7月2日(2)

   Northwest League(A) 

EVERETT AQUASOX VS VANCOUVER CANADIANS

エヴァレット・アクアソックス           バンクーバー・カナディアンズ   

Everett Memorial Stadium  Everett , WA(ワシントン州 エヴァレット)


 土曜なのでラッシュも無く5号は流れていた。当初の予定では、今夜は最近流行ってるジャズ・アーリーJazz Alleyと言う、音楽を聴きながら食事の出来る店に行こうと思っていた。場所もホテルの真前なので夜でも安心だ。でも、シカゴのブルースなどとは違い、シアトルでジャズを聴けなかったからと言って、それほど悔しい気はしない。最後も野球に行く方が私達らしい。

 約30分でエバレットに到着。1週間前に2号から入った時に比べて、シアトル方面からのExit192はブロードウェイBroadwayに入りやすかった。球場にも、そこから4〜500メートルと近い。時刻は5時40分。

 球場入口にあるアクアソックスのショップ前では、黒人少年が「VIP Parking」の看板を持って客引き。なんと6ドル。マーチャンツEverett Merchantsの時に停めた、突き当たりの高台のPは門が閉まっていて使えなかったが、手前の長い駐車場なら無料だ。しかも、VIPパーキングよりも球場に近い。当然、みんなタダの方に停めている。私達もそちらに停めて、歩いてグッズショップへ。しかし、鍵が閉まっていて営業はしてなかった。VIPパーキングの少年が「今日はやらないと思うよ。場内でも売ってるよ」と教えてくれた。イイ奴だが車は入らない。仕事になるのだろうか?

 試合開始まで1時間以上あるので、昼間マーケットで買った食物を食べる事に。暑くないので、腐ってる心配は無用だった。飲物を買いに場内へ入ろうとしたが、係のお爺さんに止められる。球場入口には10人ほどの列が出来ていたが、チケット窓口はまだ閉まっている。「いつ開くの?」と聞くと、間もなく開くので、チケットを買ってから来てくれとの事。さすがにマーチャンツの時のような寛容さは無い。

 目的は飲物だけなので、ブロード沿いのG.Sへ歩いて買いに行く。スタバのコーヒー牛乳、カボスジュース、ヒマワリの種(土産に重宝します)も安いので数袋買った。車内でアメリカンドッグとポテトを食べてると、駐車場へは続々とファンがやってくる。皆、チームカラーの水色のTシャツや帽子、ジャンバーを着込んでいて、種類もかなりあるようだった。

 6時半前に入場。最後までは見ないだろうから、安い席でと思ったが、アッパーレベルは寒いかなと思い、1ドルの差だったので内野のロウアー10ドルを買った。入ってすぐの場所で選手がサインをしてたので、私も幾人かサインを貰った。持ってきたボールはかなり余ってる。水色が基調のユニホームは、とても明るい印象。グランドでは選手がキャッチボール、トスバッティング。当然、水撒きは専門のスタッフがやっている。同じ球場でもマーチャンツの時とは大違い。レフトの簡易スコアボードはカバーがされていた。

 エバレット・アクアソックスは、ノースウェスト・リーグ所属のマリナーズ傘下のシングルA球団。今年で11年目だが、その前はジャイアンツ傘下のエバレット・ジャイアンツEverett Giantsが同球場を本拠としていた。どこの傘下であろうと、野球ファンにとって地元チームは宝だが、やはりマリナーズの下部チームの方が、選手の将来に楽しみも持てるし、応援もしやすいだろう。

 試合開始時は約6割の入り。相手チームはバンクーバー・カナディアンズ。旅行中で3度目の観戦だ。最後にまたカナダ国歌が聞けるとは思わなかった。入場時に「何者だ?こいつら?」と思った赤シャツに黒ジャケットの4人組が歌うようだ。紹介では、まだ学生らしい。上手くハモっていてなかなか良かった。アメリカ国歌は若い女性が独唱。

 1回表、エバレットの先発左腕ファーガンRobert Faganは、立ち上がり不安定で、四球や牽制悪送球でピンチを招き、ガルシアJose Garciaのタイムリー3塁打などで計3点を取られる。私達の隣の席にはアジア系の若い親子が座ったが、前を通る時に避けてやっても礼も言わない。奥さんの方は、私達をなんとなく避けてるような感じ。観光客と自分らは別なんだと言ってるようにも感じた。

