしなくても)、これらのPLグループに属するすべてのシートについて一括して行削除を行います。この場合も、BS、CFの場合と同じく、推移表部分の数字の存在に注意が必要です。
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アクティブシートがBK、JV、AP、AR、MWシートのとき、カーソルの合っていた行からスタートし、最終の当月仕訳行までの各行に関して次のチェックを行ないます。
下記のチェック項目をパスするとその下の行に移行しながらチェックを繰り返していきます。異常を発見すると、状況に応じたメッセージを表示し、その行でチェックを中止しますので必要な訂正を行い、その後、その行からチェックを再開して下さい。
- BS/PLに設定されている勘定コードかどうか
- 消費税額が税込金額の100分の5であるかどうか
- 「仕訳金額=税込金額-消費税額」が成り立っているかどうか
- 部門会計の場合、部門配賦金額の合計と仕訳金額が一致しているかどうか
- APやARで「数量×単価=金額」の形式を採用している場合、この関係が成り立っているかどうか
- APやARで「外貨×為替レート=円金額」の形式を採用している場合、この関係が成り立っているかどうか
- 「当該行銀行残高=直前残高+入金額-出金額-源泉税額-銀行手数料」の関係が成立しているかどうか
- 各現預金勘定の最終行について、BKシート上の現預金残高とBS上の現預金残高が一致しているかどうか
(ご注意)
- AP、AR、MWシートでは表の最終行に至る前に作業停止することがあります。これはその停止行が当月仕訳の最終行であって、それより下の行には当月分仕訳(チェック対象)が存在しない場合です。
- AP、AR、MWシートでは非表示行はチェック対象から除外します。したがって、現在月での並替を実行してからAlt→A→Vを実行する必要があります。
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BKシートがアクティブであった場合の行計算:
- アクティブ行に付き、消費税額を計算して、その消費税列セルに記入します。
消費税額の計算にあたっては、当該仕訳勘定科目に対応する税コード(BS又はPL上の勘定科目対応行のC列に記載されたコード)を参照し、次のように処理します。消費税確定申告書を作成するときは、仮払消費税と仮受消費税とは区別して扱わなければならないからです。
税コードが「T」の場合
-
- 算出された仮払消費税額を仮払消費税列に転記します。
税コードが「S」の場合
- 勘定コードが売上科目である場合は、ARシートにこの取引を入力するようメッセージを表示します。これは、売上取引は多くの属性の入力列をもつARシートへの入力が妥当で、在庫管理、顧客管理もしやすいからです。したがって、BKシートでは売掛金の入金取引が入力され、仮受消費税は生じない扱いになります。
- 勘定コードが営業外収益科目である場合、BKシートに「仮受消費税」列が設けられている場合は、そこへ仮受消費税額を転記します。
「仮受消費税」列が設けられていない場合は、アクティブ行のすぐ下に新たに行を挿入し、そこへ仮受消費税勘定による仕訳を入力するよう促すメッセージを表示します。営業外収益は売上取引とはむしろ別個に扱う方が合理的で、かつ、頻度も低いため、BKシートでの扱いが可能です。 税コードが「-」の場合
- 仮払消費税、仮受消費税の計算はせず、転記もしません。
- カーソル行に付き、仕訳金額=△入金金額+支払金額-消費税の計算・転記を行います。
- 仕訳月と銀行コードが同じ間だけ、行計算と残高再計算を各行につき上から下へ繰返し実行します。この残高再計算では銀行手数料及び源泉税額を反映します(行計算での仕訳金額では銀行手数料・源泉税額は反映しません)。
- 部門会計を行っている場合、カーソル行の勘定科目が配賦対象科目であれば、仕訳金額を各部門への配賦金額の計算と転記を行います。配賦ルールについては、こちらで詳しく説明します。
- 日付の下二桁が"00"の場合はその行の摘要欄に太字で「前月より繰越」と入力し、センタリングをします。
- 勘定コード欄が空白の場合は、仕訳金額欄を空白とします。
JVシートがアクティブであった場合の行計算:
- カーソル行に付き、仕訳金額=税込金額-仮受消費税-仮払消費税の計算・転記を行います。
- 勘定コード欄が空白の場合は、BS/PLに設定されていない勘定コードである旨、メッセージが表示されます。
