8月22日

   American League 

CHICAGO WHITE SOX VS BOSTON REDSOX

シカゴ・ホワイトソックス              ボストン・レッドソックス

U.S. Cellular Field  Chicago , IL


 寝る前に見たESPNニュースで、イチローがサイクルを逃したと言っていたが、数日前のデッドボールの影響はもう無いようだ。それにしても、オリンピック情報が全く入ってこない。USAの結果に付いてもそれほど詳しくは放送されて無いように感じる。タバコを吸いに外へ出る。今日も陽射しが強い。しかし、こう言う陽気こそ寒さに気を付けなくては。

 8時、部屋に戻り朝食。昨夜、遅い時間にカップラーメンを食べたので、そんなに腹は減ってない。パンとマフィン、冷蔵庫のジュースはルームサービスの時に新しい物に取り替えてられている。テレビで請求書を確認しても載ってないので、完全にサービスのようだ。

 ノアさんとの約束は11時なので、その前に近所を散歩する事に。9時過ぎにホテルを出発。昨日、サックス吹きがいたタマネギ屋根の建物の前を通る。看板にはBloomingdalesとあり、中をちょっと覗くと、高そうな食器が並んでいた。そのままワバッシュ通りWabash Avを南に進み、5年前にも訪れたジャズ・レコード・マートJazz Record Martへ。しかし、時間が早いせいか店は閉まっていた。元々、裏通りみたいな場所なので辺りはヒッソリしている。「一回りして、また来よう」と、更に南へ。1ブロック進むとシカゴ川Chicago Riverだ。

 橋の袂で寝ている人を発見。たぶん酔っ払いだろう。そーっと通り過ぎる。やはり川越しに見る街並は爽景だ。2本あるトウモロコシ・ビルも良く見える。川の南側に渡り、そのままループ方面を行こうかとも思ったが、2つ隣のディアボーン通りDearborn Stの橋で、あっさり北へ戻る。大きな通りだが、交通量はそれ程でもなく、歩いていても気持ちが良い。右手には懐かしのハリー・ケリーの店Harry Carayユs Restaurantが見えてきた。「こんなに大きかったけ?」

 その交差点で、大型犬を散歩中のオジサンに会った。バーニーズ・マウンテン・ドッグと言う大好きな犬種だったので、妻は何の躊躇もせず、犬に抱きついた。オジサンも驚きもせず、笑顔で接してくれた。大型犬を飼ってるくらいなので大らかな人なのだろう。よく見るとピカード艦長そっくり。私達が旅行者だと分かると「航空ショーを見に来たのかい?」とオジサン。どうやら、そのお陰でシカゴには旅行者が多い週末だったようだ。ついでに野球観戦という人も結構いるのだろう。

 ハバード通りHubbard Stから東に戻り、路地を入って階段を上がるとレコード屋の手前に出た。もうすぐ10時だが店が開く気配は無い。通りはさっきよりも人通りが増えて、搬入や工事の車も多く見られるようになった。時間つぶしにグランド駅まで行って、カードのチャージをしてくる。結局、10時20分まで待ったが、オープンしないので、諦めて部屋に戻る。ガイド本で確認すると、日曜日は12時開店と書いてあった(平日は10時)

 11時になりノアさんから電話が入った。ホテルに到着したそうだ。フロントに下りると、ノアさんの奥さんが待っていてくれた。ノアさんは金曜に納車されたばかりの新車で来ていて、なんとまだ仮ナンバーが付いている。購入してしまえば、登録前でも自由に乗り回せるようだ。アメリカでは珍しい事では無いらしい。

 昼食はチャイナタウンに行く事になり、ノアさんの車でミシガン通りを南へ向かう。シカゴ川を渡ると、私達には未踏の場所だ。左手に有名なグランド・パークGrand Parkが続いている。バッキンガム噴水の辺りはかなりの人が集まっていた。リバーノース側よりも人手は多い気がする。南に進むにつれ、治安が悪いと言われる地区に近づいてきた。二人では積極的に来ようとは思わなかったから、とても有難い。あっという間に中華街に到着。高架線の横からパーキングへ。

 ノアさんお薦めの三喜大酒楼Three Happiness Chinese Restaurantは、そこから歩いてすぐで、中華街の中央門のすぐ北側に位置する。2階に上がると、広いスペースに40〜50卓のテーブルがギッシリ並んでいて、狭い通路を飲茶を乗せたワゴンが行き交っていた。昼時なので8〜9割の座席は埋まっている。テーブルに着くと、店員が来たので籠を貰う。それ以外にもノアさんが説明してくれ、注文してもらった。横浜中華街には横浜スタジアムに行く時に寄ったりするが、私達はあまり飲茶の経験は無い。妻は出てくる料理に大喜びだったが、特に気に入ったのは、海老を餃子の皮(トウモロコシ粉?)で包んでカリカリに揚げた物と、濃口のチマキだそうだ。私は中華粥が一番美味かった。

