兄弟&姉妹の比較
SHUNの自慢のラッパ達ですが、名品の兄弟、姉妹で鎮座し、存在感のある(それだけ惚れ込んでいる)ラッパが有ります。
左はMonetteのスタンダードモデル。右は Reynoldsの銀ベルです。
1)まずはMonetteですが、左がB♭管のヘポ君(シリアル1100番台)、右がC管のヘポやん(シリアル700番台後半)です。
もの凄く意外だと思いますが、ヘポやんの方がC管ですから管長が短いのに楽器の全長が長いのです。ですからシュンとして格好エエでしょ!
C管は主管が短くて、抜き差し部が15ミリぐらいしかありません。その為、ちょっと抜くと落下してしまいます。
2回落下させて涙飲みましたので、主管にストッパーを付けて落下防止策を講じています。
仕上げは微妙に違いますが、どちらも音程が確かで、ピストンがカチリと決まり、音色はファットでダークです。
兄弟ともバリバリ遠鳴りし、トランペット界の頂点に君臨する帝王の名称に相応しい素晴らしいラッパです。
2)次はReynoldsですが、何と1930年代に作られた手作り品です。
左のトランペットが姉のキャサリーヌ、右のコルネットが妹のキャサリンです。(爆笑)
第二次世界大戦前にこれだけの楽器を作れるのですから,当時のアメリカ職人さんのラッパ製造技術は大したものです。
勿論時代背景がJAZZ全盛期でミュージシャンも巨人が続々登場した時期ですものね。
この職人さんの作品は殆ど目に留まりませんが、非常に寡作な方だったようです。又価格も飛び切りだったそうです。
聞くところによれば、普通のサラリーマンの倍以上有ったプロミューシャンの月収の2か月分では買えなかったとか・・・!?
昭和40年頃、中古でもKINGのシルバーソニックの新品以上だったと元オーナーに聞きました。
まあ、もともとKINGとREYNOLDSというのは身内のような関係にはあるのですが・・・。
SHUNの姉妹はどちらもシリアル500番代!生気才気溢れる妖艶な美女達です。
純銀のベルに手彫りの見事な彫刻、さらに彫刻の上から純金のプレートを施して、更にベル内も純金プレートです。
70歳近いラッパは、ピストンや抜き差し管の維持&調整に手間と費用が掛かります。
又長時間吹くと、ベルが遣れる感じがして、音色や音程がふらふらしてきます。これはビンテージの自動車と同じで、メンテナンスもせずにガンガン使うのでなく、大事に可愛がりながら、ここぞという機会にしっかりと吹いてやるという使い方がベストですね。
3)共通項目として
この兄弟&姉妹は重量が有ります。そして音色もファットでダークで、更に独特の貫禄が有ります。
初めて手にした方は「うっ!重い!」と顔をしかめるかも知れません。やはり重量と音色というのは相関関係があるようで重いラッパは、音色も重量感が有るようですね。
この兄弟&姉妹は、どちらも製造が非常に少なく、高価な事もあって、ペアで持っている人は少ないと思います。
それだけに、出会えた僥倖に感謝して、末永く可愛がっていきたいと願っています。