らくらくISO9001講座

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ISO9001によるメリットの出し方


「らくらくISO9001」でメリットを出すには、日常管理は「らくらく」で進めながら、
経営上で重要な項目は手を抜かず、確実に成果を上げてゆくことが必要です。
このコーナーは、「らくらくISO9001」に魂を入れるためのポイントを紹介します。




 1.品質方針に社長の想いをこめる

  品質方針は、全社員のベクトルを一致させ、力を結集するためのものです。社長が自分の言葉で、
本当にやりたいことを言って下さい。ISO用語で飾る必要はありません。小さな会社では、経営方針
をそのまま品質方針にしても良く、利益や、環境や、安全の項目が入ってもかまいません。


 2.品質目標は大事な問題に取り組む

 社長の想いを実現するための、具体的活動です。本当にやらなければならない、重要な問題に取り
組んで下さい。この時、「達成できなくて、審査員に指摘されたらどうしよう」などとは考えてはいけま
せん。経営戦略なのですから、審査より中身が重要です。


 3.内部監査はやりたいことをやる

 審査機関の真似や、形式的にISOの条項に沿って確認しても、効果は小さいです。内部監査は、
会社にとって重要な問題点を調査したり、互いの現場を点検して意識を向上させたり、会社の役に立
つことに使って下さい(最初の段階でここまでやるのは難しいけど、登録後はこうありたい)。


 4.マネジメントレビューもやりたいことをやる

 よほど大きな会社や工場でない限り、日常の動きは経営者の耳に入っているので、改めて形式的
な報告をする必要はありません。マネジメントレビューでは、日常とは異なった視点でデータを分析し、
目標の達成状況や、大きなクレームなど、会社にとって重要な問題について意見交換して下さい。


 5.丁寧な仕事で顧客の信頼を得る

 ISOの認証を取るだけで顧客は信用してくれません。むしろ、きちんとやるかどうか、顧客の見る
目が厳しくなります。ISO9001を導入する際には、契約、クレーム、報告など、顧客と接触する部分は、
ことさらに注意して、今までよりも丁寧に仕事をし、顧客の信頼を得ましょう。


 6.注文を増やすのが目的

 端的に言えば、顧客の信用をアップして、注文をたくさん貰うのが、ISO9001の目的のはず。
まず、そのために必要なことを考え、決めたことを確実に実行するためにISO9001を利用しましょう。
ISO9001は管理手段に過ぎず、ISO9001そのものを目的にしても注文は増えません。


 7.是正処置は真剣にやる

 金銭的や、信頼上のロスを起こした(起こしかけた)問題の再発防止は、徹底してやりましょう。
審査対策などではなく、会社の経営上の課題です。本音の部分で、「これで2度と起こらない」と信
じられる対策を打ちましょう


 8.不良を減らすようにがんばる

 不良の発生防止・流出防止を一生懸命やりましょう。金銭的や、信用上のロスを未然に防ぐため、
管理ポイントを絞り、計画の精度アップ、効率的な工程監視と検査を行ないましょう。これも、ISO
には具体的な手法が書かれていませんので、中身を真剣に考えなければ、実現しません。


 9.外圧を利用して今までやれなかったことをやる

 外部審査という外圧を利用すれば、社長も、部長も、作業員も、今まで続かなかったことが、続けて
できるようになります。この際、やらなければいけないことは、覚悟を決めてシステムに入れ、外圧を
使って推進しましょう。もちろん、コスト管理でも、安全でも、環境でも何でもありです。


 10.ISOを口実に外注業者に注文をつける

 「やってもらわないとISO9001の審査に通らない」との口実で、この機会に外注業者さんにも問題を
解決してもらいましょう。まさに、千載一遇の機会です。ただし、意味のない管理をやらせたのでは、
下請けいじめになってしまいますので、注意しましょう。


 社長の想いを実現する

 今までが何とかしたいと思っていた問題点を、効率よく解決する手段がISO9001です。
ISO9001が問題点や、利益向上の種を教えてくれる訳ではありません。ISO9001のメリッ
トは、社長の想いが実現できることであり、その結果として金銭的な効果もついて来ます。
逆に、想いのないISO9001は決してメリットを生まないのです。



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