雪道の話・・・  by 週末は山ノ内町町民さん

 

 

 雪道での危険な経験ですか・・・数え切れません。スピンも1回や2回じゃないし・・・。(^_^;)
 で、経験談的に思いつくまま書きますが・・・

1.ウィンドウオッシャー液

 通常のウオッシャー液は、たとえ原液でも氷点下になったら危ないです。以前、スキーに行く途中、早朝の東京近郊の高速上でウオッシャー吹いたら、フロントガラスが凍結し、一瞬で視界が奪われ肝を冷やしました。また、エンジンルーム内のタンクは液体なのに、ノズルが凍結して前車が巻き上げる泥水に視界が効かず、危ない思いをしたことも(雪の東京近郊の高速上) 高いモノではないので、冬場はやっぱりー30度対応が基本でしょう・・・。

2.ウィンターブレード

 同じく視界関係では、降雪時にはノーマルワイパーは凍結して浮き上がり、役に立たなくなることが・・・。 最低、運転席側だけでも良いから、ウインターブレードにするだけでぐっと安心感が高くなります。

 厳寒期の志賀では雪用ワイパーは必須です。ノーマルワイパーはいとも簡単に凍り付き、ガラス面から浮き上がって役に立たなくなります。(何度コワイ目にあったことか・・・)

3.オイル

 オイルも固いのはダメです。厳寒期の志賀では、地形的な問題で、局地的には−25度を簡単に下回ります。固めのオイルは半分凝固して、エンジン始動が厳しくなります。
15W−XXではおそらく固過ぎ。10W−XX以下がベターです。

4.チェーン

 私は、雪道はスタッドレスタイヤ等の雪道用タイヤで走るのが原則で、チェーンは非常用の代物だと考えています。

 時々、主として経済的な理由から、夏タイヤ+チェーンでスキーに行く方を見かけますが、チェーンは金属・非金属を問わず、安全面もさりながら、長距離を走る耐久性や一定以上の速度でのドライ路面の性能はです。

  例えば、東京から志賀に向かう場合、好天に恵まれれば、スタッドレスやチェーンが必要な雪道は湯田中から先の、せいぜい20〜30kmの距離だけです。この程度の距離なら、チェーンの耐久性やドライ性能が問題になることは無いかもしれません。

 しかし、一旦大雪が降れば、軽井沢から延々と100km以上の雪道走行を強いられます。100kmをチェーンで走るのはかなりつらいと思います。夏タイヤ+チェーンではスピードは上げられないし、無理して上げると、チェーン切れの危険性が高くなります。もし切れてしまったら、雪道を行くも戻るも出来なくなります。

 もちろん、滅多に雪が降らない、降雪機主体のスキー場以外行かない!という方は、夏タイヤ+チェーンでも良いとは思いますが・・・。

  4駆でも、タイヤがオフカン車で良く見かける「オールテーレン」とか「オールシーズン」は、ほとんど役に立ちません。(これでスタックしたオフカン車を何度救出したか・・・)

 

5.除雪車

 雪道で、除雪車が前を走っていたら、「ラッキー!」じゃなくて、気をつけなくては行けません。
路面表面の雪が取り去られ、硬いアイスバーンが露出していて、ツルツルになっています。

 また、除雪車が見えなくとも、路面が除雪したてに見えたら要注意。カーブを曲がったとたん、目の前にそれがいるかもしれませんし、対向車線を戻ってきてるかもしれません。しかも路面は先述のとおり、ツルツル・・・。

6.ABS・・・

 ABSは雪道では制動距離が伸びると思っていた方が正解です。圧雪路では、タイヤがロックして雪をラッセルする状態になった方が早く止まるともいわれてますし、ABSだから安全と思わず、雪道に入ったら、早めに前後が安全なところで急ブレーキを踏んで、感触を体感しておく方がよろしいかと・・・。

7.駐車時

 それから世間でよく聞くセオリーに、「駐車時にエンジンを風上に向けない」というのがありますが、私はこれは無視しています。理由は風向きは変わるものであることと、もし風向きを気にして「前進駐車」で駐車スペースへ入れてしまうと、バッテリー上がりの時に救援車からのブースターケーブルが届かなくなります。通路側にエンジンルームを残せる「後進駐車」がベターです。

