スキー上達への道

この文章は、初級者から中級者へとがんばる僕に、女の子から「どうしたらスキーが早く上達できるか」を聞かれたときに答えたものをまとめたものです

 初心者が、早くスキーがうまくなるためには…。基本的な条件は足の筋力アップでしょう。やっぱ、足腰が強くないと、練習してても、すぐにばててしまいます。なぜ、筋力がないとすぐにばてるか。スキーというものは、当たり前といえば当たり前なんでしょうが、やっぱり結構ハードなスポーツなんですね。それを、すこしだけ物理的に解説します。簡単な説明でゆきます。(初心者に小回りはできないと思いますが、小回りを例にとって、わかりやすく単純化して考えます)

 体重50kgの人(女性)で考えます。スキーのターンを右から左へ3秒で回るとします。50kgの人が右から左へターンをするときには、100kgの左から右へ逆の力がないとターンできません。(詳しく説明しませんが、物理的なことです)3秒で100kgの力、とすると1秒で33kgの力がいります。体重50kgの女性ならばターンするたびに、自分の体重プラス33kgの荷物を持つということです。厳密にいえば、本当の計算はもっとややこしくて違う計算になります。けど、だいたいのニュアンスはわかると思います。

 小回りは、ウサギ飛びみたいなものといいますが、ある意味ではそのとおりでしょう。ターンごとにかなりの力を使うので、体力のいる大変しんどい滑り方だと思います。この状態を、練習の時は、何度も何度も繰り返すのです。こんな状態で、体力(足の筋力)のない人が1日中滑りまくったらどうなるんでしょうか。やっぱり、すぐに足が持たなくなってしまうでしょう。特に、日頃ほとんど運動していない人は、ほんの少しの練習だけで、足がいうことをきかなくなってしまうでしょう。また、日頃から足を鍛えていないと、たとえ2,3日スキーができる日があったとしても、初日で筋肉が限界を超え、二日め三日めは筋肉痛の状態になってしまって練習どころじゃなくなってしまい、自分の足ではないような状態で滑らなくてはいけなくなってしまいます。これでは、せっかくの楽しいスキーが、つらいスキーになってしまいますよね。

 坂を下るだけだから、みているだけだとしんどそうとは思わないけれど、バランスをとる筋肉と体重を支える筋肉と硬直させたままの筋肉、すべてのバランスが微妙に取れるようになってこそ、初めて、うまく滑れるようになるんでしょう。その微妙にバランスをとるためには、強靱でとぎすまされた筋力が必要になってくるんでしょう。(でも、ざんねんながら僕はまだできません。目下練習中で、なんとか理屈だけは理解している状態です^^;)

 スキーがうまくなる秘訣は、やっぱり日頃から足腰を少しでも鍛えておくことでしょう。そうでないと、すぐに踏ん張りが効かなくて転倒するし、練習しても、うまくなる前にすぐ疲れて滑れなくなるから。こんなことはあまりだれも教えてくれません。本にもほとんど書いていないし、インストラクターも教えるのは技術的なことだけになってしまいます。

 「うまくなりたかったら、きっちりと足腰を日頃から鍛えておきなさい」と、ふつうのスキー本には、ほとんど書いていません。というよりも、スキー雑誌に書いてあったのですが、「オフトレはしているものと考えている」という前提があります。おそらく、このことを言うと、「スキーは遊びで、楽しくすべるだけでいいや」と思って、本気でうまくなることをあきらめる人も多いんじゃないでしょうか。でも、滑っているうちに、筋力も付いてくるし、動きにも慣れてきて、ある程度は力を抜いて滑ることができるようになります。楽しく、遊びながらでも上達はできると思いますし、真剣にじゃなかったら、遊びながら楽しく、そこそこ滑れるようになるだけでも、楽しいと思います。楽しくうまくなるのが一番なら、それでいいと思います。

でも、真剣にどうしたら早く上達できるかだったら、鍛えるっきゃないでしょうね。やっぱり。(スキーフリークは、やっぱり、みんなしているようですよ!)