 バンクーバーの先発は、小柄なパイカーツJoe Piekarzだったが、こちらは更に制球難で、全てのランナーが四球で満塁とし、犠牲フライとタッカー3世J. B. Tucker III(スタトレに引っかけてる?)の左中間への2塁打で、あっさり同点。1回の表裏で35分が経過。イニング間に放送で子供が全員招集される。アトラクション参加を募ってたようだが、漏れた子も景品がもらえるようだ。隣の子もケン玉(日本のとは違う)を持って戻って来た。

 2回からはなんとかゼロが続いていたが、ランナーは毎回出てるし、両投手ともボール先行で時間がかかってる。アトラクションは毎回行われ、プレゼント投げ入れも多い。提供スポンサーも何社も名前を読み上げられていた。信じられない事にグランド上でラジコン競争までやっていた。車がひっくり返ったり、観客には大ウケだった。

 たまにマスコットのウェブリーWebblyが観客席にも来るが、大きな赤い目が気持ち悪い。それでも子供達には大人気のようだ。それから、2〜3の学校が団体で来ているようで、場内放送で「○○ハイスクール」と紹介されていた。日本のプロ野球でもよくやってるが、アメリカでは初めて見た。スタンドのゴミ回収係はアジア系の青年で、なんと黒のタキシードに蝶ネクタイ姿。

 4回が終了するとグランド整備となったが、なんとヤンキースタジアムのように、5人組の係が音楽に合わせてダンス。最初は大人しく並んで普通に整備していたが、突然、トンボを置くと、そろってサングラスを取り出した。観客も分かってるようで、スタンドは拍手と歓声の嵐。決して上手いとは言えないダンスだったが、盛り上げる効果は抜群だ。ここまで見ていると、こんなチームがあっては、地元の野球ファンは、わざわざマーチャンツなど見たいとは思わないだろう。尚一層マーチャンツの移転を思った。

 5回表バンクーバーは、二死からガルシアがレフトへソロホームラン。妻がグッズを下見に行った帰りに、アイバースのクラムチャウダーを買ってきたので一緒に食べる。スープはもう一種類あったようだが、やはりこれが気に入ってるようだ。隣の家族は5回表で帰ってしまった。他にも観客はアジア系も黒人もそこそこいる。私達の2列後ろのデブ娘4人組は、何かにつけて大笑いしてるグループだったが、「ダッフンダ!」と何回も言っていた。「ジャパンデー」とか言っていたが、そう言えば、エバレットで泊った日は日本語のテレビも見れた。彼女たちも志村ケンを見てるのか?

 5回が終わり、グッズを買いに行く。メインブースの1階裏側で、大きなカウンター式。Tシャツも何種類もあり、取ってもらい合わせて、妻は水色、私はグレー、ロゴも違うものを購入。サンバイザーも売っていて妻も来た甲斐があった。帽子とステッカーも買ったが、ペナントは何故か無かった。「売り切れ?」と聞くと「最初から置いてない」との答え。小柄な白人女性の係だったが、愛想が無く不親切。妻は「前に座ってた人はピンバッヂも沢山してたよ」と言ってるが、売られてないので、たぶんプロモーションで配られた物なのだろう。

 6回表まで見たが、またランナーが出て長引いてるので、7thイニング・ストレッチを待たずに球場を後にする。まだ明るいが時刻は8時50分。

 ビールを飲んでから数時間が経過してるので、帰りは私が運転。ブロードウェイを南に進むと、車線さえ間違えなければ自然と5号に乗ってしまう。一般道に進む方が難しいのではないか?徐々に空は暗くなっていく。混んでるが渋滞は無い。球場を出てから約30分でダウンタウン着。給油のためダニー通りへ。

 大通りなのですぐにG.Sを発見。ポンプのやり方で手間取ってたら、隣で給油してた黒人のオジサンが教えてくれた。中はコンビニになっているので、車を敷地の端に置いて、ちょっと買物を。レジ係は派手な黒人娘だったが、客も黒人やワイルドな白人が多い。ベーグル、ハムサンド、ヨーグルト、ユデタマゴを買った。

 外はスペースニードルを真上に見るような場所だったが、G.Sの向こうは真っ暗。ちょっと危なそうな奴らが次々と湧いてくる。見上げたスペース・ニードルの写真を撮ろうと思ったが、タイミングよく電池が切れる。車内で探してるのも、観光客丸出しなので、さっさと引き上げることに。隣の車もなんか怪しい奴だ。