- 部門会計を行っている場合、カーソル行の勘定科目が配賦対象科目であれば、仕訳金額を各部門への配賦金額の計算と転記を行います。配賦ルールについては、こちらをご覧下さい。
APまたはARシートがアクティブであった場合の行計算:
- カーソル行に付き、ARシートがアクティブのとき、仕訳金額=税込金額-仮受消費税の計算・転記を行い、(APシートがアクティブであれば、仕訳金額=税込金額-仮払消費税の計算・転記)。
- 勘定コード欄が空白の場合は、BS/PLに設定されていない勘定コードである旨、メッセージが表示されます。
- 部門会計を行っている場合、カーソル行の勘定科目が配賦対象科目であれば、仕訳金額を各部門への配賦金額の計算と転記を行います。配賦ルールについては、こちらをご覧下さい。
-
- カーソル行の仕訳金額を各部門に配賦するための基準は各部門の人数とします。これは各月毎にApportionシートに入力します。
- 配賦対象部門は、カーソル行の部門列に入力された数字により判断します。この数字は1(いち)でも構いませんし、前月取引データに入力されていた数字でも構いません。数字の多い・少ないは関係なく、配賦の対象部門だけを示します。
- この行計算コマンドは仕訳金額を配賦対象部門の合計人数で割り、各部門人数を掛けて、その部門への配賦金額とします。
- 例えば、仕訳金額500,000円、部門数が3、部門A:10人、部門B:15人、部門C:5人の場合、部門A列に1、部門B列に1を入力して、行計算を実行すると、部門Aには200,000円、部門Bには300,000円が配賦されます。部門A列に120,000円、部門B列に180,000が入力されていた場合も、同じです。したがって、前月同様の取引の場合は部門列の数字を変えることなく、Apportionシートで当月の各部門人数だけを更新することにより、人数割りの配賦計算ができます。もちろん、部門Aだけに配賦するには、部門A列に1その他の数字を入力し、部門B、部門C列は空欄にすればよいことになります。
- 前の例で、仕訳金額、部門数、部門人数を同じとして、部門A列に1、部門B列に1、部門C列に1を入力して、行計算を実行すると、部門Aには166,666円、部門Bには250,000円、部門Cには83,334円が配賦されます。部門A列、部門B列、部門C列に何らかの数字が入力されていた場合も同じです。
- 部門配賦金額合計=仕訳金額となっている場合には、再配賦計算をしません。 その旨メッセージを表示して行計算を終わります。
これは給与金額の配賦など直接に配賦金額を入力する場合、配賦係数による再計算によって配賦金額の上書きを避けるためです。メッセージが表示された場合に再計算が必要なときは、どの部門の配賦金額でも結構ですから1に変更して下さい。すると、配賦金額合計が仕訳金額と一致しなくなるので、配賦係数による再配賦計算を実行します。
- 配賦計算は四捨五入、端数は配賦対象の最終部門にシワ寄せする処理方式です。
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- カーソル行の消費税額をそのまま活かすことを除けば、「行計算 税有」の場合と同様に、アクティブシートがBK、JV、AP、ARのどれかに応じた仕訳金額の計算・転記を行います。
- アクティブシートがBKである場合の残高再計算も税有行計算の場合と同様です。
- 勘定コード欄が空白の場合の処理も、アクティブシートに応じ、税有行計算の場合と同様です。
- 部門会計を行っている場合、カーソル行の勘定科目が配賦対象科目であれば、入力消費税額を活かして計算される仕訳金額に基づき、各部門への配賦金額の計算と転記を行います。配賦ルールについても、こちらと同様です。
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- Alt→A→Cにより、右上図のようなダイアログが表示されます。このコマンドは、カーソル行に入力されている勘定コードをもとに、対応する消費税コード及び勘定科目名を表示します。
- この勘定科目名リストボックスの右側の「v」ボタンをクリックすると、BS及びPLシートに記載されたすべての勘定科目名が表示されます。その中から、適合する科目を選択してダイアログ右側の
ボタンをクリックすると、その勘定コードをワークシートに転記します。転記場所はワークシート上の、カーソル行上の勘定コード列セルです。
