英語と米語1
英語圏に留学するといっても本当に沢山の国があり、それぞれの国で使用されている言葉としての英語自体も結構異なっています。例えば、このホームページの掲示板でも話題になったことがありますが、「英語」と「米語」って知っていますか?この「米語」という耳慣れない言葉、別に私が造った造語と言う訳ではなく、ちゃんと辞書にも載っているれっきとした単語です。その意味は、米国(アメリカ)で用いられている英語、です。これだけだと、なんか「英語」と「米語」って異なる2つの言語のような感じがしませんか?
さて、日本語にも方言があるように、いわゆる一般的な意味での「英語」にも方言があり、とても強いアクセントを持つものも少なくありません。アメリカでは、例えばテキサス訛り、イギリスでは、ロンドンのコックニー訛りなんかが有名なところでしょうか。そして、日本では東京で用いられている日本語が標準語とされている(正しくはNHKが使う言葉なのかも…)ようですけど、そういう意味での規準となる英語はイギリスの女王が話される(またはBBC放送)クイーンズイングリッシュが正統な英語だと思います。でも、です。「米語」ってもう「英語」の方言ではすまなくなっています。イギリスからアメリカに移民が渡ってから今までの間にすこしづつ変化していったのでしょう。
具体的な話をすると、まず英語と米語の間にはスペリングの違いが有ります。代表的な例を表にするとこんな感じです。
英語
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米語
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colour
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color
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centre
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center
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specialised
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specialized
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なにが違うかというと、米語の方が簡単になっています。英語で"-our"のスペリングは"-or"になります。あとは発音に忠実(?)なスペリングになっていることでしょうか。センターの"ー"の伸ばす部分。"-re"と書くと"レ"の発音になりますが、"-er"であれば、誰でも簡単に伸ばす音(長音)だと分かります。最後のspecialisedも似ています。最後の"-lised"の"s"は、濁った発音になるので、"z"の文字を使った方がある意味自然かも知れません。でも、例えば"centre"では、変形で"central"という単語があるわけで、ここでは、"t"の後に"r"がこないとヘンなんです。こんなふうに、やっぱりいわゆる"自然"なスペリングではないなと……。
では、どうしてスペリングがこんなに変わってしまったのか?これは言語学者の方に解説をお願いしたいところですが、身近に言語学を学んだ人がいないので私の持論を少々。ご存じのとおりアメリカで最初に英語を話したのは、イギリスからの移民でした(多分)。移民をするぐらいですから、博学な人は少なかったでしょう。そうすると、正確なスペルなんか問題にならず、わかればいいわけです。ですから、どちらかというと話し言葉を強引に書き綴った結果、間違えたスペリングが定着してしまった…と、こうは考えられないでしょうか?
一度英語になれてしまうと、こういったスペリングにとても違和感を覚えるんです。なんかあまり"きれいじゃないな"みたいな。自分でもよく分かりませんけどね。でも、逆に米語になれてしまうと、英語ってとってもヘンに聞こえるそうです。どっちもどっちですねぇ(^^ゞ