9月5日

  National League

SAN FRANCISCO GIANTS VS ARIZONA DIAMONDBACKS

サンフランシスコ・ジャイアンツ       アリゾナ・ダイアモンドバックス

AT&T Park  San Francisco, CA


 昨夜は1回も目が覚めずに、気が付いたら朝6時。シャワー室に忘れたシャンプーを取りに行くが扉が開かない。使用中だから鍵が掛かってたようだwちゃんと起きたのは7時。窓が曇るほど気温は低い。身支度も早々に、人気のカフェへ朝食に出発。

ホテルの前のメイソン通りを南に歩き、碁盤の目のように縦横に並ぶ通りを、斜めに突っ切るコロンビア通りを経由してフィルバート通りに出る。目の前に、2つの塔が聳える教会が飛び込んできた。その前にはワシントンスクエアと言う公園が…早朝からウォーキングやランニングをしている人がたくさんいる。太極拳の体操をしてるグループも…

 私たちが向かったのは、ワシントンスクエアのすぐ北側の交差点にあるママズMama’sと言うカフェレストラン。ガイド本にも載っている人気店だ。まだ開店前だが10人ほどが列んでいた。開店までは20分ほど。交差点で緑のオバサンのような事をやってる中国系の女性は、渡る人が来ない時はずっと太極拳体操をやっていた。

 時間になり店内へ入る。列はすでに30人以上になっていて全部は入り切れないようだ。まず、順番にレジで注文と会計を済ませるシステムだ。文字だけのメニューを見て、卵料理が美味いと本に書いてあったので、「スモークサーモン・スクランブル」と「BLTサンドのセット」合計23ドルを注文。店内はそれほど広くなく、テーブル席は15ほどだろうか、殆どが2人掛けで隣りとも接近している。私達は、店の真中辺りの席に案内された。

 待ってる間、隣りと席が近いのでどうしても会話が聞こえてしまう。しかも、右隣はブランド品の話ばかりしてる日本人カップルだった。少しして料理がきた。この時間だから殆どの人が、ちゃんとした朝食って感じのメニューだが、隣りの日本人はケーキとコーヒーだけ。しかも、「チップ10ドルで良いね」とか言ってる。私たちだって合計23ドルでも、せいぜいチップは3〜4ドルが相場だ。こう言う御上りさん的な日本人がチップの相場を上げてしまうのだ。今時、こんな奴がいるのかと……まあ、料理はそれなりの味でした。

 食後に少し街を歩こうと、近くに見えるコイトタワーCoit Towerに行く事に。ノース地区の観光ではシンボル的存在だ。フィルバート通りの坂を上って行く。タワーのある丘を中心に住宅が囲んでるが、店舗には英語と漢字の両方の看板を出してるパターンが多い。近くには中国人学校もあり、華僑の人が多く住んでいるのだろう。たった300メートルほどなのに急坂でしかも食後なのでキツイ…突き当たりはフェンスになってしまったが、扉があったので自分で開けて入る。

 草木の中の巻道を歩く。隣りの住居とも繋がってるが、こちらには塀などは無い。コイトタワーの真下に着いた。高さ63メートルの展望台へは3.75ドルで入れるらしいが、開くのは10時だから、待ってまで入ろうとは思わなかった。…まあ、タワーの麓も相応の丘なので木々の間からサンフランシスコ湾やベイブリッジなどが良く見えた。タワーの周辺にも太極拳のオジサンがいた。逆側は程々の広さの駐車場にギリシャ風の彫刻…誰だろう?
 帰りは階段から降りるが清掃中だった。風で枯葉を飛ばしてしまうマシン…一度やってみたい。

 下りた所は住宅地で、グリーンウィッチ通りGreenwich St.に出た。突き当りにあるロータリーの植込みに腰を下ろしていた女性が、私を見て「オー!……」なにか言い掛けたが、すぐにテンションが下がって苦笑いになった。「何だろう?」と思ったが、私がカルの帽子と上着だったので声を掛けようとしたが、すぐ後ろにスタンフォードを着ている妻が来たから?…それが一番有力な説っぽいが…。

 そのままホテル方面に歩いていくと、途中、ストックトン通りとロンバード通りの角に雑貨屋があった。大型スーパーよりも、このくらい店の方が手頃な大きさと値段の物が置いてありそうなので、ちょっと覗いてみる。やはり、「ヒマワリの種」がすぐに見付かった。50グラムと小さ目なので荷物が嵩張らなくて済む。スーパーではこの3倍くらいの袋のしか売ってなかった。ちょっとしたお土産にメジャーリーガーご用達のヒマワリの種は重宝する。日本にはほぼ売ってないし。6個買ったが3ドルにしてもらい値段も格安だった。それにしても店前にガソリン(レギュラー、ハイオク…)の値段が電光掲示されてるが売ってるのだろうか?そんなスペース無いが…

