結局、(仮)は取れました・・・。(笑)



くれっしぇんど 陸奥睦月&Gravity Free 綺阿がリレー小説でお届けするアスキラパラレル学園シリーズ『学園天国 〜Closer to Heaven〜』。
担当は、キラ→陸奥睦月、アスラン→綺阿で、表紙はwind mill+の朝霧紫月さまが素敵イラストを描いてくださいます。

CEもMSも関係ない、ごく普通の高校生のアスランとキラ(非幼馴染設定)の一年間を歳時記風味にお届けします。
4月からスタートし、春(4〜6月)、夏(7〜9月)、秋(10〜12月)、冬(1〜3月)の4冊発行予定。ちなみに、2巻からはR指定ですので(笑)ご注意くださいね。


キラレボ発行の春号に続く第二段、夏号が夏コミに登場!!
しかも、8/17夏コミ、9/2インテックス大阪で『学園天国2』をお買い上げの方に、睦月&綺阿から(ちょっと遅いけど)お中元をプレゼント!無料配布本がつきます!
自家通販でお申し込みの方にも、先着順でおつけいたしますのでお早い目にどうぞ。
(注:書店委託でお申し込みの場合はつきません。8/6 自家通販の配布は終了いたしました。たくさんのお申し込みありがとうございました!!)
こちらの表紙も朝霧紫月さんが素敵イラストを描きおろししてくださいますv ありがとうございまーす。



第2巻 〜Summer Vacation〜 (8/17新刊)
A5/FC/P164/¥1300

※虎の穴さんの書店委託にて販売中!
(こちらでお申し込みの場合、無料配布はつきません。ご了承ください)

◆7月
アスランが所属するのは弓道部。今年は、筋のいい侵入部員が入ったこともあり、はじめてインターハイに団体戦での出場を誓う。
そのため、一時的に、古巣である弓道部に復帰したラスティだったが、ある日、車にひかれそうになった女の子を助けて怪我をしてしまう。
代わりに白羽の矢が立ったのは・・・?

◆8月
期末考査でとんでもない成績をとってしまったキラ。母、カリダに予備校の夏期講習に通うか、家庭教師をつけるかのどちらかを迫られる。
そのピンチを救ってくれたのは、入学以来、学年首席の優等生、アスランだった。
週に2回、アスランはキラの家に家庭教師に通うようになる。(もちろん、シタゴココロ込み)
ある日、ふたりきりの部屋で、ついにそういう雰囲気になったものの・・・・買い物から帰ってきたカリダに水をさされ、未遂になってしまう。
『直ぐに大人にしてやる』と恋人に宣言されてしまったキラは・・・?

◆9月
秋の一大イベント、学園祭!
生徒会長のアスランは大忙しで、クラスの出し物に関わる余裕がない。
キラはといえば、トールやラスティを手伝って、クラスの模擬店へ駆りだされていた。
さて。ふたりの所属するクラスの出し物は・・・。


◇秋編は、10月のSpark、冬編は冬コミあたりにお届け予定。
イベント販売は、くれっしぇんど、Gravity Free両方のスペースにて行なう予定です。
通販は、1巻と同じく、虎の穴さまの書店委託&両サイトの自家通販を予定しています。
情報については、両方のサイトにて告知いたしますので、チェックしてくださいね!

今回も交換日記状態が続いてます・・・。
睦月さん、楽しいよ!ありがとう!!!(綺阿)


 >>陸奥睦月 (くれっしぇんど)
URL http://homepage2.nifty.com/placollo/
Mail placollo★yahoo.co.jp

 >>綺 阿 (Gravity Free)
URL http://www.est.hi-ho.ne.jp/shiny-g/G-S/
Mail shiny-g★est.hi-ho.ne.jp

※メールアドレスは、★を@に変えてください。




「球技大会が終わったら、アスランはインターハイなんだよね」
「そうだな」
高校生の総体であるインターハイ。
アスランが一番の目標にしているのは、このインターハイ弓道部門個人戦での優勝だ。
去年は、惜しくも三位だったため、今年はそのリベンジを誓っているという。
「今年、弓道部は団体戦でも出ることになるかもな」
ぽつりとアスランは呟く。
「え、弓道って、団体戦もあるの?」
「ああ。一年生にいいのが入ってな。特訓すれば、いいところまで狙えるかもしれないと、バルトフェルド先生が」
「…へぇ」
「おかげで、オレもとばっちりだよ」
その時、二人の背後から割りこんだ声に、キラはびくりと反応する。
「ラ…ラスティ?」
「はぁい。おかげで、オレにも召集かかってさ。この夏だけ、弓道部員に逆戻りよ」
テニス部恒例の夏合宿に参加できない、とがっくり肩を落とすラスティに、アスランはそっけなく言う。
「弓道部も合宿はあるだろう」
「女子の参加率が違うんだよ!女子の!」
ラスティの目的はそこにあったのか、とキラは苦笑する。
「…おまえなぁ」
「いいよなぁ、アスランはそんなことしなくてもいいんだから」
なぁ、と同意を求められ、キラの鼓動は撥ねる。
(まさか、ラスティ…僕らの関係に気付いてる?)
気付いているも何も、アスランにちゃんとキラに想いを伝えるようにアドバイスしたのはラスティなのだがそれをキラが知る由もなかった。