 ホテルに戻ったのは10時チョイ前。駐車場が満車だったので、フロントで聞くと、裏のバジェットとの間の路地は、奥まで続いていて北側は空いていた。マリナーズのグッズもあるので荷物が多い。土曜の夜だからか?エレベーターが酒臭かった。3階の廊下には酔っ払いのオジサンもいた。

 買った物を見ながら荷物整理。風呂に入ってから、12時頃G.S.で買った物で夕食。


試合結果:バンクーバー7−6エバレット 勝ち投手マルチネスShawn Martinez セーブ キルビーBrad Kilby 負けモールトJeff Mault ボイドChad Boyd4打数2安打、オムラIsaac Omura4打数1安打2打点、ガルシア4打数3安打2打点(以上バンクーバー)、サンティンDaniel Santin3打数2安打1打点、タッカー4打数1安打2打点(以上エヴァレット)


7月3日

 6時半起床。ついに帰る日になってしまった。妻が「晴れてるよ」とカーテンを開ける。陽射しはまだ弱いが、南に薄い雲があるだけで、ほとんど青空。「ケリー・パークに行ってみよう!」

 7時に出発。大きなバッグは車に積んでしまう。ダニー通りに出て、昨日と同じように1th Avからクイーンアン通りに出ようとするが、一通で何回も間違う。昨日の方がスムーズだったが、もしかしたら雨で標識を見落として、進入禁止を通ってたのかな?結局、ボーイ通りBoy Stまで行ってクイーンアン通りへ。ここからなら一通ではなくなる。他は曲がれないようだ。急坂になるのもボーイから北。

 ケリー公園へ着くと、昨日とは違い、美しいMtレニアが顔を出していた。日本へ帰る私達に、お別れに出てきてくれたのだと思った。写真を撮っていたアジア系の人がいたので「日本人?」と聞いたら中国人だった。写真を頼んだが、「君も撮ってやろうか?」と言うと、彼は山の写真だけで自分はいいそうだ。

 帰り道、急坂を下りると耳がキーン。こんなに短い距離なのに、相当な高低差があるようだ。妻は昨日も耳鳴りがしたそうだ。ボーイ通りとの交差から下もダニーまで緩やかな坂が続く。そのまま、昨日は寄らなかった4th Avのアップタウン・カフェUptown Espressoへ。すでに営業していた。店前の駐車メーターは、初めての旧式タイプだった。1時間1.50ドルだが、コイン1枚毎にカウントするようで、コインを入れガチャガチャのようなダイヤルを回すと、上のフタが赤から黄色になり、オモチャのような針が時間を指した。クオーター2枚で15分までしか針が跳ねなかったので、5セント入れたら詰まってしまった。「さっさと食べて帰ろう」と中へ。

 店内はマクリーナよりも広く、バンクーバーで寄ったカフェに似てる。中央のショーケースに20種類くらいのパンがあったが、大きいので1つだけ注文。ラテのスモールを2つと計6.75ドル。客は程々にいたが、中東系の小柄で綺麗な女性が一人で切り盛りしてた。私達はテーブル席に座ったが、窓際にはソファーもあった。サクサクスコーンはピザ味でとても美味い。ラテを飲みながら、メーターの事も忘れて30分くらいボーっとしてしまった。帰るのは寂しいが、全日程を無事終了しホッとした気持ちもある。

 車に戻るとメーターは直り、5セントも飲み込まれていた。8時にホテルに戻るが、バジェットがホテルPを使ってるので入れない。また、遠い北側のスペースになってしまった。毎朝挨拶してくれる、清掃係のアジア系のオジサンとエレベーターで一緒になった。「今日は良い天気だね」部屋では特にする事も無く、しみじみ外の景色を眺める。9時にチェックアウト。フロントはいつものMr.ジョイと初めて見るアジア系の女性。「オハヨゴザイマス」

妻の運転で、スプリング通りから5号サウスへ。スムーズに流れている。レニアも良く見え過ぎて、感傷的になってしまう。

マウント・レニアは、空港の搭乗ゲート(N7付近が一番良く見える。他のターミナルは分からないが)からも良く見えた。私たちは出航ギリギリまで山を眺めていた。


ホーム