 ロンバード通りの遥か先を見ると、クネクネ坂が良く見えた。こちら側も坂の上で、一旦下がってるので、本当に面白い眺めだ。距離にしたら500メートルくらい離れてるのだが…坂を下る車を見てるとマンガみたいだw

 ホテルに戻ったのは9時半。30分ほど休んだり荷物の整理をしてからフィッシャーマンズ・ワーフへ。お土産専門の店でキーホルダーやマグネットを買う。カレッジグッズショップでも買い忘れたTシャツを買った。ピア39を歩いてるとジャック・スパロー発見!妻が追いかけて行き写真を撮ってもらう。近くで顔を良く見ると「似てな〜い」だそうだw

 昨日と同じように裏から海を見ようとしたら…なんと今日はゲートブリッジが見えている!!!上の方だけ霧で隠れているが、昨日、一昨日に比べたら全然OKだ。予定では古い建物をゆっくりと見ながら旧市街を散策でもしようと考えていたが(計画当初はアスレチックスのデーゲームを観戦する事も考えていた。勿論、夜のジャイアンツ戦とのダブルヘッダーでw)、急遽変更してレンタルサイクルでゲートブリッジを目指す事にした。

 ホテルに荷物を置いてから、すぐ裏のタイラー通りTaylor St.にあるレンタルバイク屋へ。フィッシャーマンズ・ワーフにある店の方がタンデムなど自転車の種類も豊富なのだろうが、野球観戦も控えてるので近い方が良い。路地を通れば徒歩1分の近さだ。2時間(1時間8ドル×2)と勿体無い借り方だが、交渉して値引きしてもらった(2台で2時間30ドル)。でも、時間を過ぎたら超過料金は普通に貰うと言われた。中国系の店主は最初から一日乗り放題のプラン(1台20ドル)を薦めてきたが…夕方には球場に向かわなくてはなので、それは断った…12時18分出発。

 なかなか良いマウンテンバイクで、ヨセミテの時よりは乗り心地も良いが、風はかなり冷たい。ベイ通りを西に向かい、早くブリッジを見ようと海沿いに出る。フォートメイソン公園の丘を越えるのは結構ハードで、チェーンが1回外れてしまった。でも、丘の上からブリッジを臨むと、さっきよりも良く見えたので疲れや寒さも吹き飛ぶ。でも、距離としては、大通りをある程度進んでから海沿いに出た方が近かったようだ。

 マリーナ通りからオールドメイソン通りに入ると、もう一直線なので、他の通行者に注意しつつも、橋を眺めながら気持ち良いサイクリングとなった。一昨日の朝に車で来た土手まで来た。その時は霧で何も見えず、どこに橋があるかも分からない状態だったが、「こんな近い所だったんだぁ!」と改めて感動。霧で見えなかった事を経験している分、今の嬉しさが倍増される。更に奥へ進み車では入れなかった区域(別ルートもあるが、こっちからは有料駐車場を経由しないと車は通れない)まで。橋桁を真下から眺め、強風の中ペタルを漕ぐ。自転車で橋を渡る人は、もっと早い段階で上に向かう道があるようだ。しかし、私達は時間的に間に合わないだろうから、渡るのは最初から断念。ブリッジ南端のフォートポイントFort Pointに着いた。波が打ちつける埠頭。真上にはグースの群れが…

 ゴールデンゲート海峡は、太平洋からサンフランシスコ湾への入口で、古くから外国の侵入を防ぐため砦を設けており、その歴史はスペイン、メキシコ、アメリカと代々領土を支配する国の軍隊によって管理されていた。この要塞は1861年にアメリカ陸軍によって建てられ、その後、ゴールデン・ゲート・ブリッジ建設のため、取り壊される事になったが、歴史的価値を見直され、今も保存されているとの事。