***

そんな球技大会の興奮もさめやらぬうちに、事件は起こった。
「…骨折?」
「はぁい」
包帯のまかれた右手をラスティはぷらぷらさせる。ご丁寧にギプスまでついている。
「おまえ…骨折だと!?この大事な時期に何を考えて…!」
眉を吊り上げてアスランは怒っていた。ムリもない。
県大会の予選を既に準決勝まで勝ち抜き、今年は団体戦でも全国を狙えるかもしれない、と、弓道部顧問のアンドリュー・バルトフェルドもアスランも、ずいぶん気合が入っていたのだ。落胆は人一倍大きいに違いない。
「…悪かったって。ゴメン」
それを知っていただけに、素直にラスティは謝罪した。
その時、がらりと音をたて、ホームルーム教室に担任のムウ・ラ・フラガが現れた。
「おー!出席とるぞー!席につけー!」
まだ思い思いの場所でしゃべっていたクラスメイトたちが、ばらばらと自席に戻っていく。
ムウは教卓の上に出席簿を開き教室を見回す…と、ある生徒の前で視線がとめる。
「おぉ!ラスティ・マッケンジー。おまえ、腕はどうした?」
「ちょっと寝ぼけて車とケンカしましたぁ」
おちゃらけたその言い方に、クラスの女子たちがくすくすと笑う。
「車と喧嘩か?それは、相手が人間じゃなかったことを喜ぶべきなのか、それとも、討ち死にじゃなくてよかったと喜ぶべきなのか…」
うーん、と悩むムウに、ラスティは、はは、と笑う。
「オレとしては、顔じゃなくてよかったと思ってるんですけど」
「そうだな。よかったな、男前」
「どーも」
フラガの言葉に、ラスティはにやりと笑った。

***

「ラスティ…車と喧嘩って、本当なの?」
一時限が終わり、次は物理教室への移動だ。不自由な彼の右手のかわりに、とキラはラスティの教科書やノートを胸に抱く。
隣になって歩いてはじめて気付いたが、彼は少しだけ脚もひきずっていた。
「ん?あぁ。ま、ぶつかった、っていっても大したことないよ」
「…本当にぶつかったんだ…」
時々、ラスティの言葉は本当と冗談の境目が分からない。今回も、半分くらいは冗談かと思っていたが、どうやら本当に交通事故らしい。
「…骨折のどこがたいしたことないんだ?」
その隣を歩いていたアスランが、呆れたように言う。
「だから、悪かった、ってば」
「運が悪かったら、死んでたかもしれないんだぞ!」
アスランがラスティに対して怒ったのは最初の一瞬だけだった。すぐに怪我人に対して怒っても仕方がないと悟ったのだろう。いつまでもねちねちと嫌味を言うことはなかった。
「そうだよな。なら、ラッキーだったってことかな」
何でも、いい方向に物事を考えるのがラスティのいいところだ。怪我をしながら、そう言って笑ったラスティに、アスランはそれ以上のことを言うのをやめた。
「それよかさ。オレの代理、みつかりそう?」
それは、弓道部の団体戦のメンバーのことだった。
試合は、一チーム五人で行なわれる。そのため、ラスティの穴を誰かで埋めなければいけないのだった。
「…あぁ、それか。補欠を繰り上げにしてもいいんだが、おまえの代わりには到底ならない。とりあえず、放課後にバルトフェルド先生と相談しようかと思ってるんだが…」
弓道部はそんなに人数が多い訳ではない。個人戦でもいいところまでいくアスランやイザークのような腕前の者も居るが、それに次ぐ実力の持ち主となると、そう簡単には見つからない。ラスティだって、マジメにやらないから成績が伸び悩んでいるが、もし、本気で弓道に打ち込めばまずまずのところまではすぐにいけるだろう。
そう言って、弓道部顧問のアンドリュー・バルトフェルドは、夏の間だけでいいから、とラスティに弓道部への復帰を打診したのだ。
名コーチである彼は、いつも的確な答えをくれる。とりあえず、事情を話して彼に候補を上げてもらうしかないだろう。
「ここにいるじゃん」
「…は?」
ラスティの言葉は時々、よく分からない。眉を顰めたアスランに、ラスティはまだわかんないの?と問う。
「ラス…何ッ?」
ぐい、とひっぱられたキラは、勢い、ラスティの前に立つ形になる。
「キラが居るじゃん。オレの代わりなら」
そう言って、にっこりとわらったラスティに、ふたりはただただ、ぽかん、と呆気にとられるだけだった。



To Be Continued...

夏だから?エロロ満載です。苦手な方はご注意を。スミマセン・・・。
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