 またFWD(FR)車の場合、後進駐車には別のメリットがあります。万一駐車中に大雪に遭い、車が埋もれてしまった場合、駆動輪が通路(大概除雪してある)に近いので脱出が容易になります。

 しかしFR車の場合、バッテリー上がりを重く見るか、脱出を重く見るか、難しいところです。(^_^;

8.車中泊

志賀で車中泊すること自身、私は絶対勧めませんが(気温低すぎ)、特にエンジンかけっぱなしは自然破壊以前に、もし就寝中にドカ雪にあったら、排気管が埋まって排ガス中毒で、あの世行きになります。

9.常に「万一」を考えましょう。

 他の方も書いてますが、私も雪道には十分な装備が必要だと思います。常に「万一トラブったら・・・」を考えて、どうしたら「助けてもらえやすいか」を考えています。 したがって交通量や沿線に人家の少ない抜け道の類は、日没後は出来るだけ通らないようにしていますし、夜間の移動の場合は、どうせ空いているのですから、遠回りでも幹線道路を行く等、リスクの少ないルートを考えています。

 

 

ABSに関しては、結構誤解が多いものかもしれません。
あまりなれていない人は知らないのですが、
圧雪した雪道では、タイヤがロックした方が制動距離が短いのですね。
だからといって、
ABSがない方が安全だとは書いてありません(こういったことはやっぱり状況によるんですね)
雪道に関しては、本当に様々な状況で危険があると思います。
前もって様々な危険な状況の対処法を知り、リスクを避けることが、安全にドライブする基本になるのでしょう。。。

また、チェーンに関して加筆していただいて、本当にありがとうございます
実際、志賀高原への道の途中、チェーンが切れてしまった車(それもベンツ)が、人里離れた道路上に放置されたままでした。
スタッドレスがない場合、チェーン切れは、ほんとうに行くことも引き返すこともできません。
坂道に取り残されて放置された車に降り積もる雪が、何かを物語っていたような気がします。

週末は山ノ内町町民さんには、自然環境がとても厳しい、冬の志賀高原での体験を中心にして、書いてくださいました。
ほんとうにありがとうございました!

by Snowman-Yukio

 

2000/2/28 アップ

 

 

2000年12月29日加筆  週末は山ノ内町町民さん

 志賀ネタでは書き忘れたことが一つありまして・・・。それは、深夜着の半泊を狙う場合は、宿は必ず国道(または奥志賀への県道)沿いにあるところに限る、ということで。

 長野オリンピックの年、夜半着で志賀に向かったところ、猛吹雪に遭いました。オリンピックのおかげで夜中にもかかわらず国道は除雪が行き届いており、視界が10mとないことを除けば何とかなったのですが、国道から外れた宿への枝道に入った瞬間・・・ 道がありませんでした。

 それでも、路肩を示す竹竿を目印に突き進みましたが、あと100mというところで、ついにエンスト。車を降りてみると、バンパーの上まで雪が来ていて、その抵抗で進めなくなっていたのです。260psの馬鹿力にもかかわらず・・・。

 そこからバックして戻るときの怖かったこと。もしスタックしたら、この深夜、誰が助けてくれるだろう? 不安で不安で仕方がありませんでした。

 「たった100mなら、車を捨てて歩けるじゃないか?」と思われるかもしれませんが、同乗の友人含め男3人、誰一人としてそんなことを言えないほどの猛吹雪でした。

 結局、下山して、深夜の湯田中で宿泊施設を探す羽目に陥りました。そしてその夜の猛吹雪は、翌日天候が回復したにもかかわらず、予定されていた男子GSを積雪によるコースコンディション不良により、延期に追い込んだのでした。

 


 

週末は山ノ内町町民さんには、もとあるHP上の文章に追加するということで、加筆をお願いしました。

すべての話が、実体験や様々な経験を元に書かれておられるので、たいへん説得力のある文章だと思います。また、知られていない危険性としても、大変参考になる貴重な話もあります。ぜひとも、雪のある地方に行かれる方には、参考にしていただきたいお話だと思います。

週末は山ノ内町町民さん、なんどもお願いをしまして、大変申し訳ありませんでした。
そして、こころよくご協力いただきまして、ほんとうにありがとうございました

by Snowman-Yukio

 

2000年12月29日加筆