 要塞と言うか刑務所みたいな出入口に警備員が二人。自転車を停めて中に入る。料金は無料のようだ。入口のトンネルを抜けると中はとても広い空間。でも、風の冷たさも手伝って、とても寂しく「この世の果て」にでも連れて来られた感じがした。風に煽られるので足元に注意しながら階段を上がる。2階にも部屋が幾つもある。展示品や写真は歴史を感じるが、なんとなく恐い感じもした。兵士が寝泊りしていたベッドも置いてあった。屋上に上がるとブリッジは良く見えたが、尚一層強く風に吹き付けられるので、もう限界だ。私達の他には4〜5人すれ違ったろうか…みな寒そうにして足早に引き上げていく…出口では警備員と写真を撮った。笑顔で応じてくれたが、とても大変そうな仕事だ。

 自転車で帰路へ。時間は余裕っぽいので、ゆっくりと海沿いの景色を楽しむ。少し寒いが、なんて素晴らしい景色なんだろう。それに、振り向くと橋の存在感が…3日前に北側の山から見ようとしたが霧が濃過ぎて殆ど見えず。一昨日のツインピークスからでも、全く見えなかった。しかし実は、この「橋が見えなかった体験」こそが、サンフランシスコに来た証のような気が…歌のタイトルになるくらいだし、「霧」が一番の名物なのかもw

 途中、犬を何匹も連れてる男と遭遇。みな良さそうな犬だが、散歩屋って商売?それとも自分で飼ってるのだろうか?それと、一般道では二人乗りの黄色い小型車を良く見かけた。軽よりも小さくて原付くらいの感じ。自転車と同じようにレンタルで旅行者が利用しているようだ。

 時間があるので、フィッシャーマンズ・ワーフへコーンドッグを買いに寄るが、見付からず断念。見掛けたのはもっと奥だったのだろうが、人混みがすごくて、行くテンションにはならない…戻る時も人混みで、自転車を降りて押しながら進む。レンタル屋には2時間弱で戻った。店主が「どうだった?」と聞くので、一応「素晴らしかった」と答えた。

 14時20分。そのまま歩いてトレーダージョーズの向かいにあるミヤビ寿司Miyabi Sushiに入る。旅行中、スーパーで海苔巻きとかも買って食べてはいたが、メニューに「うどん」があったので、つい惹かれてしまった。店内は、カウンター付近は日本の寿司屋に似てるが、テーブル席はファミレスと大差無い。それでも、醤油や七味などは置かれている。昼時からは外れているので客は私達をいれて3組。テーブルに座るとアジア系のウェイトレスがお茶とメニューを持ってきた。「日本語は話せますか?」と尋ねると、「ごめんなさい。私は中国人なので日本語は出来ません」との事。天ぷらうどん、カリフォルニア・ロールの盛合わせに、かっぱ巻きを単品で注文。

 うどんは想像よりも美味かったが、キノコ出汁のみで日本の味付けとは明らかに違う。見た目も野菜スープのようだ。板さんも日本人ではないのか?寿司は普通に美味かった。その他には「鮭カマ、ハマチカマ」のメニューが気になった。

 けっこう腹は満たされたが、妻がどうしても最後にクラムチャウダーが飲みたいと言うので、メイソン通りからフィッシャーマンズに出てすぐの店でカップを1杯だけ購入。オープンテラスで気持ちが良い。

 腹が苦しい…3時半にホテルに戻って休憩。廊下のマッサージチェアはけっこう効く…ついウトウトしてしまった。

 4時20分、球場へ出発。今日はケーブルカーで行こうと裏路地から発着所へ。けっこう列が出来ていたが、時間もあるので待つ事にする。発着所では何台かが待機していたが、次の便が発車位置に来ると先頭の人から乗り始めた。あと3人と言うところで乗り切れず満車となった。残念!まあ、人気路線だから仕方ないが…しかし、ここで「あっ、チケット!」野球のチケットを忘れた事に気付く。今回の旅行、ジャイアンツ戦は全て自己プリント・チケットだ。妻に列に待っててもらい、私はホテルへ走った。ホテルまでは300mくらいだが、中で階段を上ったり、狭い通路から部屋へと…往復したら当然息が切れた…
次の便が来てしまったか?妻は?と急いで戻ったが、なんと1本目も動いていない。私が俊足なわけではなく、ケーブルの故障で運転を見合わせているとの事。

 10分…20分…最初の説明では5〜10分で回復するとの事だったが、かなり時間が過ぎ、列から離れる人も増えた。ケーブルカーに乗ってる人も降りてしまった人が数人いたので、動く時には「スタンディングなら」と言う事で私たちが最初の車両に乗る事が出来た。あと5分待ってダメならFラインの方へ行こうと思っていたのでラッキーだ。発車は5時過ぎ。昨日は行きも帰りもノーマークだったが、今日は車掌にミュニパスポートを見せて穴を開けてもらった(通常は3日間乗り放題だが、これで私達は4日間乗り放題に…明日帰国なので関係無いが)。