 旅行中での出来事を中心に話し、賑やかな楽しい食事となった。フィールド・オブ・ドリームスは、ノアさんも大好きだと言っていたので、余分に貰ってきたパンフを手渡すと、ノアさんは大喜び。熱でゴースト・プレーヤーが浮き出るTシャツも、見せる為に着てきたが、食事中に汁物をたらして少し汚してしまった。それから、オリンピックの情報を聞くと、北嶋康介が2つの金メダルを獲得したそうだ。

 会計は、私達が現金が不足している事を考慮してもらい、ノアさんから割勘分を現金で貰い、店には私のカードで支払った。それから、ノアさんから教わったのだが、チップは1ドル以下の端数を含め伝票に書き込こめば、現金も減らさず、会計上も簡単に調整できる(例:代金8.45ドルならtipを1.55と書けば、計10ドルで、5ドルの割勘)。店員に対しても全く失礼には当らず、通常の行為らしい。なかなか短期間の旅行者では思い付かない発想なので勉強になった。

 食後は、中華街の正門?からウェントワース通りWentworth Av沿いを見て歩く。ここが中華街の目抜き通りのようだ。古い建物が多く、看板などを見ると中華独特のハデハデさは意外にも少ない。土産物屋を覗いても、それほど観光客向けではなく、質素で地味な感じ。民芸品なども「売るぞ」言うより「見てね」って感じで、横に汚れたパンダの縫ぐるみが置いてあったりする。路上にはワゴンに、ビデオやDVDのコピー品が並んでいた。ノアさんも1つ買っていた。

 2ブロックで商店街は終わりだ。思ったよりもエリアは広くなかった。それでも、他の街とは違い独特の雰囲気があり、道路標示も漢字と英語の両方で設置されていた。ここも1つのシカゴなのだろう。来られて本当に良かった。ガイド本には治安面でやや危険なエリアに書かれていたが、そう言う感じは全く無かった。Lのサーマック駅Cermak/ Chinatownも、すぐ東側にあるので、昼間ならそれほど心配せずに来られるようだ。

 チャイナタウンを後にしてリバーノースへ戻る。「どこ行こうか?」と相談しながら、取合えずオハイオ通りの立体パーキングへ車を停める。みなトイレに行きたいと言うので、一度ホテルへ戻る。フロントにトイレの場所を聞くと、1階は隣接のレストランにしか無いとの事。ノアさん達も部屋を見たいと言うので、部屋に行く事にした。11階の廊下では、日曜だからか?いつもと違う若い係が1人だけで、清掃に追われていた。私達の部屋も、まだ清掃してなかった。

 その後、ミシガン通りへ行き、妻たちが見たいと言うので、コーチCoach Chicagoへ入った。ブランド店など、日本でもアウトレットくらいしか行った事が無いが、やはりそことは雰囲気も違う。特に私なんか場違いだろう、と思ったが、アメリカ人のお父さんも娘に無理やり引っ張って来られたのか、所在無さそうにしていた。半ズボンだから、たぶん観光客なのだろう。うちの妻も、ブランド物にはそれほど興味無いと思っていたが、ノアさんの奥さんに影響されてか、紫のサングラスが気に入ったようで、手に持ったりかけたりして、なかなか離さない。値下げされてるとの事だったが、私からしたら目が飛び出るような金額だ。「離せ、元の場所に置け!」と心で念じたが、妻のTシャツ(シダーラピッズ)を見て「私この町の出身なのよ」と言ってきた女性店員とも、打ち解けた感じで会話してしまっている。どうやら買う事になるらしい。でも、色もデザインもその辺には無いようなものだ。まあ、たまには良いのかもしれない。

 向かいのスタバでみな飲物を買って、再び車に乗り、ネイビーピアNavy Pierの方へ行った。途中、ノアさんにソーサSammy Sosaの住んでいるマンションを教わる。面白い形で、窓を見るとかなり変形してるので、間取りはどうなっているのか?ソーサ宅は2部屋をぶち抜いてワンフロアにしているらしい。妻は「ノマーももしかしたら住むかも」と興奮気味に身を乗り出す。

