5月2日(2)

    National League

LOS ANGELES DODGERS VS PITTSBURGH PIRATES

ロスアンゼルス・ドジャース           ピッツバーグ・パイレーツ  

Dodger Stadium  LosAngeles , CA


サンセット大通りを東に向かい、しばらく走ると渋滞になってしまった。雨は降ったり止んだりと言った感じだ。10分ほど経ってもノロノロ運転のままなので、住宅地の中を通りウィルシャー通りに出る。UCLAからドジャー・スタジアムだと距離的にハイウェイを使った方が良いかな?とも思ったが、夕時の10号はすごい渋滞だと聞いていたので、初めから一般道で行こうとは思っていた。しかし、下もこの時間は混んでいるようだ。ビバリー通りで右折して更に東へ。それほどスピードは出せないが、それなりに動いていたので時間を焦る事はなかった。しかし、雨足はだんだん強くなっていった。まさか中止なんて事には・・・

妻が地図を見ながら「もうすぐ101の乗り口だよ」と指示をする。このまま一般道で正面口まで行っても良かったが、前々日にあの辺で迷ったこともあり、無難にハイウェイから行く事にする。101号もかなりの渋滞だった。3日連ちゃんで来ているのでここからは慣れたものだった。110号からスタジアム出口へ。今日は下りてすぐのゲートが開いていたので、正面口まで回らないで、すぐに駐車場に入る事が出来た。今日もリザーブ専用の13に入れようと試みたが、当然拒否される。雨が降っているので近くに停めたかったが仕方が無い。外側の27に停める。昨日よりも車が大分多いので、2人で場所を何度も確認しながら球場へ向かう。小降りだが傘をさしてる人はいない。

昨日と同じ入場口へ行くと、今日も森野さんがいたので声をかける。ニコニコしながら「チケットは大丈夫ですか?もう、ソールドアウト(完売)になったようですよ」と言ってきた。今日はエリック・ガニエEric Gagne投手のボブルヘッド・デーなので、それを目当てに多くのファンが詰掛けるようだ。早めに購入しといて良かったが、私達はそれよりも雨のほうが心配だった。森野さんも「ほんとにねぇ。4月はたまにあるんですが、5月に入ってからは珍しいですよ」ドジャースタジアムは中止が少ない事で有名だが、その確立も半端じゃない。開場して40年以上経っていると言うのに中止は僅か17試合。10年以上中止にならなかった時期もある。もし中止になれば相当運が悪いと言う事だ。私達が屋根の下に入った途端、また雨が強く降りだした。「石井がちゃんと投げればガニエが見れますね」と森野さんは手を振って外へ行ってしまった。

入場する時に全員にガニエの人形を配っていた。しっかりした箱に入っていて思ったよりも大きい。その場で開けてる人もいたが、トレードマークの眼鏡までしていて、とても凝った作りだ。これなら皆が欲しがるわけだ。私達は二つとも大事にバッグにしまった。今日の座席は昨日のところから2〜3メートルしか変わらない場所だった。グランドに目をやると、内野部分は全てビニールシートで覆われ、電光掲示板にも傘の絵が。こう言う景色も滅多に見られないのだろうと思いながら、ドジャードッグを食べる。ドジャードッグは他のホットドッグよりもパンがしっとりしていて美味いが、タマネギのトッピングは無しで、ケチャップだけで食べた方がより美味いように思う。

雨のせいでスタンドの半分から前は傘をさしてる人がポツポツいるだけ。そのせいかコンコースは混雑している。小降りになったとは思えなかったが、グランドではシートをたたみはじめた。不慣れなせいか?一度やり直してた。少し遅れたが試合はやるようだ。まもなく国家斉唱となったが、女性歌手が紙を見ながら、しかも途中でつっかえつっかえになったので大ブーイングが起きる。ちょっと可哀想な気もしたが、これもまた珍しい体験だった。その歌(700k)

昨日よりもざわざわが大きく感じられる中、ドジャースの先発石井一久Kazuhisa Ishiiがマウンドに上がった。ヤクルトファンの妻は、やはり他の日本人選手以上に思い入れがあると言う。私も妻と一緒に神宮へはよく行ったので、今いるメジャーリーガーの中では、プレーを見た回数は彼が1番多いだろう。カズヒサは見慣れたフォームで先頭のロフトンKenny Loftonを三振に討ち取った。妻の「よしっ!」と言う声とともにスタンド全体で歓声が起こった。しかし、すぐさま2番、3番をフォアボールで歩かせる。少しブーイングも起きたが、妻も私も「変わってないね」と苦笑い。良くも悪くもこれが石井なのだ。それでも石井は後続を切り初回をゼロに抑えた。

時刻は7時半を回ったところで、そろそろ私はKさんとの待合わせのトップデッキに向かう事に。約束は8時だが、エレベーターを乗り継いで行くので、この混み様だとすんなりとは行かれないと思ったからだ。予想通り2つのエレベーターで待たされたので9階に着いたのは8時少し前。最上階は屋根が無い部分が大半なので、雨を一際感じる。ショップの前での約束だったが、少し離れた塀際でタバコを吸って待つ事に。ここからでもショップの入口はよく見える。