 夕方は道も混んでいるので、ケーブルカーもその影響を受ける。終点のマーケット通りまでは30分くらい掛かった。ここから球場までは路面電車のNラインかTラインに乗るのだが、停留所を見てもそれらしき車両は無く、道も渋滞してるので停留所がある道沿いに歩く事に。それで途中で電車が来たら乗れば良いと考えていたが…全くの勘違いだった事は帰りに分かる…

 歩き出して500メートルくらいだろうか、交差する道が2nd通りとなった。ここを真っ直ぐで球場だ。この渋滞では海沿いを行けば電車でもけっこう掛かるだろう(これも大勘違いw)と思い最後まで歩く事に。距離としては大した事は無いし、坂も無さそうだ。ガイド本では「治安が悪いエリアを通る」と書かれていたが、まだ明るいし人通りも多いので、それも大丈夫だろう。

 ミッション、ハワード、フォルサムと前々日まで泊まってたホテルではお馴染みだった通りが続く。そしてハリソン通りまではすぐにやってきた。ここからは一昨日歩いた距離と同じだ。横移動も無いので、前よりも早く着いた感じがした。球場着18時丁度。歩いた時間20分。地図で確認すると1.4キロだった。

 時間が無いので、一番近いレフト口から入場。今日はお洒落なチケットとの交換の余裕は無かった。平日でもアスレチックスとは違い人は多い。通路の途中にあるグッズショップを1軒冷やかしてから、上のレベルまで上がりスタンドに出る。

 座席を確認すると…思っていたよりも、かなり良い。小さな仕切り柵を乗り越えればVIPエリアだ。柵を跨ごうとしたら係の女性に呼び止められる。チケットを見せると、VIPエリアなのは認めてくれたが、柵を乗り越えるのは禁止なので、「入場をやり直しなさい」と言われる。苦労してここまで来たのに…入場口に戻ると、一般入口とは違い、一目でVIPな入口扉が。貧乏性が染みついてるので、さっきは当たり前のように一般口に進んでしまったのだ…

 VIP入口から入場。ドア一枚で中はとても暖かい…そこからは驚きの連続…VIPはスゴイ!グッズもフードも少人数で独占出来るだけではなく、メニューが違うのだ。フードラウンジとでも呼ぶべきか、オシャレでとても居心地の良い空間だ。そこを通って少人数の為だけに作られたような通路から更に少人数の為のセクションへのドアが…さっき出た場所と数メートルしか違わないのに…気分はVIP…ビジターサイドなのでダイヤモンドバックスだが、サイン貰い放題なくらいベンチに近い…しかし、ボールはもう無いw

 私たちの席はダグアウトのすぐ横の前から6列目。ダグアウト真後ろのセクションだと3列目と一緒の並びだ。まあ値段は高かったが、この球場でなら価値はある。でも、いくら良い席でも寒さは厳しい。本格的に冷える前にビールを飲んでおこう。せっかくだから奥の通路のスタンドでシェラネバダ・ブルワリーを注文するが、種類を説明するのに意味が通じない…「ダークレッド」と色を言ってるのだが、彼らにはその色には見えなかったらしい。店員は黒人の男女3人だったが、意味が通じた時には大爆笑された。でも、VIP席に座って飲む地ビールは格別だった。オーダーは座席でも聞きに来てくれるようで、メニューをくれた。

 開始前のセレモニーでは、どっかの学校のブラスバンド演奏と、南の島の民族衣装を着た団体がダンスを披露した。始球式ではコメディアンのような裸足の男がマスコットと絡んで悪ふざけって感じだった。空はまだ明るいが、なんか雲行きが…

 ビールを飲み終わり、試合開始直前に腰と腹にホッカイロを着ける。念のため持ってきたがマジで役に立った。ジャイアンツの先発は若手のバンガーナーMadison Bumgarner。昨シーズンは若干21歳で13勝をあげ、今年もローテの一角を担っている。しかし、ダイヤモンドバックスは初回からバンガーナーを攻め、モンテロMiguel Monteroのタイムリーで1点を先制した。

 対するダイヤモンドバックスの先発はケイヒルTrevor Cahill。アスレチックスでメジャーデビューして、デビューから3年連続で二桁勝利、今年からアリゾナに移籍したオールスター投手だが、年齢はまだ24歳。ケイヒルは立上がり上々で、ジャイアンツの攻撃を三者凡退に抑えた。

