4WD車の車両火災の危険性
新聞とJAF、そして運輸省(現・国土交通省)からの情報を元にアップしてあります。
資料やデータは、国土交通省HPからのものです。
もう知っておられる方もたくさんおられると思いますが、2000年の年末頃に運輸省(現・国土交通省)から、マスコミを通じて「指定外のタイヤを装着した4WD車の車両火災が発生している」との発表がありました。その時だけの一時的なニュースで、もうすっかり忘れ去られてしまっているかもしれませんが、あらためてここでその車両火災の危険性に関して取り上げておきます。
4WD車は、指定外のタイヤを装着した場合、デフ(ディファレンシャルギア)が異常加熱して、ひどいときは焼き付いて走行不能になったり、最悪の場合は発火して車両火災につながることがあるようです。
これは、指定外のタイヤを装着することによって、前・後輪の径が異なるために回転差が発生し、ギア内に過大な負荷がかかり、その負荷が摩擦熱となって、高速道路などや一般道路での走行中にギア内が異常加熱して、デフの焼き付きによる走行不能や、発火による車両火災へとつながることがあるようです。
ちなみに、後部のデフの付近には燃料タンクがあることが多く、後部デフからの発火は、後部デフのみの焼損だけでなく、燃料タンクに引火して車両火災となってしまう可能性が高くなると思われます。
ディファレンシャルギア(differential gear)
コーナーリングの際、内側の車輪と外側の車輪の軌跡の長さに差が生じるため、
左右のタイヤに別々に力を加える構造のこと。4WD車の場合、前後に取り付けてある。
(この説明がまずい場合は、どなたかアドバイスをお願いします!)
そういった、4WD車の火災の発生を防ぐためには、以下のような事に注意する必要があるようです。
1. 前・後輪それぞれに、自動車メーカーが指定したサイズを使用する。
2. タイヤのメーカー、銘柄、パターン(溝模様)を、四輪とも同一にする。
3. 摩耗差の著しいタイヤを、混ぜて使用しない。
4. タイヤの空気圧を、指定空気圧に調整する。
5. 応急用スペアタイヤは、自動車メーカーの指定した位置に装着する。
6. 冬用タイヤを装着する時も、1〜4に注意する。
運輸省(現・国土交通省)のHPの資料にあるのは30件の報告です。(氷山の一角かもしれないですが)
実際に、指定外のタイヤを装着したことによる、不具合発生事例を引用しておきます。
前輪に指定外のタイヤを装着した事例 走行中に振動、異音が発生し走行不能。 145SR12→135SR12 走行中、後部デフなどが焼損。 195/70R14→195/65R14 高速走行中、前部デフが焼き付き発煙。 195/70R15→195/65R15 前輪に指定外のホイールを装着した事例 高速走行中、前部デフが異常発熱し床下より発煙。停車後に全焼。 後輪に指定外のタイヤを装着した事例 走行中、前部デフが異常発熱し発煙。停車後全焼。 205/70R15→215/65R15 前輪と後輪タイヤの銘柄の相違、著しい摩耗差のタイヤを装着した事例
走行中、後部デフから発煙。 応急用タイヤを指定外の前輪に装着した事例 走行中、後部デフから出火。 後輪に指定外の冬用タイヤを装着した事例 走行中、後部デフから出火。 205/50R16→205/60R15
なお、これらの情報は、国土交通省のHPにある、旧運輸省記者発表事項(平成12年分)に掲載されています。
以下に、ダイレクトリンクを貼っておきます。
旧運輸省記者発表事項 (平成12年12月25日付)
指定外のタイヤを使用した四輪駆動車(4WD)で、車両火災が発生しています タイヤ交換に注意が必要です!
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知っておられる方も多いと思いますが、この記事が誰か一人だけにでも、お役に立てたらうれしいものです。。。
Snowman-Yukio
2001/6/24 アップ