 やはり航空ショーの影響か、ネイビーピアはとても混んでいて、車を停めるのも苦労しそうなので、一回りしただけで戻る事に。時刻も3時を回ったので、私達もそろそろ球場へ行く準備をしなくては。ワバッシュ通りのジャズ・レコード・マートで下ろしてもらい、ノアさん達と別れた。今度は妻は泣かなかったが、お揃いのサングラスと言う絆が出来たようだ。

 この時間だから、さすがにレコード・マートはオープンしていた。かなりの在庫数なので、全部見る事は出来ないが、地元のブルース・コーナーを中心に一通り見て回る。ビッグ・タイム・サラのと他のミュージシャンのCD合計4枚購入。最後のT/Cで支払いお釣を貰う。これで現金は90ドルくらいになった。今夜は安心して球場へ行けそうだ。帰り道はジェット機の音が凄かった。かなりの低空飛行をしているようで、いきなり「ゴォーーー!!」と来ると、みな一瞬立ち止まってしまう。中にはしゃがみ込んでしまう女性もいた。

 部屋に戻った直後、今頃になってようやく清掃サービスがやって来た。邪魔になるので、もう一度買物に出る。スポーツ・マートで甥っ子へのお土産を探すが、値段の割りに良いものが無いので、球場で買う事にする。昨夜寄った雑貨屋でも時間をつぶしただけ。 

 頃合を見て部屋に戻り、観戦に備えて長袖長ズボンに着替えてると、突然、ノックもせずに清掃係が入ってきた。17〜20才の白人女性(アルバイト?)は、私がいる事に驚いた顔していたが、謝るでもなく、いい訳するでもなく、「私のソーダボトル置いてなかったかしら?」と用件を告げた。パンツ一丁の私は唖然として「無いよ・・・」彼女は「サンキュー」と言って出て行った。「どうしたの?」と妻がトイレから出てきたので、話すと大笑いされる。 

 5時過ぎに球場に出発。グランド駅は今日も赤いソックスファンが目立ってる。電車はそれなりの混み具合。球場へ着いてすぐに、外のショップで子供用Tシャツを2枚買う。ゲートでは今日も来場者にグッズを配っていた。「えっ、今日も何か貰えるの?」と妻は一瞬喜んだが、今日は14歳以下限定なので私達は貰えない。ちなみに配られていたのは、ラサール銀行提供のWソックス背掛けバッグ。

 

 今日も100レベルの入口には、マッスル警備員がいたので挨拶すると、「オー、今日も来たのか」と笑顔で迎えてくれた。彼は思い付いたように「君たち、シンゴに会いたいか?」と言うので、私達はキョトンとしていると、「ちょっと来い」と、壁際のところで何か紙を取り出し、「えーと、タカツは116だ。セクション116でサインしてるぞ」と言った。「早く、カサを持っていけ」と、またチケットを確認せずに通してくれた。「シンゴに会いたいか?ちょっと来い」なんて言うので、妻も私も「控え室にでも連れて行ってくれるのか?」と一瞬あせった・・・

 コンコースを走ってセクション116へ行くと、階段通路は既に長い行列が出来ていた。他の6〜7つの通路も行列が出来ているので、あちこちでサイン会は行われているようだ。最後尾に並んだが、列が動くのはとても遅い。昨日も一昨日も、球場では日本人には会わなかったが、やはり高津の列と言う事で、日本人らしき人も目立つ。私達がYS帽でミニガサを持っていたので「ヤクルトファンなんですか?」「東京からですか?」などと声をかけられ、「えー、3連戦全部来てるんですか」と握手まで求められるが、「前に並んでイイよ」とはなかなか言われない(当然だが)。 

 階段の半分より前くらいまで進んできたが、試合時間は迫ってくる。「もう、間に合わないね」と諦め、横から前に行って写真だけ取る。「タカっちゃーん!」と大声で呼びかけるが、サインするのが忙しいのか、高津は無視。そして、時間切れとなってしまった。あと15人くらいで順番だったが...。ルームサービスがもっと早く来ていれば、もしかしたら早目に来ていたかもしれないが、どうだったろう? 

 並んでいる間も気になっていたが、今日は1塁側のファウルグランドにESPNの仮設放送ブースが設置されていて、お馴染みのピーター・ギャモンPeter Gammons、ジョン・クラックJohn Krukの解説陣も来ていた。今日の私達の席は1塁側の外野席だ。外野に向かう時に、白人の子供がミニガサを持っているのを発見。しかも先端に「カサカサつば九郎」(傘に装着出来る人形)まで付けている。追いかけて話をしようと思ったが、人込みで見失ってしまった。どうやって手に入れたのか?メトロ・ドームでのユニ男といい、スワローズ人気は密かに密かに広がっているのかも?

