'99−'00シーズンのまとめ





 この99−00シーズンは、本当に忙しかったです。冬のシーズンに入る前に「雪の危険な体験談」を募集してからというものは、本当に大変だった。冬の間はホームページを捨てて滑りまくる予定だったのですが、やっぱり、僕のHPを読んでくれた人が、たとえ一人でも怪我をする確率が低くなったり、怪我をしないですむなら、睡眠時間や自分のフリーの時間を削ってでもする甲斐があると思って、こつこつとがんばってアップしてきました。読むのは一瞬ですが、作るのにはかなりの労力をかけています。だから週末はスキー、平日は仕事+HPの更新作業の繰り返しで、シーズン中は毎日必死ですごしていました。我ながらよくがんばったものだと思います。ほんと自分で自分をほめ倒したい(笑)

 でも、ここだけの話ですが(どこがやねん(^^ゞ)危険な体験談をアップしている本人が、一人スキーに行くとき片道8時間前後かけてスキー場を往復するときに、日頃の過労と睡眠不足のおかげで、何度行き帰りの高速のガードレールに突っ込みそうになったか。いつもいつも睡眠不足の状態の毎日だったので、よくいねむり寸前で走っていました。時速130km前後で走っているというのに、最悪なときは頭がかくんと落ちるほどの居眠り状態だったり。。。 さすがに自分でびっくりして起きるものの、数十秒後にはまたかっくんと。。。 それを3、4回繰り返してなんとかパーキングにたどり着き、すぐに眠りに落ちました。

 疲れをとる暇もない毎日の繰り返しなので、いくらタバコを吸おうが、最終的にはタバコの火を手に当てたりしても、急激な眠気にはほんとうに負けそうでした。何度自分の顔面を殴ったか(苦笑) だから単調な高速道路はあまり好きではないのです。前のシーズンもそうでしたが、このシーズンもよくもまぁそんな繰り返しで、よく生きてシーズンを終えれたものだと思います。(絶対にまねしないでくださいね)でも、ほんと、今シーズンは本当に忙しかった。休む間なんて全然なかったような気がします。仕事も、HPも、スキーも。でも、1級をとるという当面の目標は達したので、来シーズンからは、もう少しまともなスキーライフをおくろうと思っています。命あってのスキーです。もう、命がけのドライブはたくさんです。


 先日、とある人に「よくそこまでがんばれるもんだなぁ。でも、そこまでひたむきにスキーに打ち込めるって、普通はなかなか難しいことだ」と言う言葉をもらいました。その言葉の通り、何かに夢中になれば、僕は他のことはもうすっかり忘れてしまいます。生活や仕事や恋や(笑)、自分のことさえも忘れて、ひたすらスキーに打ち込んでしまうのです。気がつけば生活も、体力も、財力も車やスキー道具まで、何もかもボロボロ。滑っているときはいいのですが、ちょっとそのあとが大変ですね〜(苦笑)

 でもやっぱり、そんなひたすらスキーに打ち込む生活は、毎日がすごく充実します。毎日の生活をぎりぎり精一杯にすごしている、その充実感。そしていざスキーへ出かけたら、自然と雪の世界のすばらしさがまっているし。また、スキーを通してのたくさんの人との出逢いもありました。さらに、お金では絶対に買うことが出来ない、たくさんの大切な経験ができて、冬の間のスキー一色の生活は、すごく自分にプラスになっていると思います。スキーが与えてくれるもの、それは本当に不思議な世界。数多くの普通ではありえない出逢いと、心あたたまる想い出の数々を与えてくれて、ほんとうに、スキーをしてきてよかったなぁって思ってしまいます。


 でも、スキーを始めてから、どうしてここまで不思議な事が多く続くのかなぁと思うことが多いです。先シーズンの事は、もうエッセイでアップしていることが多いので省略しますが、今('99-'00)シーズンの不思議なことは、シーズンはじまる前にスイス往復チケットをスキー関係でゲットしたことからはじまりました。これは、とある大会で40分の1、いわゆる3%以下の確率で得たものでした。これはものすごくラッキーなことでした。

 そしてシーズンがはじまったら、ネット上で知り合った、見ず知らずの顔も見たことのない方からのお誘いで、なんと青森スキー4泊5日の旅(笑) 初対面ばりばりで、その方の自宅に3泊泊まらせてもらい、お知り合いの元青森県デモの方に、たくさんの小さな小学生にまじって僕もスキーの指導を受け、おなじ日本語なのに、ほとんど理解できない津軽弁に目を白黒させ(会話の9割以上の単語が理解できない(;^_^A)、夜はゲレンデから夜の街へと移動して、夜の街をするどくカービング&小回りすることを教わって、時には仕事を手伝うことになったりして(笑)、たくさんの良い思い出を作って帰ってきました。

 また他にも、3通りもの偶然のつながり(ネット・仕事・友人関係)から、金子裕之デモンストレーターの弟さんである貴夫さん(昔雑誌にもよく出ていた方です)とも知り合いになりました。そして知り合って一ヶ月後には、実家(ホテル金甚)に泊めていただき、金子デモや貴夫さんと一緒に滑るという貴重な経験をすることになりました。
(このときに 「安全にスキー・ファンスキー・スノーボードを楽しむために」の話を聞きました)