 その頃、球場では雨がポツポツ降ってきたが、心配するほどの事は無くすぐに夕日が…あっ、虹が出ている!!しかも二重に…空の色も独特で、初めて見るような空景色。周りも皆写真を撮っている。最後の観戦に花を添えてもらった気分wしかも、最高の球場でwwこの時間が永遠に続けばと思った…

 念願のコーンドッグを売りに来てたので、売り子のガールを呼んだ。列の一番端から回してくれ、お代の4ドル50セントを5ドル札で払う。当然、釣りをくれるものだと思っていたが、彼女は「サンキュー」と一旦は立ち去ろうとして…私の顔を見て慌てて50セント回してきた。回す客たちも「えっ?」と言う感じだったので、やはり私がKYだったのだろう…VIP席では、そのくらいの釣銭はチップとするのが当然なのだろう。いやぁ彼女には悪い事をした…後味の悪い中、コーンドッグの味は日本のと比べて余計にパサパサに感じた。

 かなり冷えてきた4〜5回は、ラウンジで食事をする事に。夏だと言うのに暖かさがありがたい。普通のエリアならコンコースで買うので、これほど暖は取れないだろう。しかも、大型モニターが各所に設置されてるので慌てずに食事できる。メニューも一味違う。トリプルプレーと言う名前のプレートを注文。チキン、ビーフ、ポークの三種類のサンドで、西洋ワサビ、ピクルス、トマトなどトッピングもちょっと豪華。カードで払ったがサインは求められない。試合はその間に、4回にアリゾナが追加点、マクドナルドJohn McDonaldのタイムリーが出た。食事はマクドナルドとは二味くらい違うがw

 座席に戻ると6回裏、ジャイアンツは二死二塁とチャンスを迎えていたが、ペガンAngel Paganのヒット性の当たりはダイヤモンドバックスのセンター、イートンAdam Eaton がファインプレーで好捕し無得点。空はすっかり暗くなったが、夜もカモメが球場内へ飛んで入ってくる。照明に釣られて寄って来るのだろう。餌にもありつけるのか?

 ダイヤモンドバックスの選手が守備から引き上げてくると、最後の打球を処理した選手は、ダグアウト横のスタンドにボールを投げ入れてくれるのだが、前から3列目の男の子3人組はボールを5個もゲットしている。小学校4年生くらいだろうか?守備の始まりのキャッチボールの時も貰ってるようだ。私達の後ろの席の女の子は、たまにそのグループの所に行って「キャッキャ、キャッキャ」と一緒に騒いでいるが、元から友達と言う感じではない。お互い活発な子供同士にはよくある感じだ。それに対して、2列目に座っている女の子は、彼らより前の席で、しかもグラブまで持ってるのに全然ボールが取れなくて、彼らに横取りされるたび、隣の母親に泣きついていた。男の子達が悪いと言うわけではなく、ちょっと消極的な少女のようだ。相手が大人なら一つくらい手渡すのだろうが、子供だからそうは行かないようだ…後ろから見てると、とても面白い光景だった。

 7回表はヒルAaron HillやゴールドシュミットPaul Goldschmidtのタイムリーで、アリゾナは一気に4点を追加した。サンフランシスコは6点のビハインドでは反撃は難しそうだが、7thイニング・ストレッチは盛大に行われた。私達も旅行最後のこの儀式を楽しんだ。

 しかし、直後の攻撃で一死満塁と攻めケイヒルをマウンドから引き摺りおろしたジャイアンツは、ベルトBrandon Beltの右中間へのタイムリーで2点を返した。スタンドはこの日一番の盛り上がり。尚も追加点のチャンスだったが代打のテリオRyan Theriotがダブルプレーに倒れた。そう言えば、この打順にはスタメンでナディーが入っていたはずだが、すでに引っ込んでいたようだ。

 7回終了後、写真を撮る為にアッパーレベルに移動…普通なら居心地の良いVIPに居れば良いのに、やはり上からの夜景も見なくては一生の不覚となる…それにしてもスロープで上がるのは時間が掛かる。ようやく上に着いたら、グランドではなんと乱闘が勃発していた。しかし、両ベンチからは全選手が出てきていたが、引けるのも早かった。マウンドに居たのは“あの”ブラッド・ペニーだったが、記録ではデッドボールも無かったし、なんだったのだろう?