 開始間際と言う事もあって、座席周辺は半分以上埋まっている。私達の隣は、初老の男性2人組で、1人はとても大きな人だった。少し話をしたが、2人ともとても大人しくて、会話が盛り上がるのは大変そう。「あの放送ブースは試合中はどうするんですかねぇ?」と振ると、「さあ、分からないな」と言う感じ。「Wソックスファンですか?」と聞くと、二人とも頷いていたが、オーダーが発表されても全然反応しない。今日の先発はボストンがロウDerek Lowe、シカゴWは、6月にマリナーズから移籍してきた日本でもお馴染みのガルシアFreddy Garc誕。2連敗の白いソックスに奮起を期待したいところだ。放送ブースは開始直前にライト後方に移動した。 

 しかし、またしても赤靴下軍の初回の猛攻。オルティーズDavid Ortizの二塁打などで、簡単に3点を先制。2回にはミンケイビッチDoug Mientkiewiczのホームランも飛び出す。周りの赤い応援団もけっこういて騒いでいるので、すぐ前に座っているトーマスのTシャツを着た黒人少女は、隣の父親に「もう〜、Rソックスファンがうるさい!」と怒っていた。最初は体が大きいので大人のカップルかと思っていたが、ラサールのバッグを持っていたので、まだ14歳以下の子供のようだ。父親は少女の苛立ちに「まあまあ」となだめていた。

 外野フェンスに合わせてスタンドも弧を描いているので、双眼鏡を使うと3塁側ブルペンの待機室が良く見えた。高津は椅子に座って試合をジッと見ている。時折腿に肘をついて「考える人」になっていた。隣のオジサンはとても気を使う人みたいで、体を反らして、双眼鏡を見るのを邪魔しないようにしている。ちょっと肘が触れても「ソーリー、ソーリー」、長時間お互いに気を使ってるのも大変なので、早く打ち解けてしまおうと、「あなたが大きいから」と言ったのが失敗だった。余計に気を使わせる事になり、オジサンは大きな体を小さくさせている。

 私は、昨日スーパーで買ったピーナツをずっと食べていたが、妻は「しょっぱいから」とほとんど食べなかった。買って食べたのはタマネギのホットドッグと、チェロスと言う細長いドーナツ。場内は少し蒸していて、夜なのに全く寒くない。昨日の寒さが嘘のようで、Tシャツだけで全然平気。トレーナーはかえって邪魔だった。ビールも飲みたくなったが、体調を考えて水だけにしておいた。

 面白い観客では、5列ほど前の右の方に、お祖父ちゃんと3人の孫(全部男3才〜8才くらい)がいて、末っ子がシャワーコーナーでビショビショになって帰ってきて、お祖父さんはTシャツを買ってきて、座席で着替えをさせていた。

 5階裏、白靴下軍ようやく反撃。コネルコPaul Konerkoの3ランが出て4-3の1点差だ。自軍選手がホームランを打つと球場の花火が上がる。勿論、白いファンはこの時とばかりに大騒ぎとなり、私達もミニガサを広げ神宮スタイルでアピール。しかし、隣のオジサン達は至って冷静。全く喜んでいる感じは無い。

 ガルシアは出足こそ躓いたが、その後はなんとか0点で抑えていた。場所的な事もあるのだろうが、白いファンも今日が一番活気があるような気がする。7thイニング.ストレッチも、私達には最後なのでカサを使って歌った。その直後にリーCarlos Leeの逆転2ランが飛び出した。1点差で白靴下リード。3連戦で初めて、高津が出てくる展開に近づいた。

 しかし、そう簡単に行かないのが野球だ。直後の8回表、ガルシアからマウンドを引き継いだマルテDamaso Marteが、ラミレス、オルティーズに連続ホームランを浴びる。流石はリーグ1の強力打線だ。白いファンは意気消沈。まだ回は残っているが、今のチームに引っくり返す力は無いと感じてしまっているのか。スタンドも少ない筈の赤に完全に圧倒されている。

 いよいよ試合は9回に入る。私達も旅行では最後のイニングだ。このまま高津を見ないで終わってしまうのか?

