英国の気候

   ご存じの通り、英国は地理的に見るとかなり高緯度に位置しています。比較すると、北海道とスペイン北部が同じくらいの緯度だったと思います。しかし、アメリカのメキシコ湾から大西洋を北上して流れる暖流、北大西洋海流(GulfStream) と偏西風のおかげで、緯度と比較するとかなり穏やかな気候です。英国南部であれば東京と比較してもあまり大差はありません。ただ、日本の気候との大きな差は、季節感が薄く、簡単に言うと、春と秋が極端に短く、夏が3〜4ヶ月、残りは冬みたいな感じですか。全体的に天気は不安定で一日の内に天気が何回も変わることもあります。ちなみに、私は快晴→曇り→雨→雷(嵐)→雪→雹→晴れという、天気の移り変わりをほんの数時間のうちに体験したことがあります。このような具合ですから英国人は基本的に傘を持ちません。雨が降ってもすぐにやむだろうという感じです。もっともすぐにやまないような雨の中をびしょ濡れになって歩く人をよく見かけます。何時の間にか私のその仲間になっていて、結局日本から持ってきていた折り畳み傘を英国で広げることは一度もありませんでした。(^^;)

   さて、英国の春は雨が多く、夏は、「JUNE BRIGHT」とも言われるように明るく気持ちの良い日が続きます。秋は本当にあっと言う間に過ぎていき、そして、暗く、じめじめとした冬が10月頃からやってきます。じめじめと言っても湿度が高い訳ではないのですが、とにかく毎日が灰色の日々なのです。「暗く、重い灰色の空が支配する世界」なんてところでしょうか。こんな気候ですから、気分が憂鬱になるのも当然で、英国人の国民性はこの気候に左右されていると言われています。(本当か?)事実、ヨーロッパ大陸の人間は、英国にいると冬は鬱的になってしまい、夏の太陽にあたると簡単に治ると言っていました。ですから、英国人は太陽が大好きで、天気の良い日には、緑の芝生の上に寝ころんで日光浴をしています。もちろん、私も英国にいるときには太陽に飢えていて、日光浴が大好きでした。しかし、この習慣を日本に持ち帰ってきたら…(夏には)暑いし、むしむしするしで大変。何時の間にか日陰から日陰へと移動するコウモリみたいになってました。

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