 それと、静岡ラジオ(SBS)放送のスキー、スノーボードの番組「SNOW JAM 2000」をしていたアナウンサーの方より、ラジオ番組でこのつたないHPを紹介させて欲しいという内容のメールが届きました。もちろん、オッケーのお返事をさせていただいたら、数日後のそのラジオ番組で、ちょっとばかり詳しく僕のHPを紹介してくれたりもしました。番組製作のポリシーと僕のHP製作のポリシーとが共通するものがあったそうです。放送を聞いてみると、ちょっと照れくさくなりましたが、ほんとうに光栄なことでした。

 でもまぁ不思議な事や出逢いがよく続くものです。残念なことに、すてきな女性(ひと)との出逢いは、ないのか知らずに見落としているのかさっぱりわかんないのですが、それだけが残念です(笑)


 たくさんの出逢い出来事も、ここまで来ると、この頃なにか不思議ではすまされない作為的なものを感じるようになってきました。その作為的なものというのは、僕が作為的に出逢いを求めているというものではなく、見えない何か作為的な力で、たくさんの出逢いがつながってきているのではないかと思うのです。べつに宗教じみた話なんかではなく、偶然では説明つけがたい、不思議なものだと思います。先シーズンまでにあった、自転車のサイクリストとの出逢い先生との出逢いスキーショップとの出逢いも、偶然というには偶然すぎる話ばかりです。ここ2,3年のうちにここまでたくさんのことがあるというのも、いくらなんでも偶然にしてはできすぎだと自分でも思います。余りの変化の激しさに、自分自身がついてゆけないようになってしまいそうです。

 色々と不思議な出逢いが続くことを考えてゆくと、この頃よく思うのが、こういったことも自然の力の一つかもしれないと言うことです。自然現象は実際に目に見えるもので、雪が降ったり、ダイアモンドダストが晴天のゲレンデに降り注ぐという自然現象は、よくゲレンデで見かけることが出来ます。

 でも、こういった身のまわりに起こる不思議な出来事(書いてはいないこともありますが)や出逢いというものや、見えない力に引っ張られるかのようなものは、不思議な自然の意志によるものではないかと思うのです。これは僕が特別な力を持っているとかというものでもなく、誰にでも知らず知らずに起きているものだと思います。このごろの船井幸雄さん(経営コンサルタント船井総研会長)の本ではありませんが(笑)、なんとなくそんな気がするのです。誰でも、心をすませば心に浮かんでくる何かです。


 そして思うのは、やっぱり僕らは自然のかけらなんじゃないかということです。自然というものは、いわば僕らの日常の日々の生活の一部であるけれど、実際僕らはその自然の一部です。僕らのなかに自然を感じるこころがあり、その自然の中に僕らが住んでいるのです。時々、スキー場から見るすばらしい景色に見とれて、一瞬、自然の一部に戻ったような気がするときがあります。それは、自分のこころが自然にとけこむひとときのような気がします。そういった瞬間が多ければ多いほど、人は何か自然からエネルギーを吸収する事が出来ると思ったりもします。それは、お金でも地位でも名誉でもない、ただ生きてゆくための不思議なこころのエネルギーではないかと思うのです。また、夢や理想などを超越した、自分が生きてゆくための本能的な感覚的な潜在的なエネルギーなのかもしれません。

 時に人はちょっとばかり傲慢に、自然を大切にしようと言います。でも、もともと僕らは自然の中で生まれた自然のかけら。自然を大切にすることは、実は自然の一部である自分自身を大切にすることだと思います。また、自然を破壊することは、自分の心を破壊することだと思います。よく、街中でタバコやゴミを平気で捨てる人もいますが、これは自分の心の中にゴミをすてて自分自身を汚してしまうことだと思うのです。そして、自然を守ることは、自分を守ることだと思います。自然を見つめることは、自分を見つめることだと思います。このごろ、スキーをしていて、自然をこころに感じると瞬間があると、なぜかそんな想いがこみ上げてきたりします。

 けれど、人はみな自然を犠牲にした上で生活する、そんな不条理のなかで生きていることになります。自然を犠牲に、そして環境を犠牲にしなくては生きてはいけない不条理さを知ることになります。また、生存競争の中では、生きてゆくこと自体が罪を背負ってしまうことにもなります。争いあうことのおろかさや、争いあわないことのおろかさ。そんな不条理さも、人が生きていることの無価値さも、生きてゆく上でまっすぐ自分の心で自然に受け止めて、たくさんのこころを迷わせるものたちに負けないように、できる限りこころを強くして、生きてゆかなければいけないと思うのです。また、自然のかけらが自然の中で生まれてきたその無価値な使命を、できることなら何か価値あるものに変えてゆきたいと、なぜかは知らないけれどそう思ったりもします。ひょっとしたら自分にとっては、このHPがその気持ちのあらわれなのかもしれません。


2000年1月2日 朝一番の野麦峠スキー場からみた乗鞍岳

 スキーをしていると、ほんとうに色々と考えさせられることもあります。ただただ、こころを解放して滑っているだけなのに、自然と向き合っていると、こころにたくさんの想いがこみ上げてきます。空の広さ、光のまぶしさ、広大な空間の悠久な時間の流れ。たくさんの人がいて、たくさんの考え方があり、たくさんの生き方がこの世界に存在します。たくさんの自然のかけらの生きるこの世界で、夢を見ているかのような人生を夢のように楽しくすごしてゆくことができたらいいなと、そう思いながら、これからもずっとスキーを楽しんでゆきたいと思っています。今シーズンもたくさんの出来事があって、想い出もたくさんできて、とても楽しかったシーズンでした。来シーズンもどんなことがおこるのか、ほんとうに楽しみです

2000/4/16アップ