 Wソックスは9回表からコッツNeal Cottsをマウンドに送ったが、1死を取ったあと連打され、一本打たれたら試合が決まってしまうピンチを迎えた。スタンドは終盤に入ってから、多少空席も目立ってきたので、私達は3塁側に移動する事にした。ブルペン付近なら高津登場の時に声援も送れるし、延長戦になる可能性もあるからだ。私達がバックスクリーンの下辺りを歩いていると、突然、場内がざわついた。直後に大歓声が起きる。大型モニタには「Mr. ZEROハ TAKATSU」の文字が躍り、日の丸をバックに美しいサイドスローの映像が流れる。「急げー!!」私と妻は全速力で3塁側ブルペンへ走った。レフト外野席の最上段に着くと、ブルペンを飛び出し、ゆっくりと走っていく高津の後姿が。ミニガサを広げ振り回し「タカツーーー!!」と叫ぶ。当然、レフトスタンドじゅうから注目される。通路の一番上だが、すぐ下にいる係員も笑って見ているだけで注意してこない。

 ついにこの時が来た。1点負けてる場面だから、本来はクローザーの出番では無いのだが、この3連戦では、「ここしかない」と言う場面だ。投球練習中に、スワローズタオルを最上段の手摺に巻きつけ、応援も準備万端だ。1アウト1、2塁、このピンチを凌げば、まだ逆転の目はある。高津は2番カブレラに対して、2-2から決め球のシンカー。私達は追い込んでからは1球毎(ファールが2球)に「ウゥ〜〜〜〜サンシーン!!」と叫んでいたが(ヤクルトファンは実際はやりません。他のファンです)、遂にカブレラのバットは大きく宙を切った。「ウォーー!」スタンドいっぱいの大歓声。しかし、まだまだ、次のバッターはラミレスだ。ここでも高津は強気で攻める。追い込んで、今度は私達以外のファンからも「ウゥ〜〜〜〜・・・」と言う唸り声が聞こえてくる。「サンシンダーーー!」と日本語も聞こえてくる。「サンシン」はアメリカでも普通に通じてるようだ。ラミレスは、きわどい低めの球に手が出ず、高津はプレッシャーのかかる場面を、見事2者連続サンシンで抑えきった。

 興奮の中での写真だったので、かなりピンボケになってしまった。私達は「あの連続三振は自分達の力も少しは入ってる」と信じている。しかし、せっかくの高津の力投も、9階裏の白靴下は、フォークKeith Foulkeの前に手も足も出ず試合終了となり、この3連戦は赤靴下がスイープを決めた。3戦連発のラミレスが目立っていたが、白靴下の方は3連戦通じてエバレットCarl Everettが悉くブレーキになっていたように思う。赤6-5白 勝ち投手 レスカニックCurtis Leskanic セーブ フォーク 負 マルテ ラミレス5打数1安打2打点 オルティーズ3打数2安打2打点 バリテックJason Varitek4打数2安打1打点(以上、赤) コネルコ3打数1安打3打点 リー5打数2安打2打点 ローワンド4打数2安打(以上、白)

 高津のユニホームを着た中学生くらいの男の子が、ずーっと私達の方をチラチラ気にしていたので、話でもしたかったが、私達の応援の迫力に圧倒されたか?近づいては来なかった。来ればミニガサとYS帽を託したかったが...

 興奮冷めやらぬ中、「混む前に急ごう」とゲート6を走った。駅にはかなり早く着いて、電車にもすんなり乗れた。電車にはリグレー、USセルラー、両球場で見かけた東洋系のピーナツ売りのオバサン(球場によって帽子も使い分けてる)も乗っていた。「かなりの年だろうに頑張ってるなぁ」と思った。彼女はジャクソン駅で下りた。まだ乗換えて行くのだろうか?

 グランド駅に着いたのは11時半ごろ。昨日よりも人通りはグッと減ってはいたが、怖い感じはあまりしなかった。部屋に戻り、風呂に入ってから、荷物の整理。バナナとマフィンを食べながら、シカゴから放送されるESPNスポセンを見る。1時半就寝。


8月23日

 7時半起床。妻は先に起きてコーヒーを入れいていた。パン、マフィン、バナナ、プラムで朝食。午後の便なので出発はゆっくりだ。少しだが散歩も出来る。ラッシュ通りを南に向かい、シカゴ川の手前で下の遊歩道に下りる。ミシガン通りは潜り抜けて、2本くらい先の通りから川沿いに。お洒落なカフェテラスも誰もいない。休日明けとはいえ大都市とは思えないほど長閑だ。オフィス街からこれほど近いのに。

 ホテルに戻る途中、雑貨屋に寄る。特に何も買わなかったが、安いTシャツはどこでも売ってるようだ。ホテルに戻り、9時半過ぎにチェックアウト。ベッドに3日分のチップを置いてきたが、昨日のアルバイトは受け取れないんだろうなぁ。
 平日のLは、駅も車内も閑散としていてた。日本はまだ暑いのだろうか?


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