◆ISO13485の対象分野
ISO13485は、医療機器の分野を対象に、品質に関する会社の運営方法【品質マネジメントシステ
ム】を決めている。ISO13485は、次の分野を対象にする。
・医療機器の製造
・医療機器の設計・開発
・医療機器の設置【据付け】
・これらに伴うアフターサービス(保守、点検、保証など)【付帯サービス】
・医療機器に関係したサービス(レンタル、保守、修理、販売、物流など)
・医療機器に関係したサービスの企画【設計・開発】
◆ISO13485の使用者
ISO13485は、会社の実力を評価するために使う(顧客との約束を守れる実力、法令通りに実施で
きる実力)。これには、次の2つの場合がある。
・会社が自分の実力を評価する
・外部の機関(規制当局、顧客、審査登録機関など)が会社の実力を評価する
◆参考の扱い
ISO13485の中で「参考」とあるのは、この規格の理解を助けるための補足説明だ。本文の詳細な説
明の場合と、参考情報の場合がある。参考情報の場合は実施を強制しない。
◆製品について決めるのではない
ISO13485は、製品の具体的な管理内容(性能、製造方法、検査方法など)を決めているのではな
い。個々の製品の管理内容は決まっているという前提で、その決められた内容を確実に実行するた
めの仕組みについて書いている。
◆経営戦略としての採用
ISO13485は経営の考え方について書いてある。ISO13485を導入するかどうかは、会社の「経営戦
略」 として決めるべきだ。
◆同じ仕組みを求めるのではない
経営の仕組みは、会社の規模や組織、考え方、製品の種類、製造方法、顧客の要望などにより異
なる。ISO13485は、全ての会社に対して、共通の仕組みや共通の文書を当てはめようとは考えてい
ない。ISO13485が決めるのは原則だけなので、具体的な方法は各々の会社で決めることだ。
◆特別ルール
危険度の高い医療機器については、通常よりも厳しい管理が必要だ。そこで、ISO13485の中にも、
特定の医療機器だけを対象とした項目を作った。これを「特別ルール」【特別要求事項】と呼ぶ。
ISO13485の中で「特別ルール」を作った医療機器は次のものだ(それぞれの医療機器の定義は3
章にある)。
・埋め込み医療機器(7.5.3.2.2 8.2.4.2)
・能動埋め込み医療機器(7.5.3.2.2 8.2.4.2)
・滅菌医療機器(7.5.1.3 7.5.2.2)
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