- その右側の
ボタンをクリックすると、カーソル行の仕訳を(借方)(貸方)形式で表示します。但し、JVシートは(借方)(貸方)形式になっていますから、このコマンドは実行されません。
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- このコマンドをAlt→A→Pによって実行すると、アクティブシートを印刷します。印刷前に実行することは;
・印刷範囲の設定
・マイナス数字について、カッコ付き赤字表示をカッコ付き黒字表示に変更すること。これにより、白黒印刷でマイナス数字がくっきり印刷されるようになります。
- それ以外の印刷指定、例えば次のような指定は行いませんので、これらをユーザーが表計算コマンドから指定した場合、その指定はそのまま生かされます
・上下左右のマージン
・拡大・縮小率(下記「例外1」参照)
・縦横の配置
・ヘッダーやフッターの変更(下記「例外2」参照)
・繰返し印刷する行の変更
- (例外1);
上の「推移表表示・復帰(T)」で記したように、BS、PL、部門PL及びCFシートについては、推移表表示の切替時点でマクロが拡大・縮小倍率を変更します。 - (例外2);
BK、JV、AP、AR、ANL、SvCシートの右側ヘッダー部の日付は「レポート作成」ダイアログ上での現在月変更に連動して、これらのシート内容とは無関係に、自動的に変更されます。したがって、
- 現在月としての並替が済んでいない
- 現在月の勘定分析シートが完成していない
- 現在月での売上原価対照表作成が済んでいない
場合であっても、これらの6つのシートのヘッダー日付は最終変更時の現在月末日に変更された状態になっています。したがって、Alt→A→Pによる印刷実行・中止メッセージのなかで現在月の確認が促されますので、現在月とシート内容が一致しているかどうかを確認して、印刷OKボタンを押すようにしてください。
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- このコマンドを実行すると、アクティブシートがシート保護状態であれば、アクティブシートを非保護状態に変更し、逆に、非保護状態であれば保護状態に変更します。
- このように、アクティブシートのみを対象として保護⇔非保護と切り替えるのが原則です。しかし、部門別会計の場合はPL及び部門PLシート(以後「PLグループシート」と呼びます。但し、部門要約表(DPT)シートは含まないことにご注意下さい。)を対象として保護⇔非保護切替を一括して行います。PLグループシートの保護⇔非保護切替を実行する場合のアクティブシートはPLグループシートのどのシートでも構いません。例えば、A部門、B部門、C部門の3つの部門がある場合、アクティブシートはPLシートでも、A、B、Cのどの部門シートでも構いません。
- シート保護は、他のコマンドを実行したときに付随的に実行されることがあります。例えば、財表作成実行後はBSとPLグループシートが保護状態に、また、CF作成実行後はCFシートが保護状態になります。売上・原価対照表作成、並替、推移表表示・復帰、行挿入、行削除、印刷、データ整合性チェックの後も保護状態となって、コマンド実行を終えます。これらのコマンドのすべてが表の書換えを含んでいますので、まず、非保護にして作業を行い、最後に保護状態にしているのです。非保護状態からこれらのコマンドを実行した後で、保護状態になっていることに気づき、多少、わずらわしさを感じられることもあるかもしれません。しかし、意識してデータ入力・修正する場合以外は、なるべくデータを保護状態におくこととのトレードオフを考え、経験的にこの方法をとることにしたものです。
(補足)
この「シート保護・解除(U)」コマンドはこの3D簿記システムのために作られたマクロによるコマンドです。しかし、このマクロを作動させなくてもAlt→T→P→SというOOoCalcが既に備えている表計算コマンドによっても、シート保護または解除をすることができます。この場合要求されるパスワードとしては、どのシートについてもアルファベット小文字で「pwd」です。ただし、この表計算コマンドによる保護または保護解除の対象はアクティブシートだけである点がこの3D簿記コマンドと異なります。(追加:2013年8月14日、16:22)
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