ダイヤモンドダスト

ダイヤモンドダストって知っていますか?
空気中の水蒸気が、寒さで凍って上空から降ってくる、とてもキラキラとして、素晴らしくきれいなものです。
見たことのある人なら、あの素晴らしい光景は、いつまでも記憶の奥に残るほどのものですね。
見たことのない人は、一度は見る機会があるといいですね。時々、テレビで見ることもあります。
また、冬の北海道や、寒冷地のスキー場付近で見られることがあります。

でも、僕は今まで3回以上は見ました。それも、夜です。ものすごく神秘的ですよ、夜に見るダイヤモンドダストは。初めて見たときは、車で走っているときに気がついて、路側帯に車を止めて、空を見上げて、星が降りそうなくらいすんだ夜空なのに、どこからこんなキレイなものが降ってくるんだろうと思っていました。車のライトに照らし出されて、キラキラ光っている光景はほんとにきれいだった。しばらくは息をのんで見守っていました。

でも、星が降りそうな天気のいい夜空から、なぜ降ってくるんだろうと考え込んでしまいました。これはおかしい。どう考えてもおかしい。なぜだろう。ほんとうに不思議でした。

でも、ふっとひらめいたんです。2、3km先にスキー場があります。どうやらそこから飛んできているらしいのです。そう、スノーマシンだったんです。スノーマシンの吹き上げる雪(正確には、氷の粒)の小さなものが、風に吹かれて2、3km離れたところに降りてきているのでした。

気温が高かったら、おそらく水滴となって、遠くまで飛んでこないのかもしれませんが、気温はおそらくマイナス10度くらいの夜のスキー場付近なので、ダイヤモンドダストのように舞い降りてきているようでした。ほんとうのダイヤモンドダストじゃないけれど、夜に見たその光景は、車のライトにあたってキラキラ輝いていて、ほんとに神秘的できれいだった。スノーマシンのものだとわかっていても、山の中の静けさの中で、そのとてもきれいな光景に、時間を忘れてじっと見とれてしまいました。