 それにしても夜の眺めも最高だ。ベイブリッジはライトアップされているので、むしろ昼間よりも存在感がある。街のネオンも派手過ぎず情緒ある感じだ。スタンドではたまにシャボン玉が飛んでくる。もっと長く居たかったが、試合はどんどん進んでいるので、写真を撮ってさっさと下へ降りた。

 VIPエリアに戻ると、スタンドにも空席が目立ってきていた。さっきの子供達は、女の子は二人とも家族共々帰ってしまったようだ。男の子3人組はまだ頑張っている。風が冷たく感じるが、最後のシーンを目に焼き付けようとグランドに注目。サンドバルPablo Sandoval、ポージーBuster Posey、スーパースターを目の前に出来るのもこれで最後だ。9回の攻防はあっけなく時間が過ぎていった。試合終了でまたカモメが…

アリゾナ6−2サンフランシスコ
勝ち投手 ケイヒル 負けバンガーナー

イートン5打数2安打 ヒル5打数2安打1打点 アップトンJustin Upton4打数1安打 ゴールドスミス4打数2安打1打点 モンテロ5打数2安打1打点 ジョンソン4打数2安打2打点 マクドナルド5打数2安打1打点(以上アリゾナ)
ポージー4打数1安打 ナディー2打数ノーヒット代打を出される ベルト3打数1安打2打点(以上サンフランシスコ)

 VIP専用の通路をなるべくゆっくりと歩き球場の外へ。路面電車の駅はすぐ目の前だ。ホームの入口でチケットチェック。私達はミュニパスを見せる。すぐの車両に飛び乗ったら「ピー!」とブザーが鳴ったので「ソーリー」と言ったら、なぜか周りにウケたw満員のNラインに乗れた。

 電車は2〜3の駅を出たら地下に…Nラインはマーケット通りでは地下を走る路線だったようだ。どうりで見付からなかったはずだ。パウエル駅で下車し、エスカレーターで地上に出るとすぐ目の前がケーブルカー乗場。出発しようとしてた車両にすぐに乗込む。途中から客は私たち含め3人しかいなくなるが、ジャクソン通りの手前で全員が降ろされた。「こんなところで?」と思ったが、もう一人のサラリーマン風の男も黙って従ってたので、私達も同じように道路で待った。

 5分ほどで次のケーブルカーが来たので私達は乗るが、男は乗らなかった。メイソン通りを過ぎた時に「変だな」と思い、車掌に「メイソン線?」と聞いたら、次の停車で降りて待てと言われる。どうやら前の便も、これもハイド線だったようだ。ブロードウェイ通りのケーブルカーの看板がある発着所で2〜3分待っていたが、「ここまで来たら、もう歩いても行けるよ」と歩き出す。もう、アップダウンも終わり、ホテルのあるノース地区までは下り坂が続いているだけだったので楽に帰れた。時刻も遅かったが怖い感じは全く無かった。

ホテル着23時5分。こんな時間でもチェックインする人が居た。部屋で荷造りをしてからシャワー。私は、妻がシャワーから戻る前に、また眠ってしまったようだ。0時40分


9月6日

6時20分起床。今日も寒い朝。6時50分、外へ散歩に…
近所をグルっとした後に、メイソン通り沿いでホテルからちょっと南にある角のカフェで朝食する事に。クロワッサンにマッシュルームのキッシュ、ラテを2つで17ドルだった。人気店よりかなり安いが、味はそんなに変わらないように思う。しかも、ラテアートはアメリカにしては上手だw…座席数は少ないが客も少ないので落着いている。観葉植物も良く手入れをされている。チップはコップに入れるシステム。帰ってから検索すると「Cafe Capriccio」と言う店名だった。良い店だった。

 ホテルに戻り8時にチェックアウト。すぐ裏のケーブルカーの発着所へ。この時間にダウンタウンに向かう人など殆ど居ないのでガラガラ。私達の他には白人のオタクっぽい青年だけだったが、チケットチェックで彼は降ろされてしまった。乗客は私達だけで出発したが、途中で通勤の人がけっこう乗ってきた。急坂と街並みをしんみりと見直す。さようなら…SF


 その後、サンフランシスコ・ジャイアンツとオークランド・アスレチックスは、ともにシーズンを勝ち抜き、どちらも地区優勝を決めプレーオフに進みました。旅行で訪れたチーム同士のワールドシリーズでの対戦を期待しましたが、アスレチックスはあと一歩で敗退。しかし、ジャイアンツは見事ワールドチャンピオンに輝きました。


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