暴走無人ボード  by Cozaさん

 

 

先日、無人で暴走するスノーボードを捕まえました。

中級コースを滑っていると、颯爽と無人スノーボードが私を追い越していきます。
振りかえれど誰も追いかけていないので、私がその無人板を止めることにしました。
板のみとはいえ、人にぶつかれば怪我を負わせるだろう速度。
躊躇している余裕は、なし。

正直、自分の乗るファンスキーの性能を信じていなかったので、捕まえるのは無理だと思いました。
しかし、運良く、私ごときの足前でも追いつきました。
そこで無人板の行く先を、コース右側の、コース外の林に決定。
同じ速度で追いかけながら、直滑降をしたがる無人板に、自分のファンスキーを押しつける。
私の板(BigFoot)の高めのシャベル部分が、無人スノーボードの左側エッジを持ち上げると、
自然に無人板の右側エッジがかかり、右を向きながら減速。
念のため、10mほど先行してからはじめて、ゆっくりと振りかえる。
すると気勢をそがれてゆっくり漂う無人板。

捕まえて観察してみると、板にはリューシュコード(流れ止めのヒモ)自体ついてない。非常識!
持ち主に、小言の一つも言いたくなったが、衆人監視のなか歩いて板を拾いに来ることがすでに天罰だろうし、歩きながら反省するだろうと信じて、板をコース外の雪に立ててから去りました。

 

 

よって、今回は運よく実害はありません。
「Crazy for Snow」の読者なら、わたしと同じ状況にあれば、
安全のため似たような行動をとってくれるでしょう。
そこで、提言というか、おねがい。

もし同じ状況に陥ったなら、無人板は止めてください。
コースの端で座る人や、ゆっくり滑る子供から見れば、
速度が自転車程度とはいえ、落ちてくる物に当たるのは危険なことです。
無人ではありませんが、スノボのエッジによる子供の死亡例もあるくらいです。

無人板を捕まえるのは簡単です。
捕まえるときは直接、板に手を出すのは危険でしょう。
すべりながら手を下ろすと、バランスが崩れやすくなりますし、
止める為に使える時間はそう長くないとおもいます。
可能な限り足を使って安全に、一回で止まるようにしてください。

目の前に人がいるような最悪の場合は、飛びついてでも体当たりしてでも止めねばなりませんが…
そうでなければ、キチンと止めることも重要ですが、無理せず板の「減速」or「方向転換」を目指してください。
板がどこに行くか心配だとか、持ち主のことは二の次です。

 

※ 但し、貴方が触って向きが変わった板が、人身事故を起こした場合。
  貴方も過失が問われる可能性があります。その点は留意してください。

 

 

僕らがゲレンデにある危険な出来事を、なんとか回避する手段があるならば、できる限りの努力をすることが僕も必要だと思います。

不作為の行為という言葉があります。何もしないということ自体が、何もしなかったという行動になるのです。

けれども、2次災害となるような自分も怪我をするような場合は行動を避けるべきです。(例えば、雪崩なんかもそうですね) また、行動をするにも、冷静な判断が必要だと思います。一瞬のうちにすべてを判断するのは難しいけれども、その時の最善の方法を判断して行動をしたいものです。

今回は、内容的に、なんの解説やコメントが必要ないほど、具体的なお話だと思います。

Cozaさん、ご投稿いただきまして、大変ありがとうございました。

 

 

CozaさんのHPはこちらです→ コザシキ

2001/3/29