1.品質方針に社長の想いをこめる
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品質方針は、全社員のベクトルを一致させ、力を結集するためのものです。社長が自分の言葉で、
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本当にやりたいことを言って下さい。ISO用語で飾る必要はありません。小さな会社では、経営方針
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をそのまま品質方針にしても良く、利益や、環境や、安全の項目が入ってもかまいません。
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2.品質目標は大事な問題に取り組む
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社長の想いを実現するための、具体的活動です。本当にやらなければならない、重要な問題に取り
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組んで下さい。この時、「達成できなくて、審査員に指摘されたらどうしよう」などとは考えてはいけま
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せん。経営戦略なのですから、審査より中身が重要です。
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3.内部監査はやりたいことをやる
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審査機関の真似や、形式的にISOの条項に沿って確認しても、効果は小さいです。内部監査は、
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会社にとって重要な問題点を調査したり、互いの現場を点検して意識を向上させたり、会社の役に立
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つことに使って下さい(最初の段階でここまでやるのは難しいけど、登録後はこうありたい)。
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4.マネジメントレビューもやりたいことをやる
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よほど大きな会社や工場でない限り、日常の動きは経営者の耳に入っているので、改めて形式的
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な報告をする必要はありません。マネジメントレビューでは、日常とは異なった視点でデータを分析し、
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目標の達成状況や、大きなクレームなど、会社にとって重要な問題について意見交換して下さい。
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5.丁寧な仕事で顧客の信頼を得る
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ISOの認証を取るだけで顧客は信用してくれません。むしろ、きちんとやるかどうか、顧客の見る
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目が厳しくなります。ISO9001を導入する際には、契約、クレーム、報告など、顧客と接触する部分は、
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ことさらに注意して、今までよりも丁寧に仕事をし、顧客の信頼を得ましょう。
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6.注文を増やすのが目的
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端的に言えば、顧客の信用をアップして、注文をたくさん貰うのが、ISO9001の目的のはず。
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まず、そのために必要なことを考え、決めたことを確実に実行するためにISO9001を利用しましょう。
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ISO9001は管理手段に過ぎず、ISO9001そのものを目的にしても注文は増えません。
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7.是正処置は真剣にやる
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金銭的や、信頼上のロスを起こした(起こしかけた)問題の再発防止は、徹底してやりましょう。
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審査対策などではなく、会社の経営上の課題です。本音の部分で、「これで2度と起こらない」と信
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8.不良を減らすようにがんばる
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不良の発生防止・流出防止を一生懸命やりましょう。金銭的や、信用上のロスを未然に防ぐため、
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管理ポイントを絞り、計画の精度アップ、効率的な工程監視と検査を行ないましょう。これも、ISO
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には具体的な手法が書かれていませんので、中身を真剣に考えなければ、実現しません。
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9.外圧を利用して今までやれなかったことをやる
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外部審査という外圧を利用すれば、社長も、部長も、作業員も、今まで続かなかったことが、続けて
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できるようになります。この際、やらなければいけないことは、覚悟を決めてシステムに入れ、外圧を
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使って推進しましょう。もちろん、コスト管理でも、安全でも、環境でも何でもありです。
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10.ISOを口実に外注業者に注文をつける
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「やってもらわないとISO9001の審査に通らない」との口実で、この機会に外注業者さんにも問題を
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解決してもらいましょう。まさに、千載一遇の機会です。ただし、意味のない管理をやらせたのでは、
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下請けいじめになってしまいますので、注意しましょう。
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社長の想いを実現する
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今までが何とかしたいと思っていた問題点を、効率よく解決する手段がISO9001です。
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ISO9001が問題点や、利益向上の種を教えてくれる訳ではありません。ISO9001のメリッ
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トは、社長の想いが実現できることであり、その結果として金銭的な効果もついて来ます。
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逆に、想いのないISO9001は決してメリットを生まないのです。
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