タバコを吸い終わると、近くにいた黒人のオッちゃんが「1本くれんか?」とタカってきた。別にケチるわけではないが、日本ではあまり無い事なので何となく嫌だなと思っていると、ショップの方からKさんが手を振って走ってきた。「あっどうも、どうも」と挨拶すると、黒人のオッちゃんは離れていった。Kさんは今日も真っ赤なエンジェルスのジャンバーだ。やはり最初は雨の話になり、珍しいから良い思い出になると言ってくれた。でも、「中止になった方がもっと凄い体験だったのにね」とも言っていた。一瞬「冗談じゃない」と思ったが、確かにそれくらい珍しい事なのだ。それから旅行中の話や、今のファンタジーの展開とかの話をした。屋根のあるスペースでの立ち話だったので濡れはしなかったが、足元はあちこちで大きな水溜りが出来ていて、気をつけて歩かないとビショビショになりそうだった。そこへ走ってきた子供がひっくり返って私の足元へスライディングしてきた。水飛沫でズボンがかなり濡れてしまった。まったくヒスパニック系は行儀の悪い子が多い。

別れ際にKさんがお土産だと言って1冊の本をくれた。「The New Dickson Baseball Dictionary」と言う野球用語の辞書みたいで分厚い本だった。かなりマニアックな表現も載っていて、挿絵も多いので、楽しみながら勉強にもなるとの事。いろいろしてもらって申し訳なかったが、ありがたく受取る。7階まで一緒に下りて、再会を誓い握手をして別れた。私はもう1つ乗り継いで元の階まで戻った。自分の席の近くまで行くと、日本語で女性の大きな声援が聞こえてきた。妻だった・・・。石井が投げてるからか?一人でも気合入れて見ていたようだ。上でも試合は見ていたが、話に夢中だったので、展開はそれほど気にしてなかった。5回の表で2‐2の同点になっているようだ。石井の失点はキャッチャーの送球エラーによるものだそうだが、四球絡みと言うのがやはり痛い。

石井は5回裏の打席で代打を送られて降板。中盤で同点だが球数が多かったようだ。妻が一息ついたら腹が減ったと言うので、昨日から食べたかったと言う寿司セットを買ってきてあげる。カリフォルニア巻が何種類か入っていて10ドルだった。その後もドジャードッグとカップラーメンを各自1個づつ食べる。カップラーメンに付いていた辛味ソースはとても辛かった。試合は石井の後を継いだクアントリルPaul Quantrillが7回に打ち込まれ3点を奪われる。

雨の中の7thイニング・ストレッチは、みな傘を振り回して、滅多に無い事を楽しんでいる感じだった。上半身裸でずぶ濡れで歌っている者もいた。グランド整備も水溜りの出来たバックネット前を中心に、カッパキで水を掻き出していた。こう言う風景も滅多には見られないのだろう。塁間のカッパキと乾いた土の補充は毎回のように行われた。

7回裏にドジャースはイズトリスCesar Izturisのタイムリーで1点を返すが反撃はこれだけで、5−3でパイレーツが勝利した。勝ち投手ベイメルJoe Beimel 負けクアントリル セーブ マイク・ウィリアムスMike Williams ケンドールJason Kendall2打数1安打1打点 アラミス・ラミレスAramis Ramirez5打数1安打(以上パイレーツ) グリーン4打数2安打、マグリフ4打数1安打、ジョーダン4打数2安打、ベルトレ2打数1安打(以上ドジャーズ) 石井一久は5回95球を投げて被安打3失点2自責1奪三振7与四死球6だった。

帰りは荷物を頭上に持ち雨除けにして小走りで車に戻った。外周道路をグルグル回りながら、まだ照明の点灯しているドジャースタジアムを眺める。これが今旅行最後の観戦なので名残惜しい。今日もどこから出るか迷ったが、最後にして最も近いサンセット通りから101へ乗るルートを選択できた。相変わらず雨は強く降っていたが、ハリウッドまではすいすい帰って来れた。しかし、何かのイベントが丁度終わった時間だったようで、ハリウッド大通りは途中渋滞していたが、これも最後のハリウッドの景色だと思うと気にはならなかった。ホテルの手前でも渋滞していたが、こちらはラブレア通りとの交差点の信号機が事故で倒れたため、車線も一本死んでいて信号も動いてないようだった。

ようやくホテルに戻ると、休日前だからか満車で停めるスペースが無くなっていた。フロントに言うと、壁に寄せて停めろと指示される。いつも夜の担当の若い男性だが話すのは初めて。アジア系だが日本語は通じないようだ。 部屋に戻り、荷物を整理してから風呂に入る。風呂から出ていつものようにワインを飲む。毎日少しずつ飲んで今日で空きそうだったが、ふとラベルを見て唖然。あんなに念を押してカリフォルニア産か聞いたのに、Made in Italyと書いてあった。


5月3日

6時起床、小雨が降っている。もう帰る日になってしまった。旅行全般で寒い日ばかりだったので観戦が辛い時も多かったが、一応予定していたものは全て見られたので満足はしている。残り物で朝食を食べて6時50分チェックアウト。鍵とリモコンのデポジット10ドルが返ってきた。車に荷物を積込んで7時過ぎに出発。早過ぎる気もするが、万が一乗り遅れたら大変だ。空港へはUCLAに行った時のように405号を目指せばいいのだが、時間が早いので、まだ通ってないサンタモニカ通りを経由していく事に。土曜日だからか道路はガラガラ。あっという間にUCLAも通り過ぎ405号の乗口まで来てしまった。雨は降り続いていて、時おり強くなったりもしたが、405号も交通量は少なくて、間違う事も無くラティヘラ通りLaTijera Blvd.で下りる事が出来た。ガソリン・スタンドもすぐに見付かって、給油のついでにヒマワリの種とタバコを買う。そこから少し走るとレンタカー返却の標識が出て来てエイビスもすぐの所にあった。来た時とは大違いでスムーズ過ぎるくらい。空港行きのシャトルに乗ったのは、まだ8時前だった。早いに越した事はないが、出発までは3時間以上もあった。

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