人ってあたたかい

 

スキーを初めて間も無いころは、高速でスキーに行っていました。
金が相当かかるため、一般道を地図で探していたところ、丁度好い道があり、チャレンジしてみた。
当然、初めて通る道の為、スタンドで色々と教えてもらい、いざ山越えへ。
聞いてはいたが、
「こりゃすごすぎるー」 狭い道だ
曲がり角では、帰りの為に目標を確認しながら進み、なんとかスキー場現着。
簡単に着いたように書いたが、色々もっとあったんですよ^^;
夜中にだれも通っていない山道。それも初めての道。この先道があるかなと思いつつ(恐怖)

いっぱい滑り、温泉にも入り、あーあさっぱりしていざ帰路へ。
この時17時ぐらいか? まだ明るかった。
きた道を帰ればいいや、と軽く考えていた能天気なpokari。
スキ―場から町の方へ下り始め、道が二手に分かれている。
標識が有り、それも両方とも同じ地名なんですよ。
文字の大きさが違うが、迷わず小さな字の方へ行った。
これがそもそもの間違いの始まり始まり。
なんと、除雪のしていない道だったんよー。
でもワダチがある。雪の中にうっすらと車のタイヤの跡もある(確信!!)
通れるなと思い、車を進める(戻れよ^^;)
車は4WDカルディナだ!!行ける絶対。テクニックもある(おいおい)
あ〜脱輪だ。車亀状態(とほほ)
チェーンを巻こうにも、亀じゃ無理無理。
やってもうたー あとのま・つ・り じゃー

やっぱりいました、自分と同じに迷い車が。
あれれ、通れないと見るや、バックUターン おいおい誰かー。
でも一台天使がいました(^。^) (家族づれですが)
奥さんがpokari車を運転、旦那とpokariが押す押す(男が二人で雄雄) バシッ(-_-;)
出ないですゥ (;O;)
あたりは暗くなり、スキー場のナイター照明が綺麗。うぁ〜
丁寧にお礼をして、JAFを呼んでもらうことにした。
車の中に一人で待つ寂しさ。。。
「先ほどの夫婦は、本当にJAFに連絡してくれたのだろうか?」
そんな疑問ばかりか゛頭に浮かんでくる。すごく不安でした。
ヒーターを全開にしても、震えが止まらないんですよ。

時間にして30分ぐらいでしょうか?
JAFを待っていると、後ろに車の明かりが
「あ〜救助隊じゃ〜」
と思い、外に出て(夫婦を疑った自分が情けなかった)あかりの方へ行くと、
なんと、脱輪したレガシーではないか。
話を聞くと、ワカサギ釣りの帰りの迷い車だった。
その人には、
JAFを呼んであると説明し、待ちました。
が、いざJAFが来て見ると、
「雪が深くトラックが入れない」と言われ、救助断念。
そして、
「ブルか除雪車じゃないとむりだべ」と言われ、
しかたなく、近くのコンビニまで乗せてもらい、出張費を支払いました。(その間5分)
ブル1台十万円だそうです。

「明日の朝までここにいなくちゃいけないのかな〜」と思っていると、
レガシ―の人は地元であり、
この町に知り合いがいるから相談してみると言い、電話した。
でも、電話番号が判らないらしく、電話帳で調べるそうです
(わかんのかよ?^_^;)
私の心の叫びが聞こえたのか、
「この町に数軒しかないから大丈夫」と、力強いお言葉。
そして、
なんと二件目で的中でした〜(^。^)
待つこと20分、知人が到着。
(あ〜これで帰れるの?)
その人が地元の友達(農家)に行き、
乗用車を田んぼから出してくれとお願いし、トラクター出動。
(ちなみに、トラクターは飲酒運転でした^_^;)
その農家は、自分達の車から直線距離で500メートルしか離れていなかった。

それは、な、なんと、フォードの4WDトラクターだ!!
「あんたら、なんでそんなとこ行ったの」とひとこと言われ、作業開始。
積雪1メートルはあるような田んぼの中を、除雪しながら進むトラクター。ではなくだった)
「トラクターも雪にはまったらドウスンデスカ?」と僕が聞いたら、
「もう一台持ってくるさ」と軽くおっしゃった。あらまー^_^;

作業は一時間ほど続き、無事に二台とも救出に成功。(やったー。やったよ!)
このときすでに21時30分。
とりあえず、2台分でお礼として1万円を渡すと、
「友達の頼みで金なんかもらえねー」と怒られた。(やっぱ会津の男は寡黙でかっこいい)
でもやっぱりと思っていると、トラクターを頼みに行ってくれた人が
「うまい和牛と酒があればいいよー」
と言ったので、あれっ?と思ったら、レガシーの人は食肉センターに勤務してるそうで、納得。
レガシーの人に5千円を渡して、二人でコーヒーを飲み、自宅までの無事を願いつつ帰路につきました。

あの寒い夜に、ほんと馬鹿者のために活動してくださった人たちに、感謝の気持ちでいっぱいです。
思い出すと涙が出てきます。
自分の回りには沢山の人がいて、なんかしらつながりがあって支えあって生きているのですね。
周りの人をもっと信じなきゃいけないと思います。

人ってあたたかい

以上、福島県会津地方での出来事でした。

あれから5年の月日が経つのでしょうか?
いまでもその道を通り、スキー場へ行き来しています。
その脱輪した道の側を通るたびに、
あの時の自分のとった行動を反省し、そして人の暖かさを感じています。

 

 

pokariさんの初エッセイです
独特な文章のスタイルはなかなか味がありますね〜!
このエッセイはBBSに書いてあったものを加筆していただいてエッセイ化したものです
pokariさん、ありがとうございました             
 1999年3月アップ